いにしえゲーム血風録 二十一回表 「魔界村(アーサー編)」

いにしえゲーム血風録
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 大分久しぶりの血風録でありますが、そんなことは知らんぷりするとして、今回はカプコンの「魔界村」をご紹介いたしましょう。魔界村は1985年に発表された横スクロールアクションゲームで、クソむつかしいゲームで定評のあるカプコン作品の中でも群を抜いて、いや開発者の正気を疑うレベルの難易度でありました。まぁ舞台がその名の通り魔界でありましたから、人外の難易度であっても看板に偽りなしと言えますが、物には限度ってものがあります。ともあれ、まずはストーリーからお話いたしましょう。

 

 街はずれで王女プリンセスとのどかに(半裸で)過ごしていた騎士アーサー。そこへ悪魔サタンが襲い掛かり、王女をさらって行ってしまいました。アーサーは鎧を身に付けると、愛用のヤリを片手にサタンの後を追ったのでありましただった。

 

 このゲームを取り上げる際に必ず話題になるのが、「王女相手に半裸のアーサーは何をしていたのか」ということですが、読者の皆様は浮世の酸いも甘いも噛み分けたオトナでしょうから、割愛。続いてゲームシステムに移りましょう。

 先述の通り、このゲームは横スクロールアクションゲームで全7面、騎士アーサーを操作し、各面のボスを撃破すればステージクリア。最終面の大魔王を倒せばオールクリア、と言いたいところですが、魔界村の恒例といたしまして2周しなければ真のエンディングに到達出来ません。よって全14面の長い道のりであります。

 続いて操作系。4方向レバーとボタン2つで遊びます。レバー左右でアーサーの移動、上下のハシゴの登り降り、またハシゴのない所で下を入力するとしゃがみます。ボタン1で所持している武器を進行方向へ投擲し、ボタン2でヒラリとジャンプします。ジャンプ中は方向転換や飛距離の調整は一切出来ませんが、向きを変えることは出来ます(つまり投擲方向を変えられる)。

 アーサーは最初鎧を身に付けていますが、敵に触れたり弾に当たったりすると鎧が剥がされ半裸になり(イチゴパンツ)、やや後方に吹っ飛びます。半裸の状態でダメージを喰らうと一気に白骨化し、絵的にも分かりやすくミスとなります。しかしステージ内の特定箇所を通過すると鎧が出現し、これを取得すれば半裸状態から鎧状態へと復帰出来ますし、ステージクリア時にはアーサーの漢気により鎧が復活します。また道中の穴に落ちたり、制限時間を過ぎてもミスとなります。

 さてアーサーは最初ヤリを持っていますが、道中の敵を倒したり特定箇所を通過することで出現するツボから新たな武器を取得することが出来ます。武器は全5種類、以下のような特徴があります。なお、敵から取得出来る武器は恐ろしいことにランダムであります。

 

・ヤリ:初期装備。水平に飛んでいく。最大2連射。

・ナイフ:水平方向に高速で飛んでいく。最大3連射。

・たいまつ:放物線を描いてやや前方に落ち、着弾すると燃え上がる。最大2連射。

・オノ:放物線を描いて遠方まで飛んでいく。敵を貫通する。単発。

・十字架:水平方向に飛んでいくが、射程が短い。威力は高く、敵の放つ弾を消すことが出来る。

 

 またツボからは石にされた兵士たちが出現することがあり、これを取るとボーナス点となります。本作は得点でエクステンドするので、なかなか重要です。

 それでは恐るべき魔界の道程をご紹介しましょう。いずれも「夢ならよかったのに」と思える阿鼻地獄であります。

 

・1面:墓地、森

 魔界村シリーズ伝統の「最初は墓地」でありまして、ゾンビがワラワラと湧いてきます。また食人植物「グリーンモンスター」が弾を正確に吐いてきます。しばらく進むと我らが好敵手「レッドアリーマー」の登場で、多くのプレイヤーがここで屠られたことは想像に難くありません。森を抜け、第一の門の前には巨大な一角獣(あるいはサイクロプス)が待ち構えています。

・2面:塔、街

 序盤は無数に立ち並ぶ青い塔を渡っていきます。的の小さい「ブルーキラー」が無限に湧いてくるので、迅速に突破しましょう。続いて魔族に滅ぼされた街並みが続き、途中の館には大男が大量に待ち構えています。終盤の浮遊する足場を進んで運河を越えますと、第二の門の前には先の一角獣がタンデムで襲い掛かってきます。

・3面:洞窟、地下通路

 前半はゾンビとコウモリが乱舞する洞窟で難易度は高くありませんが、後半の地下通路では迷路のような複雑な構造に咥えて。大量のレッドアリーマーが鎮座しており、下手に立ち回ると何体ものレッドアリーマーを一度に相手しなければならなくなります。是即ち憤死なり。第三の門にはドラゴンが待ち構えており、首だけとなっても執拗に追いかけてきます。

・4面:谷、炎の吊り橋

 前半は雲を乗り継いで目も眩む谷を越えていきますが、雲に乗る順番を把握しないと、たちまち墜落してしまいます。後半は業火を渡す吊り橋が舞台。先のブルーキラーがわさわさと生み出され、時折炎を噴き上がります。第四の門ではドラゴンのリベンジ戦となります。

・5面:砦

 ここからは上へ上へと登っていくことになります。初登場のスケルトンは下手に近づくと急に覚醒してあちこち飛び回り、手が付けられなくなります。レッドアリーマーや大男が要所を固め、加えて入り組んだ構造が頭を悩ませます。第五の門では王女をさらったサタンが待ち受けており、絶妙な角度で飛来してきます。

・6面:砦の奥

 5面同様に上への登る構造ですが、敵はこれまでのボスが勢ぞろい。一角獣のタンデムにドラゴンの突撃、これでもかとレッドアリーマーと大男のタッグが重なり、第六の門の前ではサタンがタンデムと絶望的になります。しかしこの門はただサタンを倒しただけでは開かないようで…?

・7面:玉座の間

 いよいよ大魔王が待ち受ける玉座の間。1画面固定となり、タイマン勝負が開始されます。果たしてアーサーが見事大魔王を討ち滅ぼし、王女を助けることが出来るのでしょうか?まぁ、先述の通り2周目があるんですけど。

 

 ということでカプコンを代表するシリーズのオリジンであるわけですが、オリジンだけあって目茶苦茶むつかしいです。特に我らが強敵レッドアリーマーは「AIでも搭載してるんじゃねぇか?」と訝しむほどにこちらの攻撃をヒョイヒョイと避けやがる上に、ある意味戦闘機のマヌーバはだしのとんでもない軌跡の飛行を見せますから、何も出来ずに白骨化したプレイヤーが続出いたしました。

 また敵の動きや攻撃がいちいちイヤらしく、ちょっとでも捌き方を間違えるとやっぱり白骨一直線というシビアさ。そこへ絶妙に面倒臭い地形効果が加わり、なのに制限時間が設けられているという、まさに四面楚歌の様相であります。加えて取得出来る武器の種類がランダムという「運ゲー」要素まで加わり、色んな意味で鉄壁でありました。

 が、理不尽にむつかしいかと言えばもちろんそうではなく、よぉく観察すれば敵のアルゴリズムは把握しやすく、したがって対処法もよぉく考えれば編み出すことができ、結果やり込めばしっかり上達が実感でき、しかし少々のランダム要素によって毎プレイ緊張感を持って臨むことになり、ひいてはギリギリのバランスであることが分かるのです。

 またグラフィックは不気味さと不安さ(と愛しさと切なさと以下略)を象徴するような暗めの色彩で統一され、しかし強敵レッドアリーマーの目に突き刺さるような赤のような、いわば「ヤバさ」を表しているようなメリハリのある色使いも見事でした。勿論BGMも秀逸で、一貫して「焦燥感を煽る」ような曲調であり、何と言うか「圧倒的不利」を表現したような、ゲーム内容にピッタリの楽曲群でありました。

 このように歯ごたえのある難易度と独自の世界観により、魔界村は大ヒットしました。とかく高難易度のゲームは敬遠されるものなのですが、しかし多くのプレイヤーの心を捉え、シリーズ化への道へと至りました。何故でしょう?

 私が思うに、魔界村とは「練り込まれた敵と適度に不自由なシステム」のゲームであり、その結果プレイヤーが抱くであろう「悶々とした歯痒さ」がグラフィックとBGMで上手く表現されたゲームであったからでしょう。つまりシステムによってプレイヤーの心象を巧みに誘導し、これをグラフィックなどで上手に表現していたと言え、結果プレイヤーは自分の感情が即座に画面上にフィードバックされていると感じ、ゲームとの一体感を感じることが出来たのではないかと思うのです。

 そして先述の通り、魔界村は以後、「大魔界村」、「超魔界村」、「極魔界村」と続き、愛しき好敵手であるレッドアリーマーはスピンオフ作品「レッドアリーマー」において主役を張ることになるのです。

 現在は様々なハードでプレイ可能ですが、「むつかしすぎて及び腰」という方もあられるでしょう。こういう時こそ、動画だぜ!

1985 [60fps] Makai Mura Nomiss Loop2

 さて、私がゲーセン小僧であった頃には当然魔界村はゲーセンにはありませんでした。となると、あの伝説のバージョンということになりますねぇ。クリア…出来たわけねぇなぁ、こりゃ。

 ということで、二十一回の裏に続きます。

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todome

過去のホームページ時代より寄稿させていただいておりましたが、とある作品を完結させぬままに十数年すっかり忘れ、この度親方の号令により、再び参加と相成りました、todomeと申します。 主に小話を寄稿させておりますが、マンガ、ゲームにつきましても、今後ご紹介させていただこうかと思っております。どうぞお付き合いください。

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