~ とある中学校での一幕 ~
「山田~!」
「なんだよ鈴木。」
「ねぇ、ちゃんと風呂入ってる?」
「…うん、入ってるよ。」
「おいおい、山田!姉ちゃんと風呂入ってんのかよ~!」
「…あ~、そういうことか。」
「山田は姉ちゃんと風呂入ってるんだってよ~!」
「…うん、だから入ってるよ。」
「山田は姉ちゃんと、…え?」
「だから入ってるってば。」
「…え?」
「うん、入ってるよ、姉ちゃんと風呂。」
「え…。」
「…。」
「…。」
「…鈴木はさ、オレの姉ちゃん、知ってるよな。」
「…うん。」
「どう思う?オレの姉ちゃん。」
「…あ、あの、え~と。」
「お前、オレの姉ちゃんのこと好きだよな、けっこう。」
「ああああのあの、えええ~と。」
「姉ちゃん、胸デカいもんな。」
「…。」
「…姉ちゃんと風呂入ってるよ。」
「…!」
「毎日。」
「えッ!」
「毎日、入ってるよ。」
「うぅ…。」
「…。」
「…。」
「…この間さ、鈴木の家で見せてもらっただろ?」
「…何を?」
「エロ本。」
「…!」
「あれ、いくらで買ってきた?」
「…650円。」
「…ふ~ん。」
「…なに?」
「いや、オレはホンモノをさ。」
「…。」
「見てるわけだよな?」
「!!!」
「ばいんばいんを、な?」
「!!!!!」
「それも毎日な。」
「まいにちッ!」
「しかも0円で。」
「ぜろえんッッ!」
「その上、エロ本では隠れてる所とかも、な?」
「はうぁッ!」
「まぁ、ウチの風呂狭いから。」
「かかか、かか、『から』?」
「うっかり触っちゃうこととかも…な?」
「あぁああぁあぁああぁあッッ!」
「ばいんばいんに、な?」
「アアァアァアアァアァアアァアアァアアァァァアッッ!!!」
「でも姉弟だし、普段から見てるから何とも思わないけどな。」
「ぅぅぅ…。」
「…。」
「…。」
「…聞いてみ?」
「え?」
「もう一回、聞いてみ?」
「…!?」
「オレの話、よぉぉく考えた上で、もう一回聞いてみ?」
「うぅ、うわぁああぁああ!」
「聞いたら姉ちゃんの写真撮ってこようかな~?」
「はぐッ!」
「さ、もう一回聞いてみ?」
「…ね、ね、ねぇ、ちゃ、ちゃ…。」
「ん?」
「…ねぇ、ちゃんと、風呂入ってる?」
「…うん!入ってるよ!姉ちゃんと!毎日!」
「わああああぁああん!」
「ばいんばいん!」
「ヒャァアァアアアァアアッッ!」
「あ、もちろん写真はナシな。」
「ウォォオオォオォオオオン!」
「ただいま~。」
「お、おかえり。」
「あれ、姉ちゃん、今日は早いな。」
「顧問の先生が風邪ひいて、部活がナシになった。」
「フーン。」
「あ、ちょうどいいや、ドクターペッパー買ってきて。」
「え~、めんどくせぇ!」
「お母さんにあのエロ本のこと言うよ!」
「クソ姉貴!買ってくりゃいいんだろ!」
「お釣り、ちゃんと返せよ~。」
「…こんな姉貴と風呂なんか入りたくねぇよ…。」
「なんか言った!?」
「言ってませ~ん。行ってきま~す。」
ー おしまい ー
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