今回は、私自身もスーパー12観戦2年目、実質一年目なので、たぶんこのチームをみておけば「はずれ」はないというベタだけれども、見ていて面白いチーム紹介が出来るのではないかと思います。まだまだ観戦暦が短いので、今年私が中心にみているという2チームを紹介したいと思います。
まずひとチーム目は、オーストラリアの首都キャンベラにチームをもつ、ACTブランビーズです。前回のW杯開催国でもあるオーストラリア。今タレントが豊富な南半球のラグビーをNZとともに盛り上げている存在です。
正直にいうと、03W杯では前回99年W杯でDFの強さで優勝したというイメージがあるので、オーストラリアよりもNZにがんばってほしいと思っていました。その私のあさはかな評価をいっぺんさせたのが、このACT・ブランビーズです。
去年のスーパー12の準決勝で初めてみて、衝撃を受けました。怒涛の波のような攻撃、スピード、パワーといった点に圧倒されたという感じです。同時にこれがスーパー12かぁとよくわかる試合でもありました。
これだけのラグビーが出来るのもワラビーズでも中心の凄いタレントが多くいるからだと思います。まずは、スクラム・ハーフ(以下SH)、オーストラリアといえば、この人というジョージ・グレーガン。世界最高峰のSHといって間違いないでしょう。
ラグビーの中でSHは重要といわれますが、彼を見ていかに重要かがわかりました。SHの主な役割は、タックルを受けた選手から発生するラックから、ボールをスタンド・オフなどに展開する攻撃の一歩を担う存在です。バレーボールでいったら、セッターみたいな感じですかね。
とにかく今のラグビーのDFの進歩は凄いみたいですので、
SHのボールの球出しが早くないと効果的な攻撃ができません。
ジョージ・グレーガンをみて思ったのは、この人やっぱりパス出し・判断が抜群に早いなということです。もちろん、ラックなので、FWがすぐに集まってラックを作ってボールをキープするFWのすばやさなども重要ですが、それを生かすも殺すもSH次第といったところでしょうか。
グレーガンが凄いのは、単なるSHの役割だけでなく、シュチュエーションによっては、キックをつかったり、自らランしてサイドアタックをしたり、ドロップゴールを決めたり、絶妙なパスを出したりと、その役割ははっきりいって、スタンド・オフですね。彼がいるだけでスタンド・オフが二人いるような感じになります。ブランビーズの多彩な攻めはここが第一歩ですね。
そして、このグレーガンとコンビを組むのが、スティーブン・ラーカム。長年コンビを組んでいるそうで、二人のコンビは絶妙です。ラーカムはスペンサーのようなファンタジーはないタイプですが、豊富な経験からの試合を読む能力、ここぞというところでのプレー判断は凄いですね。確実にチームを勝利に導けるスタンド・オフ(以下SO)といってもいいでしょう。彼は99年W杯ワラビーズを優勝に導いたSOでもあります。この二人のコンビは必見です。
なんとブランビーズが凄いのはこの二人だけではありません。ラーカムが長年ワラビーズを導いてきたSOなら、これからを担うであろう逸材といわれているのが、マット・ギタウ選手です。
ギタウは自ら希望しているポジションはSOだといわれていますが、ブランビーズやワラビーズではSOにラーカムで、その後ろのセンターの位置にギタウをおくことが多いです。
私個人的には、この方がワラビーズの力は出ると思っています。というのも、彼は確かにSOとしての能力はもっていますが、なにより世界でも有数の魅力は、そのラインブレイクの力だと思います。天才的なライン取りから、DFをするすると抜けていくのですが、スピードも凄いので彼のプレーは本当に見ていて爽快です。そのスピードや、ラインブレイクの力がもっとも生きるのは、DFラインまでスペースがSOよりも大きいセンターなのではないかと感じています。
もともとSOのためにゲームを組み立てることもできるので、なんとブランビーズは、3人ゲームメーカーがいるといっても過言ではありません。
これが凄いチームで、昨年準決勝で圧倒するラグビーをした原動力なんでしょうね。
グレーガンがすばやくボールをラーカムにラーカムがひきつけて、センター・ギタウへ、後ろから猛スピードで入ってきたギタウは天才的なライン取りからラインをブレイクする、タックルをうけるもオフロード・パスで、ウイング・ラスボーンへ、絶妙のステップでかわし、トライ!
これに近いプレーが昨年あったのですが、本当に凄かったですねぇ。
今のところ残念なのがそのギタウが怪我していないことなんです。彼が戻ってきて、この布陣で戦えた時にさらに凄いラグビーをやってくれそうです。
まだまだ選手います。今最後のトライシーンであげたクライド・ラスボーン。今私がもっとも期待するウイングです。年齢22歳、これからワラビーズを担う注目のウイングです。
彼は実は色々ありまして、彼の出身地は南アフリカなのです。なぜに南アフリカでワラビーズ??と思われる疑問は当然です。
実はラグビーは、その地へ在籍3年を超えるとその地の代表になれるのです。昔は、他の国の代表歴があっても、他国の代表になれたのですが、今はそれは駄目になったみたいです。昔の日本代表は、現にSHに元オールブラックスとか使っていましたからね。前回のW杯でもSOミラーの大活躍は記憶に新しいところでしょう。
これって凄いですよね。サッカーでいえば、ストイコヴィッチが日本代表とか、ありえないことになっているというか、これはこれで夢があっていいのかなとも思いますが。
なので、ラグビー界では、たとえば大畑が今のレギュレーションでは無理ですが、フランス代表に入るとかちょっと前では可能性はあったんですよ。
ラスボーンにとっては悲劇を生んでしまいます。南アフリカでも本当に期待されていたラスボーンがまずスーパー12でもオーストラリアのチームに移籍してしまった。さらにはなんとスピリングボクス(南アフリカ代表)に入らずにワラビーズに入ってしまったのです。
そうですねぇ。サッカーで例えると、ヴェルディの森本選手あたりが、韓国の代表に引き抜かれてしまったみたいな感じですかねぇ・・・。それは南アフリカの人は起こりますよね。新聞でもかなり「裏切り者」として攻撃的な報道がされているそうです。そのラスボーンにおきた悲劇、なんと南アフリカの過激なファンがラスボーンのお母さんがいる実家を襲ったというのです。いくら悲しみにくれたといっても、関係ない実家を襲うのは許されません。
実はこうした因縁もあるのです。ラスボーンがなぜワラビーズを選んだのかというのは、色々な憶測があるでしょう。人種差別が毎回問題になるスプリングボクスに嫌気がさしていたのかもしれません。南アフリカでは、当然のようにお金でつられたに決まっていると敵対的な報道もあるようです。ラスボーンの問題からかわかりませんが、一回他国でデビューしてしまっても、母国に出れるようなルールを改正しようという流れもあるそうです。
悲しみを背負ったラスボーンですが、そのプレーは確かに南アフリカが怒るのも無理ないというか素晴らしいウイングですね。スピードだけでなくパワーも持っていて、相手をはじきとばしていく位の力を持っています。ステップも素晴らしいですし、本当に凄い選手です。
あとは、規格外のプレーを見せるフィジー出身のロックのランディケ・サモ選手。彼は一度見ると忘れらないような大きい選手です。ボールをワンハンドであつかって、なんかラグビーボールを卵かなにかを扱うように簡単にもって、ぶんぶん振り回すような雰囲気で進んでいきます。その姿は斧を振り回すバーサーカーのような・・・ちょっといいすぎでしょうか、そんな感じでとにかく凄い選手です。去年ブランビーズで大活躍していちやくブレイクした選手です。そんな彼もワラビーズに入っていました。経済的に仕方ない面もありますが、フィジーの人はどう思うんでしょうかね。
他にもグレーガン不在時を担うSHマット・ヘンジャック。去年準決勝でも大活躍したウイングのジェラードなど、まだまだいます。タレント豊富で、見て損はないチームですねぇ。
ここらへんもファンタジスタですが、いい時は誰も止められないけれども、突如駄目な時もあるというプレーヤーです。そこらへんも魅力なんですよね。確かに安定感では、ラーカムに負けるかもしれませんが、素晴らしいプレーヤーです。
そして、その奇想天外のパスにしっかりと反応してトライを決める、スーパー12いちの色男ことウイングのダグ・ハウレットもいます。もともと陸上選手でオリンピックも狙える選手だったというだけあり、そのスピードは凄いです。彼の評価が高いのは攻撃だけでなく、チームのために体は張れるというところもあります。真のチームマンであるという非常に評価の高い選手です。
NZのスーパースターウイングのジョナ・ノムーを継ぐ逸材であるという期待を受ける弱冠21歳のジョー・ロコゾコもいます。彼のスピンプレーなども必見ですね。スピードも凄い。
スペンサーが操る高速バック3にあって、フルバックを務める選手がオールブラックスでもお馴染みのムリアイナ選手もいます。03年W杯でのNZのメンバーが多く在籍しており、あのNZがすきだった人は必見のチームですねぇ。
この2チームをはずさなければ、スーパー12楽しめること間違いないんじゃないかなと思います。ブランビーズはギタウの故障など、何人か故障者がいて、苦戦は続いていますが、3連勝を飾っています。
最後に今回の記事でもかなり参考にさせてもらったHPで、私と同じく03年W杯前後から世界ラグビーのファンになった方だと思いますが、細かくそしていてわかりやすい文章で解説されているHPがありました。
ラグビーとシスプリ(?!)シスプリというのは、ちょっと残念ながらよくわからないのですが、この二つを扱っているページです。
各国ナショナルチームの紹介もわかりやすく、それでいて細かい素晴らしいページです。私のような初心者にもわかりやすいページなので、ぜひいってみてください。
機会があったら、このページの方にメールしたいと思っています。
Oval Aerieさんです。参考にさせていただいてありがとうございました。
読んで頂いてありがとうございます!
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コメント
はじめまして♪ サイト「Oval Aerie」管理人のGlaveと申します。
Super12、今年も面白くなりそうですね! 私も毎日ケーブルテレビで観戦していますが、大好きなブランビーズが連勝スタートを飾ってくれて、本当に楽しませてもらっています。
私のラグビーの観戦歴は2003年のワールドカップからでして、サイトでは色々と偉そうに書いているものの(笑)、実際にはまだまだ勉強中です。
そんな私の記事でも、参考にして頂けたとのことで、心底驚いたのと同時に、何より本当に嬉しかったです♪
最近は観戦そのものに時間を取られ、記事がほとんど書けていないのが残念ですが、オーストラリアを愛する気持ちは誰にも負けないつもりですので、これからも充実させていこうと思っています♪
ブランビーズの記事もブルーズの記事も、興味深く読ませて頂きました。サモをして「バーサーカー」とは、言いえて妙な表現ですね(笑)。
本当に目が覚めるようなプレーの連続で、よくもまぁこんな素材が見つかったもんだと、去年は本当にびっくりしたものです。
その分、トライネーションズではもっと活躍して欲しかったという思いもありますが(苦笑)……今年も注目ですね!
そして今季のブランビーズでも一際光っているのが、Jsportsの実況サイドも絶賛していたノートンライトでしょうか。怪我人続出の好機を生かして出てきたわけですが、あのプレーが一発芸じゃなく実力なのだとしたら、フルメンバーが揃った後でも、十分レギュラー争いができる気がします。
Attacking Rugby を合言葉に繰り広げられる、至高のお祭りは始まったばかり♪
フィナーレまで、そしてその先に続くトライネーションズまで、たっぷり楽しんでいきましょう!
Glave様、まさかコメントいただけるなんて、恐縮です。ありがとうございます。
実は一月前でしょうかねぇ。検索で「Oval Aerie」さんの方を見つけました。
細かくて、それでいて私が知りたい情報満載だったので、参考にさせて頂いてます。
何回かメールを差し上げようと思っていたのですが、このような形で先にコメントをいただけるとは、驚いております。
世界ラグビー楽しいのに取り上げているサイトが少ないですよね。そんな折に見つけられたので、私もうれしかったです。
ラグビー経験者ではないので、細かいところはきっと間違っているのでしょうが、まだまだ取り上げている方が少ないので、ないなら初心者なりに書くしかないなという感じで書いています。
間違いはあっても、楽しさが伝わればなぁと。
サッカーは今は人気ありますが、昔は一部だけって感じでした。ラグビー、特に世界ラグビーも、知名度はまだまだなところがありますが、人気が出る要素を大いに持っているなと感じています。
ナショナルチームの尊厳など、サッカーとはまた違った楽しさを感じています。アンセムで本当に泣けますからね、ラグビーは^^
私の方の記事も読んでいただいてありがとうございました。ブランビーズは去年準決勝、決勝とみて、衝撃をうけました。その流れを汲んで去年の冬のイングランドとのテストマッチは凄い試合になりましたよね。
あれで、オーストラリアラグビーは凄いと確信しました。
Glaveさんはワラビーズファンで、グレーガン、ラーカムコンビの大ファンですよね!色々じっくり読んでいるので、Glaveさんについても詳しいですよ〜(笑)
トライネーションズも楽しみですね。そして、12年ぶりのライオンズのNZ遠征もありますよ。冬のテストマッチも楽しみですしね。シックス・ネーションズも最終節でいよいよ大詰めです。楽しみですね。
ぜひぜひこれからもよろしくお願いします。
ラグビーアンセムCD ワールドインユニオン、ランドオブマイファーザーズ、ユールネバーウォークアローン他
ラグビーのアンセムを集めた貴重なCDです。ワールドインユニオン(2003年ワールドカップアンサム)、ランドオブマイファーザーズ、ユールネバーウォークアローンなど収録。日本では入手困難な一品です。
[収録曲]
1. World in Union – Bryn Terfel & Shirley Basse