このところ、私は昼休みに決まって飲むドリソクがあります。黄色くて、甘くて、なかなか珍奇なフレーバーで、言葉にするのがことのほかむつかしい飲み物。そう、ボクらの強い味方「リアルゴールド(リアゴ)」であります。
このブツは飲んだとたんに首筋と腹部が熱くなり、眉間の間がジンジンとシビれ、つらさだるさやるせなさがたちまち吹き飛んでしまうというパゥワァドリソクであります。兄貴ステキ!
事実、ラベルにも「シャキッと元気」とありますから、人々のやる気エナジーをムリムリと底上げする明らかに違法な何かが素晴らしい滋養栄養が含まれていることは想像に難くなく、やっぱり事実、ラベルにも「ローヤルゼリー」とかなんとか「是レ即チ滋養」の代名詞とも言える、言い換えれば「いかにも効きそう」な発奮物質が記されています。これで効かなければ本人の責任と言えるでしょう(言えません)。
まぁ?確かに?私も?午前中の仕事による疲れを卑し癒そうという目論見が全くないわけではありませんし、ないと言えばウソになることは認めざるを得ないことは認めます。しかしこの卑し癒しを求めるというのは、リアゴを飲む動機の10%程度しかないと申しておきましょう。
私がリアゴを飲む最大の理由、敢えて声高に申しあげましょう。それは「この味が好きだから」に他なりません!栄養?元気?パゥワァ?そんなものはどうでもいい!夢か現かなどもどうでもいいのです!(いいすぎ)
ならば逆に聞こう(髭男爵)、皆様は本当に、心から、己が魂の猛り叫びにおいて、この飲み物に栄養だのエナジーだのシナジーだのを求めていますか?おい、ちゃんと目を見て答えろぃ。
データもインタビューも取っていませんが、ここは敢えて「否!」と断言いたします。きっとみんな、栄養なんてどうでもよく、ただただあの味が大好きだからだと私は思うのです。
だって考えてもごらんなさい、あんな小さな缶に入った少量の液体で、果たして本当に心身に影響を及ぼすことが可能なのでしょうか?厚生労働省だか農林水産省だか日本給食センターだかのデータによれば、成人男子が一日に必要なカロリーは2200kcal、しかしリアゴのカロリーはわずかに56kcal、まったくちっとも足りないナリよ、キテレツ。
栄養成分はビタミンCが150mg、ナイアシンが9mgなど、ほとんどがmg単位であり、ティースプーン半分もありません。対して成人男子の身体は70kg、つまり70000g、従いまして願いましては70000000mgですから、極めて少量であることは窺えるでしょう。これが500mlペットボトルくらいの量であれば直感的に「効く!」と思えますが、砂粒程度の量でモーレツに効きやがるとは思えません。やっぱり少ないナリよ、トンガリ。
ですからここで私は再び断言します。恐らくリアゴの栄養成分は心身の調子を向上させることに関して物理的に役に立っていないのです(暴言)。
しかし現に私は冒頭で「飲んだとたんに首筋と腹部が熱くなり、眉間の間がジンジンとシビれ、つらさだるさやるせなさがたちまち吹き飛んでしまう」と書きました。これはどういうことなのか。カンタンに言えば、これは「リアゴを飲んだ喜びによるハイ」であると思えます。つまり、
1.「リアゴを飲んだ」
2.「色々体に良いと書かれているから、良いはずだ」
3.「それはありがたい、うれしい」
4.「気分が良くなる」
5.「気持ちが軽くなり、ハイになる」
ぶっちゃけ「その気になっちゃう」わけで、古くは「鰯の頭も信心から」で「病は気から」、結論としては心理学でいう所の偽薬効果(プラシーボ効果)であると断言せざるを得ません。
しかし冷静に考えると、上記のメカニズムの2は少々強引な気がします。人間、特に現代人はネットによって多くの情報を得ることができ、あるいは溢れんばかりの情報に踊らされ、時には悪質なデマゴギーやフェイクニュースに青息吐息であり、とどのつまり、そんなに素直な生き物ではありませんから、ラベルに書かれた情報を鵜呑みにするとは考えにくいでしょう。
そこで意味を持つのが先に挙げた「味」であります。ラベル情報は信じなくとも、たった今飲み下したリアゴの味は本物なわけで、単純に「好きな味を口にした喜び」が心身の活発にするという流れが自然でありましょう。
こうなると世に存在する「翼をさずける系」や「元気ハツラツ系」や「ファイト一発系」など、様々なエナジードリソクが似たような味であるのも必然であるわけで、あの味だからこそ人々は喜びを感じ、心身が活発になるので、結局あの味にならざるを得ないわけです。
しかしそれでは他の商品との差別化が出来ませんから、一応ラベルに「いかにも効きそうな成分」を羅列する、という運びになるのです。決してビタミンCとかがそういう味だからではありません。
そうなると、かつて「元気ハツラツ系」が提唱した飲み方、すなわち卵と牛乳で割る「オロナミンセーキ」も「より美味しい味に仕上げ、飲むことの喜びを倍増させ、心身活発も増進させる」という考えでしょうから、なるほど理に適っています。もしかすると我々はエナジードリンクを更なる高みに押し上げるため、このような斬新な飲み方を模索する時期なのかもしれません。
というわけでメーカーの皆さん、エナジードリンクの仕組みはここに解明されました。もうアレコレと効きそうな物を入れる必要はありません。我々は「あの味」でさえあれば、元気になれるのですから、是非「あの味」をベースとした新商品(アイスとかラーメンとかポテチとか)の開発を切にお願いする次第であります。
以上、妄想終わり(自覚はある)。
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