いにしえゲーム血風録 四回表 「R‐TYPE(フォース編)」

いにしえゲーム血風録
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 今回はシューティング界の鬼教官、アイレムより「R‐TYPE」をご紹介しようと思います。それまで今ひとつヒットに恵まれなかったアイレムを一躍一流メーカーに押し上げた、いわば待望の場外ホームランであり、シューティング好きなら誰もが知っている名作であります。それではストーリーからご紹介しましょう。

 

「西暦2163年、一つの宇宙ステーションが連絡を絶った。宇宙ステーションは次元の狭間より現れた、見たこともない異形の生物によって制圧されてしまったのである。あらゆる生物、鉱物、電子機器と融合するこの生物を、地球側は『バイド(BYDO)』と呼び、調査隊を派遣するも全滅。唯一、無人調査船が小さな高エネルギー体『バイドの切れ端』を持ち帰っただけであった。地球人はこの切れ端を次元兵器である『フォース』に転用し、人類初の次元戦闘機『R‐9』に搭載すると、バイド殲滅のために飛び立ったのだったのだった。」

 

 と、なんかもう、ガチのSFです。そしてシリーズを重ねるにつれ、設定はズンドコ重厚になり、非常に複雑なものなりましたが、発表当初はこんな感じでした、確か。ともあれ、プレイヤーは次元戦闘機「R-9」に乗り込み、バイドの巣窟へ殴り込みを掛けるわけです。それではシステムの紹介です。

 

 ゲームは横スクロールの全8面。ジョイスティックで8方向移動、ボタン1でショット、ボタン2でフォースの射出と収納を行います(後述)。ボタン1を長押しすることで画面下のゲージが溜まり、離すと高威力で貫通する「波動砲」を打つことが出来ます。敵、敵弾、地形に触れるとミスになり、残機を全て失うとゲームオーバーとなります。

 さて、パワーアップですが、基本的にR-9はパワーアップしません。道中に出現する「POWアーマー」を破壊し、出現するクリスタルアイテムを取ることでフォースをパワーアップしていく、という形になります。このフォースが非常にクセのあるシステムで、これを上手く活用出来るかどうかが攻略のカギとなります。それではフォースの特徴を詳しくご説明したしましょう。

 

 まず、R-9は最初はフォースを装備していません。クリスタルアイテムを取得することで、初めて画面後方よりフォースが出現します。この時自機の前方、あるいは後方からぶつかることで、フォースを装着することが出来るのです。フォースはクリスタルアイテムを取り続けることで成長し、第3段階まで成長します。もちろん、育ったフォースの方が高い攻撃力を誇ります。

 次にフォースの操作方法です。フォースが自機に装着している際にボタン2を押すと、フォースは水平方向に射出され(自機の前に装着されていれば前方に、後ろに装着されていれば後方に射出される)、その後、自機の横軸を追尾するように移動します。

 フォースと自機が分離している際にボタン2を押すと、今度はオートでフォースが自機に近寄ってきます。この時、先述のように任意の方向から近付けば、フォースを装着することが出来るのです。

 そしてフォースの最大の特徴は「敵と敵弾を防ぐことが出来る」ということです。ですから、例えば自機の前方にフォースを装着すれば、前方からの攻撃に対して鉄壁の防御が可能になりますし、後方に装着すれば、後ろからの攻撃を気にしなくて済みます。またフォース自体にも攻撃判定があるので、例えばボス敵の弱点に上手くフォースを重ねることが出来れば、何もしなくてもダメージを与え続けることが可能になるのです。

 

 それではフォースの攻撃方法について説明しましょう。フォースは「自機に装着した時」と「自機から分離した時」では攻撃方法が異なります。自機に装着した場合、フォースは最後に取得したクリスタルの色により、以下の3種類の攻撃が出来ます。

・赤:対空レーザー:赤と青のレーザーを水平に発射する。威力高。

・青:反射レーザー:3方向(斜め上、水平、斜め下)にレーザーを発射する。地形や敵に当たると反射する。威力低。

・黄:対地レーザー:自機の垂直上下方向にレーザーを発射する。レーザーは地形に沿って進んでいく。威力高。

 ただし、発射方向はフォースが自機のどちら側に装着されているかで異なります。つまり前方に装着されていればレーザーは前方へ、後方に装着されていれば後方へ放たれます。これにより、例えば、自機の後方の敵を撃ちたい時には、フォースを後方に装着して攻撃をすれば良いわけです。

 フォースが自機から分離した時にはバルカンで攻撃します。攻撃範囲はフォースの成長度合いに比例し、「第1段階:前方のみ」、「第2段階:斜め上下2方向」、「第3段階:上下2方向+斜め上下2方向」となります。これは例えば、前方に敵の集団がいる場合、そこへフォースを射出し、ショットを撃てば、自機は安全な場所にいながら攻撃することが出来るのです。

 

 このように、フォースは非常に多彩、かつ複雑な攻撃が可能となっています。これらの特徴を良く理解し、時には盾に、時には強力な武器として活用しなければなりません。この他にも、以下のパワーアップアイテムが存在します。

・S:スピードアップ:R-9の移動スピードがアップする。

・M:ミサイル:ホーミングミサイルを撃てるようになる。一度に2発撃てる。

・ビット:R-9に護衛の球体が装備される。敵を防ぐことは出来るが、敵弾は防げない。

 特にビットは非常に強力な装備ですので、逃さず取得したいものです。

 

 それではステージをご紹介しましょう。どの面も特徴的で、フォースシステムを生かした面となっています。

 

・1面:宇宙ステーション:ステーション内は、既にバイドの手に落ちていた。あらゆる機械類はバイドに浸食され、R-9に襲い掛かる。そして最深部、次元の狭間より、巨大なバイドが姿を現した。

・2面:生体洞:次元の狭間より侵入した異層次元は、肉塊と骨に満ちた洞窟だった。天井や床から襲い掛かる歪な生物群。やがて巨大な心臓のような生物が見えてきた。

・3面:巨大戦艦:次の異層次元には、地球人の開発した巨大戦艦が航行していた。しかしこれもバイドに侵され、地球を目指している。動力炉中心に巣食うバイドを駆逐しなければならない。

・4面:宇宙基地:異層次元より抜け出すと、そこはバイドに浸食された宇宙基地。不思議な胞子で満たされていた。その胞子を喰らうのも、またバイドである。奇妙な生態系を統括するのは、やはりバイドに浸食された地球の戦闘機だった。

・5面:バイドの巣:再び異層次元に潜り込むと、無数の鞭毛たなびく空間に出た。巨大な蛇型バイドが踊り狂い、電子機器と融合したバイドがレーザーをまき散らす。その様子をじっと見つめる巨大な肉塊があった。

・6面:輸送ライン:異層次元を出ると、巨大なコンテナが高速で移動する、狭い輸送トンネルだった。バイドに侵された監視システムが容赦ない攻撃を繰り出す。輸送ラインの奥、無数のコンテナがR-9に襲い掛かる。

・7面:宇宙都市:バイドに占領された都市。あらゆる隙間からバイドが這い出し、また都市の壁に仕掛けられた爆弾が爆発、崩落を繰り返す。辿り着いた先は、ゴミ処理場であったが、そのシステムも既にバイドの手にあった。

・8面:バイド帝星:最後の次元跳躍の末、遂にバイドの本拠地に到達する。そこは成長途中のバイドが舞い踊り、謎のエネルギー体が牙を剥く空間。そして全てのバイドを生み出す存在を発見する。

 

 …このように、どの面も敵が上下左右から襲い掛かり、また複雑な地形も相まって、非常に歯ごたえのある内容となっています。つまり優れたアイデアの塊であり、面毎に明確なテーマが示されています。それらは「異形の存在との戦い」という本作のメインテーマを堅固に形作り、唯一無二の世界観を打ち出しているのです。それはBGMにも表れており、1面の印象的な導入部や、4面の壮大なイメージ、また7面の重苦しい雰囲気など、どの面の曲もゲームを盛り上げてくれます。

 しかしながら難易度も相当なもので、基本「ミスって覚えろ」という側面があることも否めません。それでも面構成を学習し、パターンを掴めば、必ず解法が見つかるように設計されています。つまり理不尽なミスは存在せず、敵の戦術に対して適切な戦略を練ることが、このゲームを攻略する上での最大の方略でしょう。プレイヤーはバイドの仕掛けた周到な罠を攻略し、それはあたかも「人類VSバイド」の戦いを体験していると言えるでしょう。こちらで素晴らしい戦いが繰り広げられていますので、是非独自の世界を味わっていただければ、と思います。

 

 …しかしこのゲームの難易度は、ゲーセン小僧の私には荷が重い気がします。クリア出来たんですかね?四回裏に続きます。


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todome

過去のホームページ時代より寄稿させていただいておりましたが、とある作品を完結させぬままに十数年すっかり忘れ、この度親方の号令により、再び参加と相成りました、todomeと申します。 主に小話を寄稿させておりますが、マンガ、ゲームにつきましても、今後ご紹介させていただこうかと思っております。どうぞお付き合いください。

コメント

  1. galthie より:
    記事お疲れ様です。 R-Type名作が出てきましたね。 私の思い出としてはPCエンジンに2枚に分かれて移植されたことでしょうか。 2枚に分けたせいか移植の具合はなかなかよかったと記憶しています。 フォースつかいこなせると爽快感がありますよね。 4面以降は私には難しかったような気がします。
    • todome より:
       どうもお疲れ・・・ではなく、好きにやらせてもらって、いやぁ、ありがたいですよ。  確かにPCEは2枚でしたね。PCEでも容量が厳しかったんですねぇ。でも確かに移植度は頑張ってましたね!ただ1から2への引き継ぎがパスワードってのが時代を感じますね。  確かに4面が最初の壁ですよね。そしてそのまま最終面まで壁が続きます。でもどの面も素晴らしい構成でしたので、攻略しがいがありました。・・・もっとも、続きを読んでいただければ分かりますが、私はちょっと(?)インチキしてますが・・・。
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