以前よりBSの映画を見ておりますが、この間、有名な「シャイニング」をやってました。有名なクセに見たことない代表格の映画でしたので、嬉々として視聴いたしました。今回はその感想というか雑感というかボンクラ寝言であります。あ、ネタバレもしますので、ご承知の程を。
さて、カンタンなあらすじとしては
小説家ジャックは執筆を兼ねて、雪深いホテルの管理人を引き受ける。妻と息子と共に暮らし始めるが、やがて奇妙な現象が起こりはじめ、ジャックは次第に精神に変調をきたし始める…。
というもの。次々と巻き起こる怪現象なのですが、しかし後半になると、この怪現象が超常現象の一種なのか、それとも精神に異常をきたしたジャックの幻覚なのか分からなくなってきます。恐らくそこがこの映画の面白いところなのでしょう。
しかし、映画の最終盤になっても、この怪異の正体は何だったのかが明らかにされません。一応ラストにジャックとホテルとの関連性を匂わせる写真が示されますが、明確な回答は示されないのです。
以前見た本作の監督であるスタンリー・キューブリックのドキュメンタリーにおいて、原作者のスティーブン・キングは映画版を「大失敗作だ」とこき下ろし、その理由としては原作で重要な要素である「シャイニング(超能力)」が全く生かされておらず、ただビックリさせる映像の羅列に過ぎないから、と述べていました。
そもそもキューブリックは説明的な演出を嫌う監督のようで、同じドキュメンタリーにおいて、「2001年宇宙の旅」を制作する際、やはり原作者であるクラークと物語の結末について相当揉めたそうです。曰く、クラークはテロップ等による説明を入れることを提案したのに対し、キューブリックは徹底して映像のみの演出を主張したのだそうです。
今回のシャイニングもつまりそういうことで、映像的な演出のみで説明しようとしたために、怪異の正体は明確に示されなかったのでしょう。明確に示したかったキングにとっては不満だったのも仕方ないことかもしれません、
しかし怪異、つまり恐怖の根源について考えてみますと、そもそも人間は不明である物を怖がる傾向にあります。幽霊にしろ、都市伝説にしろ、その正体が分からないからこそ恐ろしく感じるものです。故意かどうかは分かりませんが、「明確に示さない」というキューブリックの演出は、結果的に恐怖の本質を突いていたように思えるのです。
とはいえ、最後の写真の意味はネットで調べてようやく気が付きましたので、程度の問題でもあるかもしれません(もちろん、私がボンクラである可能性は大です)。
ただ、さすがはキューブリックで映像の美しさ、それによって湧き起る恐ろしさは一級品です。例え原作者が「ビックリ映像の羅列」と言っても、これはこれで非常に刺激的で、一見の価値はあります。いやぁ、怖かったッス。
ということでシャイニングは面白かったです。原作も読んでみようかしら。
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