いにしえゲーム血風録 八回表 「ハドソンキャラバンシューティング(前口上)」

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 今回はちょっと趣向を変えて、FCのハドソンキャラバンシューティングについてご紹介したいと思います。ある程度STGがお好きな方ならばご存知かもしれませんが、ここで今一度「キャラバンシューティング」の概要を見てみましょう。

 

 1985年。ハドソンが1本のSTGを発売します。我らアラフォー世代には伝説のゲーム「スターフォース」です。このゲームは元々テーカン(現コーエーテクモゲームス)が1984年に開発したアーケード用縦スクロールSTGで、前年発表され大ヒットした「ゼビウス」に対抗して作られました。と言ってもゲーム性はまるで逆で、ゼビウスが敵機破壊には対地対空の撃ち分けが必要だったのに対し、スターフォースは地上物も空中物も同じショットでバリバリ破壊出来たのでした。これによりスターフォースは「大量破壊のカタルシス」をプレイヤーに提供することになり、大ヒットとなったのでした。

 これをFCに移植したのがハドソンだったわけですが、ハドソンは販促の一環としてハイスコア大会を開催します。しかしスターフォースはエンディングのないループゲームですから、上級プレイヤーになればカンスト(「カウンターストップ」それ以上点数が上がらなくなる状態)となってしまいます。

 そこでハドソンは「2分間」と「5分間」の時間制限を設けることにしました。ゲーム開始からの数分間でどれだけスコアを稼ぐことが出来るか?わずか数分で勝負が決まってしまうというある意味シビアなルールは、しかし逆に「短くともパターン化出来ればハイスコアが狙える」ことを意味し、多くの参加者を集めることにも繋がった、とも思えます。

 

 大会はまず日本を北と南に分け、それぞれの実働部隊が全国各地を回り、予選会を開催しました。まさにキャラバン、というわけです。会場は主にスーパーやデパートが中心で、そこに実働部隊がFCとモニターを設えて大会は運営されたのです。そこには多くの小学生が集まり、世の大人たちは「すわ、何事か」と思ったようです。

 さて大会はまず2分間でスコアを競う予選が行われ、上位数名が5分間でスコアを競う決勝に進み、その開催地でのチャンピオンが決定します。そして全国のチャンピオン達のスコアが集計され、最もスコアが高かった者がグランドチャンピオンとなるわけです。優勝賞品は…あったのかなかったのかよく覚えていませんが、まあアーケードでも全国一位を取ることは相当な名誉でしたから、「優勝賞品=名誉」ということでしょう。

 

 こうしてハドソンのキャラバン大会は大成功を収め、ソフトの売り上げも好調だったようです。そして大会の好評を受け、以後ハドソンは1年に1回、大会を開くことになります。ハードもFCからPCEへと移ったり、何故か野球ゲームの時もありましたが、基本的にはSTGが大会ゲームとして使用されました。どれも非常に良く出来たSTGであり、また私自身も溺愛してしましたので、今回はこれらキャラバンシューティングの中でも、FCのソフト、「スターフォース」「スターソルジャー」「ヘクター’87」の3本についてお話ししようというわけです。

 

 それではまず、「スターフォース」のお話から始めることといたしましょう。続きます。

 


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todome

過去のホームページ時代より寄稿させていただいておりましたが、とある作品を完結させぬままに十数年すっかり忘れ、この度親方の号令により、再び参加と相成りました、todomeと申します。 主に小話を寄稿させておりますが、マンガ、ゲームにつきましても、今後ご紹介させていただこうかと思っております。どうぞお付き合いください。

コメント

  1. galthie より:
    更新ありがとうございます。 久しぶりになり、申し訳ない。 あの時の熱気懐かしいですね。 大会に参加したわけではないですが、デパートの屋上で見た記憶はかすかにあります。 最近の大会はウイニングイレブンやFIFAなどのサッカーゲームだと世界規模ですからね。 さらにはe-sportsも盛んになりつつある昨今、日本ではどう受け入れられていくか興味があります。
    • todome より:
       コメントありがとうございます。ご無事で何よりです。  私はコロコロコミック誌上でしか大会の模様を見たことがありませんが(地元には来なかった)、大変な盛り上がりでしたね。ニュースでも取り上げられたようです。まさに熱い夏!  確かに最近は世界規模の大会が多く行われていますね。賞金もかなりのもので、まさにスポーツと言えましょう。  しかし日本ではまだまだ「ゲーム=おもちゃ」の認識が強く、また対戦もまだまだアーケードに分がありますから、依然としてハウストーナメントが主流で、公式と呼べる大会は国内では見かけませんね。  となると、日本に根づくにはゲームへの認識がガラリと変わる必要があり(つまりおもちゃではなくメンタルスポーツと捉えられるか)、メーカーも販促の一環として億単位の投資ができるか、という点になるでしょうね。  ところで動画サイト上では現在もひっそりとハイスコアが更新されています。今なお愛される、幸せなゲーム達なのです。
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