今回はオレら世代(アラフォー)のシューティングバカには忘れられない傑作、「ダライアス外伝」をご紹介します。…って、わざわざ紹介するまでもないような超有名タイトルなんですが、何しろ「私のゲーセン小僧時代=ダライアス外伝」としか言えないので、ご面倒でもどうかお付き合いください。釈迦に説法でありましょうが、取りあえずダライアスシリーズについて簡単にご紹介します。
初代ダライアスは1986年にタイトーより発表された横スクロールシューティングで、謎の異星人ベルサーとダライアス星人の戦いを描いたものです。システムこそ王道ですが、3画面を横に繋いだ巨大スクリーンや、ボスが魚型巨大戦艦であることなど、非常に特徴的な(つまり筐体がデカい)ゲームでした。また音楽も高く評価され、筐体のスピーカーから録音を試みるプレイヤーが続出したと言います。
これを受けて1989年に続編「ダライアスⅡ」が発表されます。こちらは基本的に2画面となりましたが、魚型巨大戦艦は健在で、太陽系を舞台にしたことでも話題になりました。いずれも高い難易度を誇り、クリアすることは一種のステータスであったと言えるでしょう。
そして今回紹介する「ダライアス外伝」は3作目にあたり、1994年に発表されました。その後ポリゴンを導入した「G-ダライアス」、PSPへと舞台を移した「ダライアスバースト」と繋がっていき、ダライアスバーストはリメイクされ、ダライアスはめでたくゲーセンに再び凱旋したのでありました。それでは今回取り上げる「ダライアス外伝」のストーリーをご紹介しましょう。
「異星人ベルサーによって滅ぼされた惑星ダライアス。しかしわずかに生き残った人々は惑星ヴァディスへ逃れ、慎ましく暮らしていた。時は流れ、惑星ダライアスの環境が居住可能なレベルにまで回復していることを知ると、人々は故郷に帰るための準備を始めた。しかし、そこへ突然謎の存在からの攻撃を受ける。謎の存在は他ならぬ惑星ダライアスからやってきたようであり、それはどこかかつての敵、ベルサーに良く似ていた。真相を探るため、強力に改造されたシルバーホークは惑星ダライアスへと向かったのだったのだった。」
と、第一作「ダライアス」の後日談という形です。画面こそ1画面になりましたが、しかし当時の技術の粋を集めた結果、第一作からは比べ物にならないほどの進化を遂げています。とはいえ、操作は実にオーソドックスです。ボタンも2個しかありません。それではシステムをご紹介しましょう。
ゲームは横画面横スクロールシューティング。全7面。レバーで8方向移動、ボタン1でショットとボムを発射、ボタン2でブラックホールボンバー(後述)を使用出来ます。各面のボスを破壊するとステージクリアで、最終7面のボスを破壊出来ればクリアとなります。アーム(後述)のない状態で敵に触れる、敵弾に当たる、地形に当たるとミスになり、残機を全て失うとゲームオーバーになります。
次にパワーアップについてです。自機は最初、1連装のミサイルと前方に落下するボムを装備していますが、赤、青、緑、の色の付いた敵を倒すことで出現する勲章を取得するとパワーアップ出来ます。パワーアップには以下の種類があります。
・赤:ショットパワーアップ:ショットがパワーアップする。続けて取得することで以下のように発展する。
「ミサイル(1連→2連→3連)」:ミサイルは威力高いが貫通力がない
→「レーザー(2連→3連→4連)」:レーザーは威力は並だが敵を貫通する
→「ウェーブ緑(小→小+ミサイル→小3連→大→大+ミサイル→大+小2連」
→「ウェーブ赤(大→大+ミサイル→大+緑小2連」:ウェーブは敵も地形も貫通する。加えてウェーブ赤には敵を追尾する「サーチオプション」も装備される。
・緑:ボムパワーアップ:ボムがパワーアップする。続けて取ることで「ノーマル(下前方)」→「ツイン(上下前方に発射)」→「マルチ(上下前方と上下後方に発射)」→「ホーミング(前方上下がホーミングする)」へと発展していく。またパワーアップすることで爆風が大きくなり、攻撃判定が大きくなる。
・青:アームパワーアップ:ダメージを防ぐアームを装備する。続けて取ることで「ノーマル(最大耐久力3、敵や地形に当たるとミスになる)」→「スーパー(最大耐久力4、敵に当たってもダメージだけでミスにならないが、地形に当たるとミスになる)」→「ハイパー(最大耐久力5、敵や地形に当たってもダメージだけで済む)」への発展する。アームを装備している時に取得すると、アームのレベルに応じて耐久力が回復する(「ノーマル:回復量1」「スーパー:回復量2」「ハイパー:回復量3」)。
また他にも以下のアイテムが存在します。
・紫:ブラックホールボム:ブラックホールボムを1個補充出来る。ボタン2を押すとブラックホールが発生し、自機は無敵になり、敵弾は全消去。ザコ敵ならば吸い込んでしまい、最後に稲妻が画面を覆ってダメージを与えられる。最大5個まで保持可能。
・金:全滅アイテム:画面上の敵と敵弾を消せる。地形に隠れており、ショットで出現する。
・白:得点アイテム:ランダムで得点が加算される(50点~51200点)。地形に隠れており、ショットで出現する。
・エクステンド:残機が1機増える。地形に隠れており、ショットで出現する。
ここで注意していただきたいのは、ミスをするとボムやアームのレベルはそのままだが、ショットのレベルが1段階下がってしまう、ということです。例えばウェーブ赤でミスした場合、その1つ下のショットレベルであるウェーブ緑になってしまいます。ウェーブは地形を貫通することができ、攻略する上で重要な装備であるため、なるべくミスは避けたいものです。
さてこのゲームはルート分岐を採用してまして、面をクリアすると上下2つのルートの内1つを選択することが出来ます。これは1面から7面まで分岐が続きます。例えば1面である「ゾーンA」をクリアしますと、「ゾーンB」か「ゾーンC」のどちらかを選択することになります。そして「ゾーンB」をクリアしたら、今度は「ゾーンD」か「ゾーンE」を選択していくことになります。そしてそれぞれのゾーンは出現する敵も、地形も、ボスも異なりますから、何の気なしに選択したゾーンがえらく簡単だったり、逆に激ムズだったりすることがあるのです。ですから目的のゾーンに到達するルートは1種類であるとは限らないので、出来るだけ自分に合ったルート選択(「なるべく簡単に」とか「極限まで稼ぎたい」とか)をする楽しみもあるのです。
また各ステージの道中には中ボスが存在します。普通に破壊することも出来ますが、頭部に装着されたボール状のパーツを攻撃すると外れ、これを取得するとキャプチャー(捕獲)したことになり、僚機として援護してくれます。基本的に自機のショットと同期して攻撃してくれますが、コマンド入力をすることで特殊な攻撃も行ってくれます。ただし一定時間経つと破壊されてしまいます。全面クリア時にキャプチャーした数だけボーナス点が貰えますので、ハイスコアを狙うなら逃せないフィーチャーです。
したがって、1面は1種類だけですが、2面は2種類、3面は3種類…とルートは扇形に広がっていくことになります。ですからゲームは全7面ですが、実はステージ数は28面あることになります。そしてそれぞれが趣向が凝らされた構成をしています。また7面は全部で7種類あり、それぞれクリアすると異なるエンディングを迎えることになるので、何度でも遊べる構成になっています。
いつもならここで各面の紹介をするのですが、何しろ全28面もあるのでステージの概略と各ゾーンのボスを簡単に紹介するに留めます。
・1面:惑星ヴァディス(A)惑星ヴァディスの破壊された都市。
ボス:ゴールデンオーガ(オニキンメ)
・2面:惑星ヴァディス(B/C):惑星ヴァディスの海上、荒野。
ボス:(B)アンシェントドーザー(カブトガニ)、(C)キングフォスル(シーラカンス)
・3面:衛星コントラリィー(D/E/F):惑星ヴァディスの衛星上、スペースコロニー。
ボス:(D/F)フォールディングファン(オウギベンテンウオ)、(E)エレクトリックファン(イソギンチャク)
・4面:異層次元(G/H/I/J):惑星ダライアスへ向けてワープ。
ボス:(G/I)プリックリィーアングラー(アンコウ)、(H/J)ネオンライトイリュージョン(ホタルイカ)
・5面:衛星ウェザー(K/L/M/N/O)惑星ダライアスの衛星上、スペースコロニー、宇宙空間。
ボス:(K/O)ファティグラットン(ピラニア)、(L/N)ダブルディーラー(ヒラメ・カレイ)、(M)タイタニックランス(ベレムナイト)
・6面:惑星ダライアス(P/Q/R/S/T/U):惑星ダライアスの海上、山岳、砂漠、凍土など。
ボス:(P/R/T)クラスティハンマー(シャコ)、(Q/S/U)デッドリークレセント(カガミダイ)
・7面:惑星ダライアス(Z’/V/W/X/Y/Z/V’):惑星ダライアスの海底、廃墟、上空、中心核。
ボス:(Z’)グレートシング(クジラ)、(V)リスクストレージ(フウセンウナギ)、(W)ヴァーミリオンコロナタス(タツノオトシゴ)、(X)ヒステリックエンプレス(タカアシガニ)、(Y)オーディアストライデント(マンボウ)、(Z)キュリアスシャンデリア(クラゲ)、(V’)ストームコーザー(オニキンメ)
*一部異なるゾーンなのに同じボスが存在していますが、攻撃パターンがまるで異なります。
…って長いわ!と思うくらいのボリュームです。実際、クリアまで30分くらい掛かるので、全ゾーンを制覇しようとするとかなり長く遊べることが分かります。面構成も趣向を凝らしていますし、加えてボスがそれぞれ異なる攻撃をしてくるため、パターンを覚えるのも大変です。しかも昨今の弾幕シューのように闇雲に撃ってくる訳ではなく、確実に自機を狙ってくるので気を抜けません。しかしそれだけに苦労して構築した戦術が上手くハマり、ゾーンをクリアした時の達成感はひとしおであり、特に7面のボスを撃沈させた時の「やってやったぜ感」は筆舌に尽くしがたいのです。その上マルチエンディングなのですから、否が応でも次のプレイに取り掛かりたくなるという、恐るべき魔性のシステムなのです。
しかもこれだけ高いゲーム性に加え、当時の最新技術である画面効果をふんだんに取り入れ、その上「人間の狂気と再生」をテーマとした、唯一無二のBGMまで付いちゃっているのですから、非常に恐ろしいまでの完成度を誇ることになったのです。実際、その美しい画面と目を見張る画面効果、幻想的で悪魔的とも言える音楽、そして目眩くボスの攻撃に、多くのプレイヤーが魅了され、また見ているだけでも楽しいので、筐体の後ろにはいつもギャラリーが絶えなかったのでした。
現在はPS2に移植されていますが、何しろ人気作品なので、気の利いたレトロゲーセンなら現在も稼働中のはずです。どうかなんとかしてプレイしていただきたいと思います。「ダメじゃぁ、見つからん!」と言う方には、せめてこちらで20世紀屈指のシューティングをご覧いただければ、と思います。
さて、中坊の私は全ボスを拝むことが出来たんでしょうか?五回裏に続きます。
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