いにしえゲーム回顧録 十七回表 「海底大戦争(超音波魚雷編)」

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 さて今回ご紹介しますのはシューティングの鬼軍曹、アイレムより「海底大戦争」です。良いですね、この昭和の特撮を感じさせる、しかしどこかヤケクソ気味のネーミング。僕らはそんなアイレムが大好きさ!それでは早速ストーリーを紹介します。

 

「謎の組織『D・A・S』(以下『軍団』)の超兵器により、地球の海面が上昇。世界各地で甚大な被害をもたらした。『軍団』の新たなる攻撃を察知した人類は、南極で試験中の最新鋭潜水艦を発進させたのだったのだった。」

 

 地球海面上昇、というとファミコンの「スクーン」を思い出してしまいます。広大な海(と言っても青一色)、絵的に怖い人魚、人類の希望「ひょうたん島」、急に真っ暗になって壊れたかと思う粋なエフェクトなど、ある意味海の怖さを思い知らせる良作でしたが、そういえば「スクーン」もアイレムでしたね。ということは、スクーンの世界観を受け継ぎ、ゲーム性やエフェクトを猛烈に進化させたのが、今回の海底大戦争と言えましょう(言えないかもしれない)。それではシステムの紹介です。

 

 ゲームは任意横スクロールシューティング。全6面。レバーで8方向に移動し、ボタン1でメインである魚雷を発射し、ボタン2で上方にサブウェポン(水中と水面で形態が変わる)、下方に爆雷を発射します。初期装備ではメインは通常魚雷、サブは小型ミサイル(水面では機銃)と爆雷ですが、黄色のアイテムキャリアを破壊すると出現するアイテムを取得することで、以下のように装備を変更、パワーアップ出来ます。

 

 魚雷

・赤:通常魚雷。自機から横方向に進む魚雷を発射出来る。続けて取ると威力と発射速度が上がる。威力:中。

・青:超音波魚雷。自機から横方向に進み、軌跡に超音波の渦を起こす魚雷を発射出来る。続けて取ると超音波の渦の幅が広くなる。威力:弱。

・緑:クラスター魚雷。自機から横方向に進み、一定距離で四散し広範囲に爆発を起こす魚雷を発射出来る。続けて取ると威力と爆発範囲が広がる。威力:強。

 

 サブウェポン

・M:ミサイル。水中では高速で上昇する大型ミサイルを発射出来る。水面では誘導ミサイルを発射出来る。続けて取ることで、同時発射出来るミサイル、爆雷の数が増える。

・A:風船爆弾。水中ではゆっくり浮上する風船爆弾を発射出来る。水面では爆風を伴う機銃を発射出来る。続けて取ることで、同時発射出来る風船爆弾、爆雷の数が増える。

 各アイテムは時間経過ともに変化を繰り返しますので(赤→青→緑、M→Aのように)好きな兵装になったら取得しましょう。また道中に出現するアイテムボックスや障害物等を破壊すると出現する星を100個取ると1UPします(でもあんまり出ない)。

 

 自機は基本的に地形に触れてもミスになりませんが、一部強制スクロールの際に地形に挟まるとミスになります。また敵の攻撃や敵機に触れるとミスになります。更にステージには制限時間が設けられ、これが0になるとミスになります。そして残機を全て失うともちろんゲームオーバーです。

 

 

 さて自機は潜水艦ですから、当然ステージはほぼ水中ということになります。はて、水中だけで話がもつのか?しかしそこはアイレム、様々なギミックを用意して待ち構えています。ここで簡単にステージを紹介しましょう。

 

 1面:南極海

 南極海で試験中だったところへスクランブルを受信。早速出撃しますが、既に「軍団」の魔の手が伸びてきています。潜水艦はもちろん、巨大戦艦、機雷、そして謎のアイスビーム(触れると凍って動けなくなる)が襲ってきます。さすがアイレム、序盤から殺る気マンマンです。

 

 2面:港湾

 敵兵器工場がある港へ殴り込みです。港ですから水深も浅く、結果狭い場所での戦闘となり、巨大戦艦や航空兵器とのタイトロープなドンパチになります。結果、こちらの流れ弾が陸上の建物という建物を破壊し尽くします(潜水艦なのに)。まさに破壊の美学。でも慌てた工員達が海に飛び込んじゃうのでやり過ぎです。

 

 3面:海底遺跡

 何故か海底遺跡に侵入。海底からは謎の巨大石像がグーパンチを振るって迫ってきます。しかしこちらも世界遺産もなんのその、遺跡をガンガン破壊しながら水面を目指して逃走です。そして現れる巨大な壁。果たして巨大石像の正体とは…!?そして壊しちゃった遺跡の歴史的価値とは!?

 

 4面:水没都市

 場面変わって海面上昇により水没してしまったメトロポリスが舞台。高層ビル群や高速道路もすっかり沈没し、謎のミサイル発射基地をはじめ、軍団の巣窟になってしまっています。稲妻走る猛烈な嵐の中、ビルも道路もぶっ壊せ!そして球場に潜む巨大潜水艦との決戦!夜なのでナイター照明が点きます

 

 5面:海底洞窟

 軍団本拠地を目指し、海底洞窟へ侵入。火山活動が活発らしく、水中なのに辺りは火の海、溶岩の海。それでも待ち構える敵兵器群。最新光学兵器も乱入し、気分はまさに海底大戦争!洞窟最深部、漆黒の闇に待ち構える謎の怪生物との一騎打ちだ!でもやっぱり火炎地獄でつらいよ。

 

 6面:軍団基地

 遂に軍団本拠地に到達。分かりやすいメカニックな内装に、戦艦、機雷、ミサイル、ロボと、これまでの敵オールスターズが襲いかかります。そして軍団の最終兵器「気象制御マシーン」が打ち上げられようとしています!これを打ち上げられたら、世界は軍団の手中に落ちてしまいます!急げ!そして止めれ!

 

 

 と、まぁ、水中という縛りがある中で、よくもここまでシチュエーションを考えたものだと感心します。それでいてしっかりシューティングゲームとして成立しているから、そこはやはりアイレムです。というのは、基本的に自機の発射出来る兵装は、あまり連射が効きません。ですから、ある程度狙って撃つ必要があるのです。また敵弾はそれほど速くないのですが、しっかり弾道を読まないと避けられません。これこそまさにシューティングの真髄です。

 そしてこのゲームを一層魅力的にしているのが「グラフィックの緻密さ」です。これまでもアイレムはそのグラフィックの緻密さに定評がありましたが、しかしこの海底大戦争に至ってはもはや偏執的とも言え、メカや建物は勿論、ここまで「水」を上手く表現出来ているゲームを、私は他に知りません。正直どうかしています。具体的には敵や建物ならまだしも、背景の壊れアニメーションを緻密に作っちゃったおかげで処理落ちします。そんなゲーム、他にありません(ほめ言葉)。

 

 そんなわけで、水中戦という特殊な状況と恐ろしいまでのグラフィック表現は、間違いなく一見の価値、いや1プレイの価値があります。一応PSに移植されてますが、処理落ちが激しいのでお勧めしません。出来ればアーケードで見かけたら、何はなくとも、是非プレイしてみてくださいね。

 

 さて泳げない中坊の私は世界を救えたんですかね?十七回裏に続きます。


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todome

過去のホームページ時代より寄稿させていただいておりましたが、とある作品を完結させぬままに十数年すっかり忘れ、この度親方の号令により、再び参加と相成りました、todomeと申します。 主に小話を寄稿させておりますが、マンガ、ゲームにつきましても、今後ご紹介させていただこうかと思っております。どうぞお付き合いください。

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