先日、職場の自販機にコカ・コーラから満を持して発売となったエナジードリンク「コカ・コーラ・エナジー」が入りましたので、好奇心丸出しで飲んでみました。
…それはさておき(お察しください)、以前「ウィルキンソン・タンサン」の記事をこれでもかと書き殴りましたように、私めは炭酸水が大好きであります。日本において一昔前までは 炭酸水は酒の割り材であり、そのまま飲む習慣はありませんでしたが、ようやく時代がオレに追い付いた最近ではごくフツーに飲まれるようになり、それにつれて各メーカーから様々な(いろんなフレーバーの)炭酸水が発売されるようになりました。
さて日本におけるタンサンの開祖は十中八九、まず間違いなくウィルキンソンなのですが(自信はない)、果敢にも欧米式の「炭酸水をそのまま飲む」というスタイルを日本に根付かせようとしたメーカーが別にありました。それが我らボクらのキリンでありまして、その商品とは「NUDA(「ヌューダ」発音しにくい)」でありました。
で、この試みが成功したかと言えば…、しませんでした。やはり日本においてはあまりにも先駆的な試みであったことは確かですが、少々厳しい意見を言わせていただければ、つまり美味しくなかったのです。
恐らく「清涼飲料水」として売り出そうと考えたのでしょうが、この「清涼飲料水」という概念が却って足枷になったように思えます。つまり、ウィルキンソンタンサンが「水・炭酸」という潔い原材料にあるのに対し、ヌューダは様々な添加物が入っておりました。
結果、これが不自然な味わいを生んでしまい、「…これはつまり、炭酸水なの?」と消費者を混乱させたようで(ていうか、私が混乱した)、「なんだか分からないヘンな味の飲み物(つまりマズイ)」ということになってしまいました。
そしてヌューダは大コケし、市場から姿を消します。その後も何度かのリニューアルを繰り返しましたが、小コケを繰り返しただけで、大きなシェアを築くには至らなかったのであります。
その後、どういう経緯かは知りませんが、おそらくはウィル公が相当頑張ったのでしょう、日本でもフツーの炭酸水を飲むという文化が花開き、全ての手柄はウィル公ということになったワケであります。きっとキリン開発陣はヘソを噛み千切らんばかりに七転八倒して悔しがったことでしょう。
そして21世紀の現在。職場の近くのスーパーで「NUDA」のロゴを見た時は、「あぁ、オレは相当疲れているんだな、過去の幻影を見てしまうとは、あぁ、見てしまうとは。」と何度も力一杯瞬きをしたものです。そうです、あれだけコケたのに、ヌューダは帰ってきたのです。これはもう半ばキリンの意地なのかもしれません。
ともあれ、「なにしにきたのおかえりヌューダ!」というわけなのですが、さてラベルに書かれている今回のヌューダのコンセプトは「スポーツのお供」だというのです。
なんでもキリンが頑張って市場調査をしたところ、プロサッカー選手が練習やトレーニング後のリフレッシュに無糖炭酸水を飲んでいることを発見したそうです。で、この「スポーツの後に炭酸水」という新しい飲用習慣を提案しよういう戦略なのだそうです。
なるほど、当ブログの筆頭ライターであるgalthie氏は大変なサッカー好きですが、残念ながらわたくしtodomeはサッカーはおろかスポーツにとんと興味がないタチですので、スポーツの後だろうがサウナの後だろうが、はたまた初代ストリートファイターの巨大ボタンを連打した後だろうが、炭酸水のキモは「味」と「炭酸感(炭酸が喉をいたぶる感覚:造語)」であると決めつけていますので、慌てず騒がず、じっくりと原材料に目を通します。
すると、あぁ、なんということでしょう。原材料には「水・炭酸」のほかに、「香料・ビタミンC・クエン酸・クエン酸Na」とあるではありませんか。手に取ったのがレモン味ですから香料は良いとしても(ウィル公のレモン味はもちろん「水・炭酸・香料」のみの漢配合)、キリンはまたしても炭酸水に余計なものを入れて味をぶち壊そうとしているのか…ッ!
しかし同じくラベルには「運動後の水分補給と元気をサポート」とあります。なるほど、クエン酸は疲労物質である乳酸を分解する効果がありますし、ミネラルの吸収を助ける効果がありますから、汗をかいた運動後の水分補給や疲労回復には役に立つでしょう。もっとも、乳酸と疲労には関連がないとも言われていますから、正直よく分かりません。あとビタミンCは昔から体に良いと決まっていますから(ばあちゃんのいうことに間違いはない)、これは諸手を挙げて喜びましょう。
…そうか、別に味を調整する意味合いで色々入っているわけではないのか。加齢のせいか、すぐにカッとなっていけませんね。それでは炭酸水好きの端くれとしては味を確認しないわけにはまいりません。早速購入して家路に着くことにいたしましょう。
~~~~~~~~~~~~~~~(時間経過を表しています)
さ、家に着いただぁよ。さて私は炭酸水を飲む時は風呂上りに一気飲みすることにしていますから、公平を期すために、まずは風呂に入りましょう。そして風呂に入る前には夕飯を済ませ、その後にコーヒーを煎れ、足の裏をモミモミし、某巨大動画サイトのレトロゲーム配信(およそ30分の動画)を見ることにしていますので、これらを全部済ませないことには風呂にも入れません。さ、全部済ませましょう。
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ッぷぁ~、いい風呂だった(オヤジ全開)。これで明日仕事がなければ良いんだがな。いや、きっと近未来、AIが全ての仕事を請け負ってくれて、人間は有り余る余暇を面白おかしく過ごせる日が来るに違いない。収入はその余暇の様子を動画サイトに投稿して稼ぐのだ(妄想)。人間は仕事に忙殺されてはいけない。かの夏目漱石も「吾猫」で言っていました(言ってません)。
と、いらんことを考えつつ、ヌューダの栓を開けましょう。そして過度の期待を抱かぬよう、出来るだけさりげなく、そう、Eテレの「びじゅチューン」のステキなナンバーでも歌い散らかしながら開けましょう。
ムプシュとラベルの「強炭酸」の文字に違わぬ力強い開栓音。ほのかな檸檬(あえて漢字)の香り。悪くない、ここまでは、悪くない。飲み口に唇を付け、さぁ一気に飲もうかと思った瞬間、これまでのヌューダの味の歴史が蘇りました。
初代の残念な後味、二代目の貧弱な炭酸感、三代目の中途半端な味…。リニューアルされる毎に「今度は、今度は傑作に違いない…!」と購入し、結局無言で枕を殴り続ける日々でした(一部誇張アリ)。これがキリンの限界なのであろうか、そう何度も強い諦念に襲われたものです。しかしすぐに「いや、あのメッツシリーズをこしらえたキリンだ!キリンは本当は出来る子なんだ!なにしろロゴの聖獣麒麟にコッソリ『キ』『リ』『ン』の文字を忍ばせ(以下略)
そして意を決し、グイッとあおりましたところ、喉を突き抜ける炭酸感!程良い酸味!爽やかな後味!おおおおおおお!これはウマイぞ!ついに、ついにやりおったな、士郎!
正直炭酸水なので、複雑な味ではありませんから、これ以上の味のレポートはむつかしいのですが、これまでのような変な風味や後味などの不自然さは全くなく、ただただ爽快感だけが口の中を転げ回ります。そしてクエン酸の酸味が後味を引き締め、強炭酸が心地よいゲップを促してくれます。まさに法悦!
ついに、あぁついにキリンはやりましたよ、みなさん。これならば、今回は売れる!いや、正直、これまでの歴代ヌューダからは想像もつかないくらいの高い完成度でした。キリンよ…、こんなに立派になって…。
もしかしてひょっとして、あのウィル公の「タンサン・レモン」よりも素晴らしい出来栄えです。 まぁ、炭酸感はやっぱりウィル公の方が一枚上手ですけどね。それでも今回の「キリンヌューダ・スパークリングレモン」は抜群の出来です。これは非常にオススメであります!
さて、あとはノーマルの「キリンヌューダ・スパークリング 」の出来ですねぇ。公式サイトによれば、原材料は「水・食塩・炭酸・硫酸Mg・酸味料 」とありまして、この「食塩」と「酸味料」が引っ掛かるのですが…、近所のスーパーとかには今回の「レモン」しか置いてないのよね。近々見つけて味をご報告いたします。
…いつかつづく
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