[04JAPAN]ラグビー日本代表欧州遠征初戦大敗に思う〜世界ラグビーのすすめ〜

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今欧州遠征を行っているラグビー日本代表。初戦は残念ながら、去年W杯で善戦したスコットランドに8-100と100点ゲームで、記録的大敗という結果終わってしまいました。去年W杯前にテストマッチ等などで、あまりにもふがいない戦いを続けたJAPANだっただけに、期待は少なかったのですが、実際のW杯での初戦での戦いでは、あとワントライが決まっていれば(そこが大きな差なのですが)という大健闘を見せてくれました。このときによかったのがなにより低く決まるタックルがうまくいって、ある程度守れたことです。今回の遠征メンバーは、 去年のW杯で出場したメンバーでいえば、キャプテン箕内、大久保といったところくらい。バックスリーをはじめあまり聞いたことのない選手が中心でした。ウイングの大畑、うなぎステップの小野澤などのスター選手は怪我を理由に辞退しています。
最近は大学ラグビーなどあまり見ないので、メンバーよくはわからないのですが、看板選手や外人選手がいないので厳しいのかなぁとは思っていました。

しかし、ここまで虐殺されてしまうとは・・・。
メンバーはスコットランドも中心選手は一人・二人くらいしか出てなかったので、条件はそんなに変わらないでしょう。
さらにスコットランドは、欧州のトップ6で毎年行われるシックス・ネーションズでも最下位で、最近の親善試合でも負けが混んでいて絶不調でした。
その相手だけに100点ゲームは詳しい人の反応を見てるとかなりショックみたいでした。
去年の試合と比べて思ったことは、まずスコットランドのスピードが増していること。
W杯の時は、スコットランドは伝統的にFWを中心とした読みやすいオーソドックスな戦いをしてくる定型的なチームということでした。その時はその通りにあくまでFWを中心としたパワーを中心とした戦いで、ある種単調な攻撃でした。
その時はJAPANはうまく対応できたということなのでしょう。
今回驚いたのは、去年の反省からなのかスコットランドが若手に変わってやるラグビーが変わったのかはわかりませんが、スピード重視のラグビーをやっていたことです。

99年W杯当時のラグビーの主流は、もっとも固いDFが出来るチームが勝っていました。それに対抗するものとして、03年W杯でも多くみられたオフロードといわれる攻撃が多用されるようになってきました。
オフロードというのは直訳すると『積荷を降ろす』という意味なのですが、タックルを受けながらも、そこに倒れるのではなく、倒れながらサポートにきた選手にパスをつなげるという高度な攻撃です。タックルを受けた選手、サポートの選手のタイミングが重要で相当に難しいプレーみたいです。
本来はタックルを受けたら、そこに密集ラックが出来て、サポートがあり、次の攻撃への展開というのが普通でしたが、そこにかける時間が省略されているのです。
世界のファーストチームは、オフロードでDFによって固められた道なき道をこじ開けていくのですが、この姿は圧巻です。
南半球トップ3、南アフリカ、ニュージーランド、オーストラリアのクラブチームが戦うスーパー12でも、準決勝のオーストラリアのチームとNZのチームの戦いはスピード、パワーとも世界最高峰のものを見せてもらいました(それでも今年のスーパー12はつまらないといっているファンも多かったので驚きましたが)。その戦いでもかなりのスピードの中で、いいタックルが決まってもオフロードでつながれてしまい、これは止められないよという場面が多く見られました。

この日本代表とスコットランドでの戦いでも日本がいいタックルにいってもオフロードでつながれてしまうという場面が目立ちました。
下半身にタックルにいっても上半身がフリーだと倒れながらつながれてしまうんですよね。日本の足首に鋭く突き刺さるタックルは日本独特のもので、危険なくらい鋭いといいます。そのタックルで止めても、もう一人くらいがボールを持つ上半身も止めないとつながれてしまうので、つらいところです。人数をかけすぎてもサイドがフリーになってしまって決められると。
なら最初からボールを巻き込んで上半身にタックルすればいいのでは?と思う方もいると思います。しかし、上半身にタックルしても相撲と同じで、パワーで弾き飛ばされる可能性が増します。たとえ止められてもパワーでひきずられて大きくゲインを許してしまいます。相手をびしっと止めるには低いタックルが必須でしょう。ましてパワーで劣る日本人であればなおさらです。

さらにスコットランドは去年FWを中心とした単調な攻撃を止められたのを反省としてか、バックスを中心としたスピード攻撃を仕掛けてきました。
結果からすると前半はがんばったものの後半は止めきれずに途中できれてしまっての100点ゲームということだと思います。

去年イングランドの優勝には、ラグビープレミアシップでのプロ化によるハイレベルな戦いのおかげといわれました。そこから世界はさらに一年で物凄くレベルアップしてしまっているという印象です。世界のラグビーはプロ化を経て、加速度的に進歩しているんではないでしょうか。
このスコットランドでさえ、シックスネーションズでは最下位。去年NZとあわやという好ゲームをしたウェールズと、欧州遠征の最終戦で戦うことになります。かなり心配ですねぇ・・・。

日本は2011年のラグビーW杯に立候補しました。それだけに大事な欧州遠征なのですが、今回の遠征の報道もほとんどなくかなり心配ですね。

ラグビーの環境をみていて、丁度Jリーグが始まる前のサッカーに似ているなと
思います。今回も主力級の選手はトップリーグをにらみチームが出してくれないという事情もあるようです。90年当時のサッカー日本代表も日本代表の価値が全然なくチームが選手を出してくれなかったそうです。そこからJリーグ開幕などを経て、大きく変わりW杯を成功にまで結びつけるまでいたったわけです。
ラグビーの場合あと8年ですか。時間がないので、がんばらないといけないですね。
去年W杯に健闘したおかげで、日本でのW杯開催はIRB(サッカーのFIFAのような組織)も興味をもっているようです。
さきほど書いたスーパー12に日本人が参加するチームを招待したいという構想まであるようです。ジャパンマネーをとりこもうという魂胆もあると思いますが、好ましい状況になりつつあるだけに、なんとか進歩を続けて欲しいものですね。

世界の主流はオフロードを中心とした攻撃ラグビーと書きましたが、日本のいいところはその組織力とスピードです。持ち前の団結力で、つなぎまくってこのオフロードパスを完全マスターしていけば、いいラグビーも出来るんじゃないかなぁ。体格ではどうしても劣る日本にとっては相当に難しいけど、スクールウォーズばりの奇跡を見せてくれないかなぁと夢を見てしまいますね。
サッカーと違い、実力を覆して勝つのは本当に難しいのですが、力をつけてファーストクラスは無理にしても、セカンドクラスのイタリア、カナダ、アメリカ、ルーマニア、フィジー、トンガあたりに常にいい勝負が出来るようになってW杯を成功させてもらいたいものです。


追記:
ちなみに土

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galthie

スポーツ全般がとても好きです。もともと好きだった将棋も1年くらい前から本格的に指しています。別の趣味であるコンピュータを含めてみなさんの役にたつ情報を載せていきたいものです。 好きなチーム:アーセナル 将棋棋力(2016年1月現在) 【将棋ウォーズ】3級 【将棋倶楽部24】13級 最高R310(R300あたりをうろちょろ) 【将棋道場】対局数少なく判定出ていません

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