すっかりお忘れかと思いますが、当ブログにおけるわたくし「todome」の守備範囲は「ゲーム」でありまして、レトロゲーム雑感「いにしえゲーム血風録」を細々とやっているのですが(前シリーズ「いにしえゲーム回顧録」もよろしくね!読みにくいけど)、つまり私はゲームが大好きであります。
ですからゲームと名が付けば取りあえずは手に取ってしまうあほうでありまして、今回ご紹介する作品「にゃん天堂」も内容が「ゲーム」だからと読んでみたという、バカ丸出しの動機なのでありまして、しかし読んでみたら異常に面白かったので、「すわ、こいつぁ掘り出し物だなや、やれうれしや(谷岡ヤスジ風)」ってことで、取り上げることにしたのでヤンス(メガネ君)。それではあらすじ、どうぞ!(ベンジャミン伊藤風)
老舗玩具メーカー「にゃん天堂」。かつては家庭用ゲーム機「スーパーニャンコン(スーニャン)」を開発し、次々とミリオンヒットを飛ばした強豪であったが、技術革新の波に乗り遅れ、今はゲーム開発部門も大幅に縮小。もはや時代遅れとなったスーニャンの専用ソフトを細々と作っている弱小となってしまった。…しかし弱小なのをいいことに、大手では到底思い付かない珍奇ソフトを生み出すメーカーでもあったのだ!
てなわけで、本作は弱小ゲームメーカーが舞台でありまして、あらすじにもありますように次々と珍奇ソフトを開発しやがります。それでは登場人物の紹介です。
・社長:猫谷 にゃん天堂の社長。かつてゲーム開発部門に所属しており、そのためかゲーム開発部門に入り浸っている。専用コントローラーに並々ならぬ思い入れがあるらしく、新作が完成する度に専用コントローラー開発を打診し、断られる。奥さんがゴリラ(並の顔面)。
・開発チーフ:新一 にゃん天堂ゲーム開発部のリーダー。主にコイツの発案で珍奇ゲームが生み出される。ゲーム本編よりもミニゲームに力を注ぐ悪癖がある。どう考えても売れそうにないゲームでも、それっぽい「良い話」を強引に作り、社長を納得させる手腕を持つが、やっぱり売り上げには結びついていない。
・グラフィッカー:小夜 にゃん天堂ゲーム開発部のグラフィック担当。どんなゲームであろうと隙あらばエロ絵を仕込もうとするCEROガン無視な人。周りの人間全てが自分の身体を狙っていると思っているが、そんなことはない。
・ドットワーク:みすずさん にゃん天堂ゲーム(略)のドットワーク担当。スーニャンはかなり昔のハードなのでポリゴンなど出来るわけもなく、未だにドットグラフィックであるため、実に貴重な人材。ほのぼのとした女性ながら、所々エロい人。
・コンポーザー:たろすけ にゃん天堂(略)の作曲担当。これまで開発されてきた全てのゲームの曲を作ってきただけあって、そろそろ才能が枯渇気味。みすずさんのさりげないエロにやられてる人で、お察しの通り、ムッツリ。
・プログラマー:ヤス ポートピア連続殺人にゃん天(略)のプログラマー。ほとんど喋らないが、ゲームに対する情熱は人一倍(のはず)。新一とは幼馴染みで、にゃん天堂のゲームに惚れ込んで入社した。熟女好き。
…なんか既に濃ゆいメンツだなぁ。イヤな予感しかしませんねぇ。で、こいつらがなんや訳の分からんゲームを作ってしまうわけです。基本的に当ブログはなるべく一切のネタバレは出来るだけ最小限避ける方針が目標なのですが(へんな日本語)、どんなゲームかが分からんと全くチットモ読む気が湧かないでしょうから、いくつかカンタンにご紹介いたしましょう。
・玉拾いゲーム 最初は野球ゲームなのだが、ヒットを打つともれなく近所の家のガラス窓をカチ割り、住人が烈火のごとく怒り狂って追いかけてくるので、上手いこと逃げるゲーム。野球そっちのけ。
・心を持ったラジコンでのレースゲーム 文字通り、意思を持ったラジコンと友情を育みながらレースを勝ち抜いていくゲーム。所々マリカーをパクっている気もするが、気にしない。
…えー、もういいでしょう。もう十分に彼らがイカれてるのはお分かりいただいたと思います。あと、やけにエロが多いのも不安要素と言えましょう。が、ここで忘れてはならないのが先述の登場人物紹介であります。
かたや本編以上にミニゲームを詰め込み、かたや二言目には「専用コントローラーは?」と寝言を言い、かと思えば画面の隅にエロ絵が見え隠れしているのです。で、開発室ではドット打ちがチラチラと無自覚にエロを振りまき、コンポーザーがムラムラしていて、プログラマーは熟女を思い浮かべながらカタカタカタカタ…(よく考えたら、上記の珍奇ゲームをプログラム出来るってのは相当な手腕だな)。これが地獄絵図でなくてなんでしょう。
そもそも作者のうさくんは元々エロ雑誌の人でして(わぁ、道満先生と同じだ)、前作の「うさくんの脳みそやわらかい(短編集)」でもしょーもないエロネタをバンバン炸裂させていました(「にゃん天堂」も元々はこの連載の不定期コーナーとして始まったという伝説の連載)。
ですが、本作はゆるふわな柔らかいタッチの絵柄でありまして、それほどドギツクはありません。いや、むしろゆるふわなタッチであるのを逆手にとって(むしろそれをいいことに)エロギャグをかましているとしか思えません。
とはいえ、作中で開発されるゲームがどれも「…ちょっと面白そうだな。」と思えてしまう妙はなかなかのものです。多分うさくん自身がかなりのゲーマーなのでしょうね。ていうか、そもそも掲載誌が電撃だし。
そんなわけ、曲がりなりにもゲーム好きの方には是非読んでいただきたい珍品であります。が、「当ブログで紹介した作品は高確率で打ち切りになる」というジンクスがあるのですが、大丈夫、もう既に打ち切りで終わってまして(多分時代が追い付けなかった)、全2巻!スッキリまとまってるね!(ポジティブ)
で、毎度おなじみ試読はこちら。多分紙媒体は入手しにくいと思われますので、電子で手に入れればいいじゃない。そしてバスとか電車の中でニヤニヤすればいいじゃない。そんなわけでオススメですよ。
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