いにしえゲーム回顧録 八回表 「コズミックスマッシュ(始発駅編)」

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   今回ご紹介するのは暴走の老舗、セガの「コズミックスマッシュ」です。スマッシュという単語からご想像の通り、テニス、というかスカッシュゲームです。スカッシュとは、えーと、箱の中で、選手がボールの壁打ちをする?スポーツ?なのですが、あのセガがそんなフツーのゲームを作る訳がありません。ご多分に漏れず珍奇です。それではストーリーからご紹介しましょう。

 

   …ないねぇ、ストーリー。まぁ、スポーツゲームって元々あんまりストーリーないし。じゃあ、えーと「コズミックがスマッシュでセガだったのだった。」で。単語の順番不問で。えぇ、「セガがコズミックでスマッシュ」でも良いですよ。そんな感じで。

 

  ではシステムをご紹介。画面はプレイヤーの背後にカメラがあるビハインドビューで、丁度スカッシュコート全体を見ているような立体的な画面構成になっています。レバーで移動、1ボタンでスイング、2ボタンでジャンプ、1+2同時押しでスマッシュを打つことが出来ます。で、このゲームの目的は何かと言うと、コートの奥に存在するブロックを全部壊すことです。つまりブロック崩しという訳で、コズミックスマッシュは「スカッシュ+ブロック崩し」なのです。

  プレイヤーは制限時間内に壁打ちの要領でブロックを破壊していきます。打ち返し損ねると、プレイヤーがボールを拾いに行くため、タイムロスになりますが、ミスにはなりません。しかしブロックの中には破壊出来ない障害物的なものや、移動するものもあり、手間取っているとたちまち残り時間が減っていき、ゼロになってしまうとゲームオーバーです。

 プレイヤーはインパクト時にレバーを任意の方向に入力することで、ある程度打球の方向を操作できますが、さらにはスライスやフック、ドロップなどの様々な球種を打つことも出来ます。さらに1+2ボタン同時押しで貫通力のある強力なスマッシュを放つことが出来ますし(ただし残り時間を消耗する)、このスマッシュにもスライスやドライブなどの変化を付ける事が出来ます。これに加えジャンプしながらスイングすることで、狙いにくい上方向へ打つことが出来ますし、これにも球種の変化を付ける事が出来るので、実際相当数の種類の打球を放つことが出来ます。これらを上手く使いこなせるかどうかが、ゲーム攻略の最大のポイントです。

 

  さてショットだけでなく、ステージ構成も練られています。ブロックが積み重なり、下のブロックを壊すと上のブロックが落ちてきたり、破壊不可能のブロックが左右に動いて邪魔をしたり、あるいはあるブロックを破壊すると一気にボールが増えて、何だか分からないお祭りパーティになっちゃうものなど、頭を捻るものや、ノリ重視の愉快なものまで、バリエーションに富んだゲーム進行となっていて、次はどうなるのかな、と引き込まれる作りになっています。

  全ての破壊可能ブロックを消すとステージクリアとなり、残り時間やカッコイイ技をキメられたかどうかでボーナス点が入り、制限時間が少々延長されて、次のステージに行きます。最初は一本道ですが、数ステージ進むと分岐があり、コースによっては楽しいアクティビティだったり、泥のシチューを彷彿とさせる阿鼻地獄だったりと、なかなかメリハリが効いております。で、コース全体を見ると、これがまるで路線図なんですね。なので各ステージはバス停になぞらえて「COSMIC BUS 717」という感じで呼ばれ、そのステージの特徴が短く説明(「KOORI」のように)されています。その上日本語で「次はコズミックバス~」みたいなアナウンスがうっすら入ったりして愉快です。

  またステージクリアをスマッシュで締めると、ご丁寧にカッコイイリプレイをしてくれちゃうので、制限時間を消費するのを承知で、ついついスマッシュの連打をしたくなってしまうのもなかなかズルイです。こういう「とにかく魅せる」みたいなノリを存分に味わうことができ、それを支える世界観が上手に作られた作品です。

 

  しかしこの頃のセガは「ドリームキャストをどうしよう?」という大変な時期だったことと、丁度ビートマニアなどの音ゲーが目立ってきた時代でもあったため、あまり注目されませんでした。実際、私がこのゲームを見ることが出来たゲーセンはわずかに1軒。都心の直営店ならもっとあったかもしれませんが、私は多摩のヘンピなベットタウンのゲーセンで、音ゲーを横目にこっそりと遊んでいたのでした。

  その様子は次回、八回裏でお話ししましょう。


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todome

過去のホームページ時代より寄稿させていただいておりましたが、とある作品を完結させぬままに十数年すっかり忘れ、この度親方の号令により、再び参加と相成りました、todomeと申します。 主に小話を寄稿させておりますが、マンガ、ゲームにつきましても、今後ご紹介させていただこうかと思っております。どうぞお付き合いください。

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