グレゴリウス山田 「三丁目雑兵物語(上)」

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 先日のことです。何か面白い本でもないかといつものように熱帯雨(略)

 …ということで、発売は2018年の5月という、相変わらずの周回遅れな私ですが、気を取り直しまして、グレゴリウス山田先生の「三丁目雑兵物語」をご紹介しようと思います(略しすぎ)。とりあえず簡単なあらすじからです。

 多分都内のどっかにあるボロアパート。果てしなく昭和を感じさせる佇まいのこのアパートは、何故か世界各地から雑兵どもが集まる魔窟だったのだった…

 あれ、もうあらすじが終わってしまったよ、シャチョさん。もうちょっと詳しく言いますと、現代人の大家さんが古今東西の雑兵(軍隊の一番下っ端)に振り回されるお話です。

 で、この雑兵どもは全員何故か女性でして、こうなるとよくあるハーレム物かと油断しますが、そんなことは全然なく、各々が各々の行動原理(つまり雑兵の行動原理)に従って好き放題に振る舞い、大家さんは「嗚呼…」と呻くだけの内容で、はっきり言って内容はないです。

 …なんだろう、ちっとも面白そうに見えないぞ?そうか、ここで登場キャラの紹介をすれば良いのか。てことで、以下登場人物の紹介です。

・大家さん:ボロアパートの大家。寝てりゃ儲かる不労所得を目論むが、むしろ忙しくなっている。古今東西の雑兵たちに翻弄され、本気で迷惑している。本作唯一の男性

・足軽さん:日本は戦国時代の雑兵。すぐ略奪をしたがる(大家から)。平たく言えば田舎のチンピラ(作者談)

・チュートンさん:中世ドイツの宗教騎士団。異教徒に容赦ないが、自身の信仰心が揺らぎ気味。すぐ築城しようとする

・バイキングさん:10世紀北欧の戦士。やっぱり略奪に走る。やたらと肉弾戦に持ち込みたがるが、意外と子供好き

・コンドッティエーレさん:中世イタリアの傭兵。傭兵なので金にうるさい。ちょっと出番が少なめ。メガネっ娘

・ポチテカさん:中南米のアステカ帝国の武装商人。やっぱり金にうるさい。二言目には「生贄」と口走る。開放的な人

・アサシンさん:13世紀イスラム教の暗殺者。いろいろ謂れがあるが、謎な人。引っ込み思案で泣き虫。小動物を思わせる萌え系

・スパルタさん:古代ギリシャの兵士。めちゃくちゃ厳しいが、和を尊ぶ人。基本的にメシと筋トレ以外は何もしないグータラ

・スクワイアさん:騎士に着き従う従者。従者のわりには主人の選り好みが激しい。うまく使えば忠実なワンコ

 あれ、意外といるなァ。結構大所帯なマンガだね、コレ。さて繰り返しになりますが、彼ら雑兵どもは何故か全員女性でありまして、しかし大家さんとの恋に落ちるわけがなく、「やったぜ!水着回」があるわけでもなく、「キタぜ!温泉回!」など望むべくもありません。そもそもそんなにキレイな絵でもありません。

 ただ大家さんと雑兵どもがあーでもないこーでもないと、特に盛り上がりもなくワチャワチャするだけでして、惹句には「 戦国から中世まで無駄な知識が身につくこと間違いなし!! 」とあり、実際古今東西の雑兵に関する膨大な 知識が記されてはいますが、読後、頭には何も残りません。

 あれあれ、やっぱり面白そうに紹介出来ませんねぇ。しかしナァ、言葉にしづらい、よく分からない面白さがあるんですよ。大家さんと雑兵どもとの雑なやり取りとか、妙に心地良いテンポとか、キレイじゃないけど頭に残る絵柄とか、全然可愛くないけど、なんかカワイイ雑兵たちとか(個人的にはチュートンさんがかわいい)。

 先に「古今東西の雑兵に関する膨大な知識が記されているが、読後、頭には何も残らない」と書きましたが、案外、真のコメディってのは頭に何にも残らないものかもしれませんね。今思い付きましたが、「真の喜劇に教養なし」。いや、「真の喜劇に教訓なし」でしょうかね。そういう作品です。そういえば今回の記事の書き方も、本作に影響されたのか、なんか雑で、つまりこんな感じのマンガです(わかりにくい)。

 あー、えー、こんな文章で読みたくなる奇特人間はおらんと思いますが、一応オススメです。こちらで試読っつーか、本編のほとんどが読めやがるので、気に入ったら買ってあげてください。

 えー、おわり(なげやり)。


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todome

過去のホームページ時代より寄稿させていただいておりましたが、とある作品を完結させぬままに十数年すっかり忘れ、この度親方の号令により、再び参加と相成りました、todomeと申します。 主に小話を寄稿させておりますが、マンガ、ゲームにつきましても、今後ご紹介させていただこうかと思っております。どうぞお付き合いください。

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