いにしえゲーム血風録 十四回同点本塁打 「いにしえゲーム物怪録(地の巻)」

ゲーム
スポンサーリンク

 これまでのあらすじ:フツーのメジャーゲームの紹介で、自分がある意味ぬるま湯にいることに気が付いた私は、己を叱咤する意味合いで、なんかヘンなゲームをご紹介する「いにしえゲーム物怪録」をぶち上げる。早速ボーダーにメガネのナイスガイを取り上げるが、「爽やかすぎて、これではただの足湯だ」と根っからのひねくれ根性が頭をもたげ始めたのだったのだった。

 

 …ということで、今回はこちらのゲームです。

 

 

 ・アタックス (カプコン:1991年)

 カプコンの1991年といえば、格闘ゲームの金字塔、「ストリートファイターⅡ」が発表された時期です。また伝説の欲張りゲーム「ワンダー3」もこの時期ですし、「ファイナルファイト」の血を受け継ぐベルトスクロールACT「キャプテンコマンドー」もこの時期です。まさにカプコンの当たり年にリリースされたのが、今回紹介する「アタックス」なのですが、私は我らが本拠地「キャロット」でしか見たことがありません。どうやら非常に出回りが悪かったようですが、それにしたって不自然です。

 調べてみたところ、販売はカプコンですが、開発したのはLEGEND社というメーカーなのです。しかしいくら調べてもどこのどういうメーカーか分かりません。ただ少なくとも、カプコンは「売れる!」と思って販売したんでしょうね、きっと。結果としては先述の通りなのですが、私はキャロット店長の粋な計らいにより、幸運にも(あるいは不運にも)プレイすることができ、今でも忘れられない記憶となっています。

 その理由はおいおいご説明するとして、まずはシステムの紹介から始めましょう。

 

 

 このゲームはなんと「対戦ボードゲーム」です。プレイヤーは赤軍、CPUは青軍となり、7×7のフィールドに自分の色のコマを多く置けたプレイヤーの勝利です。まぁ、オセロみたいなもんです。ただルールがちょっと複雑なのです。

 

 ゲーム開始直後、赤のコマが左上と右下に、青のコマが左下と右上に置かれています(つまり対角に置かれている)。そして交互にコマを1つ動かしていくのですが、2種類の方法があり、その結果には明確な違いがあります。

 

 1:8方向へ1マス移動する。この場合、元いた場所にコマが残る。つまりコマが増えることになる

 2:8方向で2マス移動する。この場合、元いた場所にコマは残らない。つまりコマがジャンプしたことになる。

 

 さて移動した後、周りの8マスにコマがあった場合、それら全てを自分のコマに変えることが出来ます。ですから、敵のコマの横に自分のコマを移動させれば、その敵のコマは自分のコマに変わることになるのです。そして当然その逆もあり、自分のコマの横に敵のコマが移動してきて、自分のコマが敵のものになってしまうこともあるのです。

 

 このようなルールでコマ移動を繰り返していき、全てのマスがコマで埋まるか、全てのコマがどちらかのものになることでゲーム終了となります。プレイヤーが勝てば、次の対戦相手が登場し、プレイヤーが負ければ、もちろんゲームオーバーとなります。また左上にタイマーがあり、これが0になってもゲームオーバーとなります。

 …このように、文章だと複雑なルールに見えますが、実際にプレイしてみると、かなり単純なルールです。そしていとも簡単にコマの色が変わってしまう、目まぐるしい展開を繰り広げる、実にエキサイティングなゲームです。それだけに一手一手が非常に重要で、テキトーにプレイしていると簡単に負けます。当然運の要素もまるでなく、完全な読み合いとなり、高レベルのCPU相手ですと、手も足も出ないのです。

 

 さて、ここまでで「どこがヘンなんだ?」と思われる方がほとんどでしょう。いつもはプレイ動画は最後にご紹介するのですが、百聞は一見に如かず、こちらをご覧いただきたいと思います。

 

 

 …ヘンでしょう!?なんでこんなグラフィックなの!?CPUがことごとくクリーチャーなのはどういうこと!?しかもゲーム展開によってはニヤニヤしたり、悔しそうにしたりと、妙に表情豊かで余計に怖いよ!あと画面左の砂時計、なんで砂が真っ赤なの!?もしかしてプレイヤーの寿命!?とんだ鷲巣麻雀だよ!しかも勝っても元に戻らないよ!

 あとBGM怖い!「DOOM」を思い出しちゃったよ!それでなければ、昔の不条理映画(カフカの「審判」とか)みたいだよ!もうひたすら内面へ内面へと誘うような単調な低いメロディー(?)は、しかしなんかクセになってくるから余計怖いよ!そしてゲーム終了時のあの叫び声はナニ!?断末魔!?やっぱり寿命を賭けているの!?いろいろ頭に浮かんで来ちゃうよ!

 

 …とまぁ、恐らく「秘密のゲーム」とか「禁断の遊戯」とか、そういう雰囲気を出したかったんでしょうね。この雰囲気が、当時中学生の私の脳裏に強く焼き付けられました。あのグラフィック、あのBGM、いやぁ、ただただ不気味でしたねぇ。そのすぐ横に「ギャルズパニック」が設置されていたのも、本作を更に異様な存在にさせていたように思えます(今思うと、この配置も意味不明ではある)。

 しかし先述の通り、ゲームとしては非常に高い戦略と戦術を必要とする、完成度の高いものでした。私も空き時間には(というか、中坊の放課後はほぼ空き時間ですが)結構プレイしていました。もっともなかなか勝てませんでしたけどね。

 それだけに、こんな一見さんお断りなグラフィックとBGMにしちゃったのがちょっと残念です。もう少し親しみのあるキャラクターとか、キャッチーなBGMだったらインカムも稼げたんじゃないかな~、とは思います。現代ならオンラインにしてみるとか、グラフィックを萌え系にしてみるとかすれば…、いや、どうだろう…?

 

 さて現在はスマホのアプリとか、PCのフリーウェアとかで簡単に入手出来るようです。お友達との対戦ツールとしてご利用いただいてはどうでしょうか。あ、オリジナルの怖いグラフィックとBGMではないようですので、いろいろとご安心ください。オセロ盤でもアナログにプレイ出来ますので(もっともコマを引っくり返すのが面倒くさいが)、是非一度プレイしてみてくださいね。

 

 それでは次のゲームに参りましょう。

 

 

 続きます。


読んで頂いてありがとうございます!

↓↓このブログ独自の「いいね!」を導入しました。少しでもこの記事が気に入って頂けたら押して頂けるとうれしいです。各著者が無駄に喜びます(・∀・)イイ!! よろしくお願いしますm(__)m
The following two tabs change content below.

todome

過去のホームページ時代より寄稿させていただいておりましたが、とある作品を完結させぬままに十数年すっかり忘れ、この度親方の号令により、再び参加と相成りました、todomeと申します。 主に小話を寄稿させておりますが、マンガ、ゲームにつきましても、今後ご紹介させていただこうかと思っております。どうぞお付き合いください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました