[04-05海外組]中田浩二のマルセイユ移籍にみる海外との移籍金ギャップの問題点。

スポンサーリンク
Quoted from:日刊スポーツ 中田浩マルセイユ決定!ジーコ監督祝福
日本代表MF中田浩二(25=鹿島)が26日、フランスリーグの名門マルセイユへの移籍を正式表明した。今日27日に現地入りしてメディカルチェックを受けた後、契約書にサインする。既に複数年契約の年俸5000万円を提示されている。31日で鹿島との契約が終了するため、移籍金は発生しない。契約のために代表合宿を途中で抜けるのは異例だが、ジーコ監督(51)から祝福され、晴れてフランス行きが決定。早ければ今月中に帰国し、2月9日のW杯アジア最終予選初戦の北朝鮮戦(埼玉)に臨む。(金額は推定) (以下略)
トルシエとのコネクションで実現した今回の移籍。ヒディンクとのコネクションでは、すでにPSVにイ・ヨンピョ、パク・チソンはレギュラーに定着し、今年はCLでも決勝トーナメント入りを果たした。 そうした意味では、遅くになったにせよ、そういった移籍話がやっと出るようになりました。中田浩二も海外移籍を熱望していたようだったので、報道を見守っていました。鹿島では完全移籍でかなりの移籍金を要求していたので、かなり難しいのかなと思っていただけに、契約が結ばれていないために移籍金ゼロでの移籍は驚きました。色々と問題はあるにせよ、とりあえず名門マルセイユにいけたことはうれしく思います。 そのマルセイユはCLでもミランを破り、優勝するなど、名門クラブです。その後、リーグ戦での八百長が明らかになり、下部リーグに落とされてからは低迷を続けたが、最近になり復活を果たしてきたクラブです。 そのCL制覇を成し遂げた90年前後のマルセイユは実は今のチェルシーのように、豊富な資金を元に世界屈指のタレントを集めていた時代もありました。これはあとからピクシーの自伝などで知ったのですが、当時のメンバーを振り返るとすさまじい。当時のミッテラン大統領がもっとも恐れたといわれるアディダス社のパトロンであり、 フランス政財界に圧倒的な影響力をもっていたベルナール・タピがオーナーとなっていた。彼が集めたそうそうたるメンバー。90年W杯西ドイツを優勝に導いたあのベッケンバウアーを監督として招聘。当時屈指のストライカーで、後にデルピエーロとともにユーヴェでトヨタカップを手にするクロアチアのアレン・ボクシッチ(彼のキープ力はすごかったなぁ)。ドイツ代表監督を務めたことでもお馴染みのルディ・フェラー(90年W杯では、今をときめくライカールトとぴっちで喧嘩して両者退場になったこともあった)。91年から3年連続アフリカ年間最優秀選手賞を獲得したアベディ・ペレ(この後セリエAで活躍)。マルセイユ時代は怪我でほとんど活躍できなかったとはいえ90年W杯の活躍はマラドーナと比較されるほど旬の選手だったドラガン・ストイコヴィッチ。現在モナコ監督で数々のタイトルを獲得したお馴染みディディエ・デシャン。屈強のDFで後にミランもささえるマルセル・デサイー。浦和でもブッフバルトとともに強固なDFを形成したバジール・ボリ。ヴァレンシアでも晩年活躍したジョセリン・アングロマ。現在もマルセイユに所属この栄光期を知るGKファビアン・バルテズ。と当時旬でその後欧州サッカーを背負っていくようなスター選手がそろっていた。 92-93年以外でもその90年代前半には、後にミランで活躍するジャンピエール・パパン(トヨタカップにも来てました)。ウルグアイの英雄で華麗なゲームメーカー、エンゾ・フランチェスコリ。後のユナイテッドの象徴となる”キング”・エリック・カントナ。シャンパンサッカーの体現者、ジャン・ティガナ。と現イタリア首相のベルルスコーニ対抗するべく、タピが集めたメンバーはすさまじいものだったみたいです。 これにピクシーの怪我がなかったら、マルセイユがどんなサッカーをやったのかなぁというのはかなりの夢物語です。 こんな時期があったくらいマルセイユは名門だったんですね。時期が違うとはいえ、このようなレジェンドたちが所属したチームに日本人が入るのは感慨深いです。 ただ、今回の移籍。話題になっているようにゼロ円移籍という前例を出したくない形での移籍でしか実現できなかったのが残念です。 今欧州の移籍史上は完全にバブルがはじけてしまって、移籍金は冷え切っている状態です。稲本の時もただ同然での移籍が問題になりました。 ましてや未知数の日本人に出せる移籍金は一億を超えるのは難しい状況です。 Jリーグのチームとしてもじっくりと育てた選手をぱっと手放すことはもちろん出来ないので、ある程度の移籍金を取らないといけません。アルゼンチンやブラジルや、欧州の中小のチームは育成によって、移籍金でやっとこチームを運営しているチームもあります。日本ももちろん育てた選手をそれなりに利益の出る形で、将来的には移籍金を得ていかないといけいないでしょう。 残念ながら、クラブがほしいような金額を払える欧州のクラブは少ないです。それに日本人が活躍できそうな中小のクラブではなおさらです。Jリーグのチームが欲するような金額を出せるチームはなかなかないので、このギャップが存在する限りでは欧州移籍はずっと実現しないことになってしまいます。 移籍金をあげるには、欧州で日本人が出て行って実績をつくるしかないのですが、ギャップがある限りはレンタル以外では出て行けなくなってしまうという悪循環が発生してしまっています。 Jリーグの移籍金の規則では、年齢によって係数をかけて計算する方法をとっていますが、国際的にはまったく意味のないものです。移籍ビジネスでは相当に遅れている状態ですので、なんとかJリーグでこのギャップを埋める方法を早急に考える必要があるのではないでしょうか。 なかなか難しいけれど、Jリーグで活躍して海外に出たいという夢を持つ選手も多いと思うし、そういったことが大きくモティベーションの維持に貢献していると思います。それが金銭的なギャップからこれからは移籍が難しいとなると若手選手の育成も悪循環に入る可能性もあります。 早く移籍金が稼げるようなビジネスモデルを確立しないとなりません。そのためには日本人選手の価値をあげることも必須なので、かなりの時間はかかるものと思われます。 例えばの一案ですが、それまでの措置として川淵キャプテンも元々海外移籍は奨励しているので、totoやJリーグクラブから一定の収入を集め、海外移籍をさせたチームにはそういった育成成果に対する報酬みたいなものを与えるような救済措置も検討しないといけないかもしれませんね。 今回は鹿島の親心もあり、実現した移籍でもあるでしょう。今の移籍の多くは育てたクラブにはあまりお金が入らず、結局海外に出すかはクラブの選手への親心という裁量にまかされているような状況です。なんとか深刻化する前に討論を重ねてなんとか対策を考えないといけないでしょうね。

読んで頂いてありがとうございます!

↓↓このブログ独自の「いいね!」を導入しました。少しでもこの記事が気に入って頂けたら押して頂けるとうれしいです。各著者が無駄に喜びます(・∀・)イイ!! よろしくお願いしますm(__)m
The following two tabs change content below.

galthie

スポーツ全般がとても好きです。もともと好きだった将棋も1年くらい前から本格的に指しています。別の趣味であるコンピュータを含めてみなさんの役にたつ情報を載せていきたいものです。 好きなチーム:アーセナル 将棋棋力(2016年1月現在) 【将棋ウォーズ】3級 【将棋倶楽部24】13級 最高R310(R300あたりをうろちょろ) 【将棋道場】対局数少なく判定出ていません

コメント

  1. トラックバック専用リンク集 より:
    サッカー 【スポーツ】  ※サッカー【スポーツ】のリンク集です。  ※トラックバックできない場合には、コメント欄に記入して下さい。  ※高校,Jリーグ,日本,代表,大学,協会,ショップ,スパイク,ユニ
  2. 中田選手の移籍 皆さんが書かれているので、私も書こうと思う。 鹿島の中田選手がマルセイユに移籍になった。本人の強い意志とトルシエ監督からの引き合いによるものだ。しかし鹿島の中田ファンや代理人の田邉氏に対する不満、移籍金の低額さに対して納得行かない人も多いようである。では
タイトルとURLをコピーしました