前回までのなりゆき:ちっとも集まらないダイヤモンドを血眼になって探していたところ、探偵脳が発動して見事錬成に成功し、晴れてバッドエンドを回避することが出来た私だったが、隠し面はやっぱりむつかしく死屍累々。一進一退の、しかし実は防戦一方の闘いであったが、不意に出現した謎のメッセージに動揺を、あるいはトキメキを隠し切れない私だったのだった
休憩スペースに座り、コーラを啜りながら、私はあの謎のメッセージの内容を考えました。とはいえ、なにせ全文英語だったので、英語ダメ男である私にはいくつかの単語を拾い読みするのが精一杯でありました。結局、拾い読み出来た単語は
「HINT」
「DIAMONDS」
「RED、ORANGE、YELLOW…」
「SECRET DOOR」
「BOSS ROOM」
…の5つだけ。勉学そっちのけでゲーセン通いをしたシワ寄せがココに極まりました。もう一度全文を見たいのですが、出現法則が分かりませんし(ひょっとするとランダムかもしれない)、そもそも、もう一度見ることが出来たとしても、やっぱりいくつかの単語を拾い読みして終わりでしょう。私は自分の英語能力は良く知っているのです。ということで、手持ちの単語だけで考えてみることにしました。いや、考えてみるしかありませんでした。
まず「HINT」。これは「ヒント」ですから、本作に関する攻略情報ということでしょう。…いいのか?ゲーム内に堂々と攻略情報を開陳して。そんな疑問を抱きますが、ゲーム展開が有利になるのに文句があるでしょうか?いや、ありません(反語)。
次の「DIAMONDS」は、これまで散々翻弄されたあの小さなダイヤモンドのことでしょう。…いや、ボスを倒した時のビッグダイヤモンドの事かしら?とにかくダイヤモンドが関係していることは間違いないでしょう。
次、「RED、ORANGE、YELLOW…」。…これはダイヤモンドの色だよなぁ?赤、橙、黄…?うん、確かにその色のダイヤモンドは出現する。…だから何?色が何か意味を持っているという事でしょうか?
次は「SECRET DOOR」です。シークレットドア、隠し扉、つまり隠し部屋ということでしょう。…そういえば、前作「バブルボブル」でも隠し部屋がありましたね。確かノーミスで20面まで到達すると、ドアが出現して、それに入ると10000点のダイヤモンドが佃煮にするほど転がっていました。で、画面下部に暗号でなにやら書かれているのです。…解読は出来ませんでしたが。
…そうか、これは隠し部屋に関するヒントなのか。で、最後が「BOSS ROOM」ということは、隠し扉は各島の最後のボスの部屋に出現する、ということなのでしょう、多分。そうなるとさっきの「DIAMONDS」は、やっぱり小さなダイヤモンドのことを指しているのでしょう。ボスを倒して出現するビッグダイヤモンドがどうにかなって、隠し部屋が出現するというのは何か順番がおかしいからです。やはり小さいダイヤモンドをどうにかすると、ボスの部屋で隠し部屋が出現する、という流れが自然なように思えます。
…で、出し方は?少なくとも条件は前作のような「ノーミス」ではありません。ノーミスでボスまで到達しても何にも出てきませんでしたから。じゃあ、一体…。あ!ここでダイヤモンドの色なのか!ということは…?赤、橙、黄?これのどこがヒントなの?
私はここまで考えましたが、そのもう一つ先に進むことが出来ませんでした。仕方なく私は腰を上げ、タイトーインを後にしました。そして家に着き、飯を喰い、風呂に入り、布団にもぐりこみました(勉強はしない)。しかし頭の中はダイヤモンドの色のことで一杯でした。赤、橙、黄。「RED、ORANGE、YELLOW…」。
…。…。「…」。「…」?「…」!?「…」!!
すわッ!っと、ここで不意に思い付きました!「RED、ORANGE、YELLOW…」の末尾、「…」です。「…」ってなんだ!?これは何かが続くということではないか!?つまり、これは、順番だ!そうだ、ダイヤモンドは取得すると、画面下にストックされ、その順番は左から
赤、橙、黄、緑、青、藍、紫
です。…これだ。この順番でダイヤモンドを集めろ、ということなのではないか!?私は一気に興奮し、早く夜が明けてくれないか、と思っているうちに寝てしまいました。
翌日、一応登校はするものの、授業は全く聞かず、ただただ時が過ぎることだけを考えていますと、不思議なことに気が付くとタイトーインにいました(奇跡)。早速レインボーアイランドの筐体に座り、コイン投入。ゲームスタートです。
取りあえず出現するダイヤモンドの色法則は分かっているので、あとは赤から順に取得していけば良いのです。敵の配置上、狙った色が出現しない場合もありましたが、3面で晴れて順番通りにダイヤモンドを全て集めることに成功しました!が、特に見た目上、変わったところはなく、フツーに1UPするだけです。
…あぁ、ボスの部屋で扉が出現するんだっけ。私は急いで4面のボスの部屋に向かいました。いつものようにBGMがボス専用のものに変わり、巨大クモが出現しますと、同時に画面上部に水色のドアが出現したではありませんか!やった!成功だ!私ははやる気持ちを抑え、ボスを慎重にかわしつつ、ドアの中に飛び込みました。
中は真っ黒の背景で、青銅色の地形が3段そびえていました。上段には入口と同じようなドア、中段には赤いビッグダイヤモンド、そして下段にはデカい靴が置かれています。…上段の扉は出口だよな、ビッグダイヤは隠し面突入に必要だが、この靴は何だ?
ふと画面最上部を見ますと、どこかで見たような記号が8つ並んでいます。これは…、バブルボブルの暗号?つまり隠しコマンド?バブルボブルでは裏面へのコマンドや各種パワーアップが永続するコマンドがあり、それらは暗号によってゲーム内で示されていました。
しかしこんな序盤で裏面へのコマンドが示されるわけがありませんから(そもそも裏面があるかどうかも分からないが)、このコマンドはパワーアップ永続でしょう、多分。ということは、このデカい靴はパワーアップアイテム?しかもゲームオーバーまで有効?なのか?
とにかく取ってみないと分かりませんから、取ってみますと(ヘンな日本語)、取りあえず10万点獲得。さらにビッグダイヤを取って10万点。…しかし特に効果は見受けられません。しかし良く考えると、フツーの靴の効果は「スピードアップ」で、ここまで来るのに既に取っていますから、効果が分からないのかもしれません。となると、確かめる方法は1つだけです。
ということで、私は第2の島の1面で、わざと敵に触れてミスしてみました。そしてリスタートすると…、自機のスピードが速いままです!やはりそうか!いやぁ、これは便利だ!これでミスして最弱状態になる憂き目を回避出来る!私は興奮しましたが、あることに気が付きました。
…あれ、ダイヤモンドって島ごとに集める必要があったよな。ということは、各島で赤から順番に集めれば、各島のボスの部屋であのドアが出るのか?ということは、島ごとにこういうパワーアップアイテムがあるのか?それは相当有利になるのではないか?これは集めるしかない、順番に!(倒置法)早速私は2つ目の島でもダイヤモンドを赤から集め始めました。
結論から言うと、どの島のボスの部屋でも出ました、シークレットドア(正式には『シルバードア』)。そこに隠されたパワーアップアイテムは、それはもう強力なものばかりで、しかもゲームオーバーまで有効でした(つまりミスしても、ステージクリアしても効果が消えない)。恐るべきその内容は以下の通りです。
2つ目の島:デカい赤いツボ:虹がずっと2連射になる
3つ目の島:デカい黄色いツボ:虹がずっと速く出せる
4つ目の島:デカい本(阿):羽根が生えて空中ジャンプがずっと出来る
5つ目の島:金色のドア:先の面へワープ出来る
6つ目の島:デカい羽:自機の周りを妖精がずっと回る。妖精は敵を倒すことができ、敵はダイヤに変わる
7つ目の島:デカい本(吽):隠し面でもコンティニュー出来る(これは後にネットで知ることになり、当時は『コンティニューはしない』のがポリシーだったので、当然分からなかった)
特に強力だったのが「デカい本(阿)」と「デカい羽」で、前者で自由に空中ジャンプが出来るようになると、当然のことながら地形による制約がなくなり、また敵をよけるのも思いのままです。また後者によって突撃してくる敵でも簡単に倒せるようになり、しかもダイヤモンドになるのですから、一層ダイヤモンド集めがカンタンになったのです。
もはやバランスブレイカーとも言えそうな強力なパワーアップにより、ゲームの難易度がガクンガクンと劇的に下がり、楽々とビッグダイヤモンドを集めて隠し面に挑めるようになりました。そしてあれだけ手こずった8つ目の島「魔法の島」も羽根と妖精によってガンガン突き進み、その上カンタンにダイヤモンドも赤から順番に集めることができ、隠し部屋に入ることが出来ました。
ここで手に入ったのは「デカい金貨」で、以後の得点アイテムが全部10000点になるという、ハイスコアラー垂涎のインフレアイテムでありました。が、特にハイスコアに興味のない私には有難味がありませんでした。
それよりも、部屋の中段に置かれた赤い丸が気になりました。表面がテカテカしているので、どうやら鏡のようです。多分、隠し面ではこれを集めなければならないのでしょう。そう勝手に解釈した私は、次の島に挑んだのでした。
9つ目の島は…「ダライアスの島」?果たして敵キャラクターがダライアスで登場する敵機ばかりです。BGMもダライアスの「COSMIC AIR WAY」のアレンジで(GB版を遊んでいたので知っていた)、なるほど確かにダライアスです。ダライアス外伝ですっかりダライアスシリーズが大好きになっていた私は、もう大喜びです。
とはいえ、元がSTGですから、敵機も容赦なく飛び道具を放ってきますし、体当たりもかましてきます。普通の装備だったら逃げ場もなくやられてしまうでしょう。しかし、こちらには妖精がいます!こちらから積極的に攻めにいかなくとも、敵弾を避けていれば、そのうち勝手に敵が妖精にぶつかってくれるのです!そしてダイヤモンドに変化!なんて心強い!ていうか、妖精いないと、この面無理じゃね!?
と、まあ、そんなこんなでこの島でもカンタンにダイヤモンドを赤から順にコンプリート。ボスの部屋に到達すると、そこにはダライアスのボス「エレクトリックファン(イソギンチャク)」が出現。BGMまで原作と一緒という凝り様。でもここは無視して隠し部屋に逃げ込みます。
ここではダライアスのパワーアップアイテムのような、緑色の玉がありました。取ってみますが特に変化はありません。虹を出してみますと、なんと同時に自機の左右から虹色の三日月を飛びました!…これはダライアスのウェーブではないのか?どこまで凝ってるのだ、この島は。あとは灰色の鏡があり、これもゲット。いよいよ最後の島です。
最後の島は…「バブルの島」?ステージが始まると、聞き慣れたBGMが流れ、地形も見覚えのあるカラーです。そう、この島は前作「バブルボブル」がモチーフとなった島だったのです。…隠し面はタイトーオールスターズなのか?なら「魔法の島」は?まぁ、考えても仕方ありません。先に進むのみです(実は「魔法の島」はバブルボブルよりも前のACT「フェアリーランドストーリー」がモチーフなのですが、この頃の私はそんなことは知らず、後年PS2の「タイトーメモリーズ」(タイトー名作集)でプレイして己の無力さを思い知ることになりますが、それはまた別の話)。
バブルボブルの島ということで、敵はやっぱり前作で登場した敵ばかり。しかし攻撃パターンが少々過激になっており、猛烈ブレスや絨毯爆撃など、最終面だけあって本気で殺りにきています。その上足場はほとんどなく、フツーにここまで来たら投げ出したくなる難易度でしょう。
が、しかし我々には足場を無効にする羽根と敵を一掃する妖精、それに強力なウェーブがあります!空中ジャンプで華麗に舞い、妖精とウェーブで敵を屠る!もはや空中戦の様相を呈しており、ゲーム内容が完全に変わってしまいました。その上、1つ目の島の1面よりもカンタンに感じてしまうのは何故でしょう。
ただ足場が少ないために狙ったダイヤモンドを出現させることが相当むつかしく、順番不問で何とかコンプリートすることが出来ました。これでボスを倒せば、宝箱から鏡?が出てきて?真のエンディング?に到達?出来る?はず?です、多分、恐らく、願わくば。
そうこうしている間に、とうとうラスボスの部屋に到達!何と前作の自分、泡吐きドラゴンが鎧をまとって、睨みつけています。最大の敵は自分自身という事か!?どこのスポ根なのだ!とにかく攻撃です。相手の攻撃パターンが分からないので、取りあえず距離を取ってウェーブをぶつけます。
すると「ズギャーン!」という爆発音とともにボスは消え去り、不気味な影(というか、前作の永パ防止キャラ『すかるもんすた』にしか見えない)を漂わせて消えました。…え?一撃?だってラスボスだろ?(実はウェーブには「ラスボスを一撃で倒せる」という性能があるのですが、もちろんそんなことは知りません)
そんなことを思う間もなく、宝箱が降ってきて、中から鏡が飛び出しました。すぐに取得すると、今度は空から七色に輝く杖が降ってきました。よく分かりませんがこれもゲット。すると画面上方に向かう足場が出現し、足元からは赤い血がせり上がってきます。何かヤバそうなので、慌てて上に逃れます。
たくさんの泡吐きドラゴンが牢屋に閉じ込められています。牢屋の上には集めた3枚の鏡が置かれ、その下の窪みに7つのビッグダイヤモンドが集まっていき、7色のダイヤモンドに変わります。そこへ天空から光が差し込み、鏡によって反射され、7色のダイヤモンドに注がれます!光は7色に分解され、閉じ込められた泡吐きドラゴン達に降り注ぎ…、人間に戻りました!
…あ、この泡吐きドラゴンがあの手紙の主だったのか。泡吐きドラゴンに変えられた上に閉じ込められていたわけか…。その呪いを解くために、7つのビッグダイヤモンドと3枚の鏡が必要だったのか…。ここに来て、ようやく物語の全貌を知る私。主人公バビーは助けた人達によって胴上げされます。
英文で何やらメッセージが示されますが、英語ダメ男にはサッパリです。ただ「なんかうまくいった」ことは何となく理解出来ました。とにかくめでたしめでたしの、オールクリアです!
…しかし、ラスボスは何のために一般市民を泡吐きドラゴンに変え、その上牢屋に閉じ込めたんだろう?バイキンマンみたく、島の宝物を独り占めするため?それとも主人公バビーをおびき寄せるため?ただの愉快犯?結局ラスボスの目的は不明のままでしたが、何にせよエンディングはめでたいのでそれでいいです。
その後、私は繰り返しレインボーアイランドを遊びました。何故って、アナタ、このゲームオールクリアするのに1時間はかかるんですよ?非常に「もつ」ゲームじゃありませんか!金の無いゲーセン小僧には最適です!ということは、ゲーセンにとってはインカム最悪のゲームなのでしょうが、ここの女将は「分かっている人」なので大丈夫です。
しかし隠し部屋のパワーアップアイテムによる無双感を味わってしまうと、うっかり取り損ねた時にガッカリ感は相当なもので、特にデカい本(阿)を取り損ねると、その後延々と厳しい地形に悩まされる羽目になるので、やる気はゼロになりました。が、捨てゲーなんてもったいないことはしたくないので、ヒイヒイ言いながらプレイしましたけどね。
その後、「タイトーメモリーズ」で再プレイしてみましたが…、1つ目の島からして、ダイヤモンドが集められないでやんの。ヘタクソになってましたねぇ。あの頃の自分はよくクリア出来たな、と時を経て己を感心したのでありました。
それではまた、十六回表でお会いしましょう。
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