いにしえゲーム血風録 ぴの出場するの? 「dotstream」

いにしえゲーム血風録
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 本シリーズは基本的に1つの作品を「表:ゲーム解説」「裏:躍起になったオレ」という2部構成でお送りしておりますが、今回は前シリーズでもありましたように、超個人的な思い入れがあるゲームを、言わば息抜き的な番外編としてお送りしたいと思います。あ、決して「内容が薄いから量が書けない」わけではないですよ。シンプルでありながら、恐ろしく面白いゲームもあるんですよ、念のため(言えば言うほどドツボにはまる気がするのは何故だ)。さて、今回はGBAより「dot stream」をご紹介しましょう。

 

 さてさて、GBA末期の2006年。任天堂は複雑かつ煩雑になったゲーム業界に対するアンチテーゼとして(かどうかは分からないが)、「bit Generations」というシリーズを展開しました。その謳い文句は「GAMEの原点というものを見つめ直し、すべてが単純な線と形で描かれた世界を、鮮やかな色彩とサウンドで表現した」というものでした。

 「bit Generations」シリーズは全部で7作品発表され、しかも2000円という安価で提供されました。さすがに7作品全ては購入できなかったので、全作品が良作だったかどうかはよく分かりません。ていうか、なんとなく前回のアレを思い起こしてしまう気がしますが、それは気のせいです。ともあれ、今回ご紹介する「dot stream」もその中に1本なのであります。

 さて、いつもならここでストーリー紹介をしますが、「dot stream」はレースゲームで、その上「bit Generations」というシリーズの性質上、そんなものはありませんので、さっさとシステムの紹介に移りましょう。

 

 ゲームは横画面横スクロールのレースゲームです。しかし車は存在せず、ただ6本のカラフルな線が左から右へ走り続けるだけです。プレイヤーはそのうち1本を選び、途中出現する障害物を避け、アイテムは上手く取得してレースを有利に進め、1位を目指してください。

 コースはいくつかのレーンに分割され、プレイヤーはその一つを疾走します。十字キー上下でレーンを移動、Aボタンでアイテムを使用、Bボタンでブレーキ、Rボタンでターボダッシュを使用できます。お気付きのようにアクセルはなく、勝手に走り続けますので、基本的にライン取りに集中することになるのです。

 自機(自線?)にはライフが設定されており、障害物にぶつかると減り、ゼロになると失格になります。しかしこのライフを消費することでターボダッシュを使用することができ、猛烈な加速を得ることが出来ます。ライフを減らすというリスクのある行為ですが、ここ一番の勝負が出来る重要なフィーチャーです。なお、ライフはピットに入ることで回復することが出来ます。

 

 さて本レースには特殊なルールが2つ存在します。1つ目は、プレイヤーや敵が走行した軌跡がラインとして残るのですが、ラインが描かれたレーンを走行することは出来ない(ただし交差することは出来る)、というものです。ですから、敵が先行してラインを残した場合、そのレーンを走ることは出来ず、横のレーンに弾かれてしまいます。しかし当然逆も適用されるので、敵の走行レーンを先回りして邪魔することも出来るのです。

 2つ目は敵が描いたラインと並走すると加速する、というものです。先述のように、このゲームにはアクセルが存在しないので、基本的に一定速度で走行することになります。しかしそうなると敵が何らかのミスをしない限り、追い抜けないことになります。ですからこの並走が敵を追い抜く唯一の方法なのです。逆に敵も自分の描いたラインと並走すると加速しますので、単調なライン取りは禁物です。あとは自分がいかにミスをしないか、ということになるでしょう。

 

 さて、コース上には様々な障害物やギミックが存在します。

・デカい壁、細い壁、動くブロックなど:ぶつかるとライフが減る

・点々ゾーン、紫パネル:スピードが大幅に落ちる

・グリーンパネル:一定時間加速する

・矢印パネル:矢印の方向へ流される

 など、非常にトリッキーな構成になっています。理想のラインで抜けようとしても、先行する敵のラインが邪魔で走行出来ない場合も多発するので、臨機応変な対応が求められます。しかしあまりに安全なルートばかり走っていると、今度は敵ラインと並走出来ないために加速できず、なかなか追いつけないという事態にもなります。ですから、敵ラインと並走しつつ、攻めの姿勢でレースに挑まなければならないのです。

 

 またコース上にはアイテムも存在しています。通過で取得し、Aボタンで使用します。

・イナズマ:画面上の障害物を消す

・星:一定時間、全ての障害物をすり抜けられる

・一時停止:敵が一定時間停止する

 特にイナズマと星は複雑に設置された障害物を楽に通過出来るようになり、また極端な話、これらアイテムがないと1位になることがむつかしいコースも存在しますから、是非取得したいものです。

 

 さてレースはポイント制となっており、1つのグランプリで5レースが開催されます。全てのレースを終えて、総合ポイントが最も高ければ優勝となります。1つのグランプリを制覇すると、次のグランプリが出現し、上のクラスになればなるほど、高速化、かつ地形が複雑化していきます。そして全てのクラスを制覇した時…、それは皆さんの目でお確かめください。

 更に「フォーメーション」というモードがあり、これは複数のラインを同時に操り、地形にぶつからないようにひたすら先に進んでいく内容となっています。さながら航空自衛隊の「ブルーインパルス」の曲芸飛行を行うテイストで、しかしひたすら進むという点では「バルーンファイト」の「バルーントリップ(GAME C)」とも言えるでしょう。

 

 と、このようにゲーム内容、および操作系は恐ろしく単純ですが、しかし簡素な画面構成ながらカラフルな線がデットヒートを繰り広げる様は見ているだけで楽しく、またエキサイティングです。そしてゲームを彩るBGMが電子音丸出しのテクノなのですが、レース内容と非常にマッチしており、またターボダッシュをした時や、障害物にぶつかった時のSEもまた、BGMの絶妙なアレンジになるような音色となっています。それはどこか「wipe out」シリーズを思い起こさせるような出来栄えです。しかしながらハードがGBAであるので、現在ではプレイ困難かと思われますので、こちらでその独特な雰囲気を味わっていただければと思います。

 

 さてそれから数年後、「dot stream」はWiiに舞台を移し、今度は「Art Style」というシリーズの中の一本、「Lightstream」としてリメイクされました、それも激しく。どう激しくリメイクされたかは、こちらをご覧いただくとして(ただしドイツ版です)、しかしこれもWiiですから少々プレイ困難かと思われます。それでもキアイとガッツで(具体的には本体を購入し、ダウンロードして)是非プレイしていただければと思います。

 

 それではまた、三回表でお会いしましょう。


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todome

過去のホームページ時代より寄稿させていただいておりましたが、とある作品を完結させぬままに十数年すっかり忘れ、この度親方の号令により、再び参加と相成りました、todomeと申します。 主に小話を寄稿させておりますが、マンガ、ゲームにつきましても、今後ご紹介させていただこうかと思っております。どうぞお付き合いください。

コメント

  1. galthie より:
    このゲームはしらなかったです。 シンプルながらも楽しそうなゲームですね。 しかし激しくリメイクされてますね。 このゲームって対戦できるんでしょうか? シンプルだけど、かなり熱くなりそうな予感がしました。
    • todome より:
       GBA末期にひっそりと、しかもちっちゃな箱でしたから、目立たなかったですよ、実際。  そして本当にシンプルです。画面構成からしてシンプルです。でもゲーム性はとてつもなく高いです。是非プレイしてほしいですよ。  そしてBGMが秀逸なのです。こちらにまとめてくださったものがありますので、こちらも是非。https://www.youtube.com/watch?v=P_rz9T8Mnns&list=PLfC_xCvRTPtm_CHGdE9YwgCIG-kF4aW2r  しかし残念ながら対戦は出来ません。出来たら面白いでしょうねぇ・・・。
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