今回はまたタイトーより「レインボーアイランド」をご紹介しましょう。「また」と申しましたように、わたくし結構タイトーのゲームばっかりやっているようですね。まあ「タイトー直営のゲーセンが近くにあった」からなんでしょうが、最大の原因は「私がゲーセン小僧だった格ゲー全盛期に、結構色々なジャンルのゲームを出してくれていた」からのように思えます。
格ゲーの走りとなった「ストⅡ」が発表されたのが1992年。この頃タイトーは何をリリースしていたかと言いますと、STGでは「メタルブラック」や「レイフォース」に「ダライアス外伝」、ACTなら「プリルラ」や「エレベーターアクションリターンズ」、他にも稼ぎがアツいPZL「パズルボブル」や怪作QIZ「ゆうゆのクイズでGO!GO!」とか結構多くのジャンルから万遍なくリリースしています。
…あ、勿論この頃のタイトーも格ゲーは出していますよ。ただ私が格ゲーを全くやらないので覚えてません。一応1994年にリリースされた「カイザーナックル」のラスボスが人類には無理、とは聞いたことがあります。動画で見てみましたが、確かに無理なようでした。
それはさておき、このようにタイトーは格ゲー全盛期でも幅広いジャンルのゲームをリリースしてくれたおかげで、私は「ゲーセンに行っても格ゲーを遠目に見るだけ」という憂き目を避けることが出来たのであります。結果、私はタイトーが大好きになり、その当時ひたすら遊んでいたのが今回ご紹介する「レインボーアイランド」というわけなのです。このゲームはかの有名な「バブルボブル」の続編でありまして、バブルボブルのその後からお話は始まります。
「見事恋人と両親を助けたバビーとボビーの兄弟は、両親から『虹の魔法』を授かります。どうやらいつでもどこでも自由に虹を架けることが出来るらしく、早速使ってみたくなった兄弟は、思い切って宝探しに出かけます。行き先は7つの島が並ぶ『レインボーアイランド』!何故か出現する敵をなぎ払い、2人の冒険は始まったのだったのだった。」
…確かこんな話…だった気がする。でもインストカードやデモ画面にもストーリーは出てなかった気がするな。…あ、「ザ・ベストゲーム2」に書いてあったの…かな?とにかくそんな感じのストーリーです。ではシステムをご紹介しましょう。
このゲームは横画面サイドビューの「縦スクロール」ACTです。レバー左右で自機であるバビーの移動、ボタン1でジャンプ、ボタン2で虹を放つことが出来ます。各ステージではひたすら上へ上へと昇っていき、「G」と書かれたフロアまで到達出来ればクリアとなります。感覚としてはバブルボブルの1つの面が縦に伸びているイメージですが、必ずしも敵を全滅させる必要はありません。
プレイヤーは7つの島を冒険していくことになります。各島は4つのステージで構成されており、4番目のステージの最後にはボスが待ち受けています。これを倒せば島を制覇したことになり、次の島へと移っていきます。ステージ数は「7つの島×4ステージ」で28面ですが、ある条件を満たすと隠された3つの島が出現し、全部で40面となります。
ゲームは残機制で、敵や敵の攻撃に触れたりするとミスとなり、残機が減ります。また一定時間経つと下から水が上がってきて、これに飲み込まれてもミスとなってしまいます。残機を全て失うとゲームオーバーとなります。残機は10万点と100万点取得した際に増えますが、これに加えて7色のダイヤモンド(後述)を集めることでも1UPします。
それでは、このゲームのキモである「虹」についてご説明しましょう。虹はボタン2を押すことで、バビーが向いている方向へと放ち、虹の先端を敵に当てて倒していくのです。虹は一定時間その場に残り、真横から近付けば乗ることができ、虹の上でもジャンプすることが出来ます。虹は画面内に複数出せるので、上手く利用して、頂上を目指していくことになります。
さて、虹は上から乗るか下からぶつかることで崩して落とすことができ、これに巻き込むことでも敵を倒すことが出来ます(敵の上に落とす必要はなく、敵が虹に触れている状態で崩しても倒すことが出来る)。まとめて敵を倒せばもちろん高得点です。また虹は敵の軌道を妨げたり、飛び道具を防いだりも出来ます。つまり虹の攻撃判定は「虹を放っている時の先端」と「虹が崩れて落ちていく時」だけです。
加えて、虹に触れる際にジャンプボタンを押しっ放しにしていれば、虹を崩すことなく虹の上でジャンプし続けることが出来ます。もちろん、ジャンプボタンを離せば虹は崩れてしまうので、注意が必要です。この点は前作「バブルボブル」の泡と同じような特性を持っていると言えます。
続いてパワーアップについてご紹介しましょう。バビーは敵を倒した際に出現するアイテムを取ることでパワーアップし、基本的にミスするまで効果が持続します。パワーアップアイテムには以下の物があります。
・黄色いツボ:虹を出すスピードが速くなる
・赤いツボ:虹を連なって出せるようになる。最大3つまで連なる
・くつ:移動スピードが速くなる
この他にも得点アイテムや攻撃アイテムなど、それこそ膨大な数のアイテムが存在します。さすがは「アイテム多すぎ」で有名な「バブルボブル」の続編です。ひとつひとつ紹介すると21世紀が終わりますから、ここでは得点アイテムは割愛し、攻略に有利になるような代表的なアイテムをご紹介しましょう。
・星:触れるか虹を当てるといくつかに飛び散り、敵にぶつけて倒すことが出来る
・腕輪:星が降ってきたり、虹を崩すと星を飛び散らせたりと、色によって効果が違う。一定時間か一定回数まで効果が続く
・羽根:バビーの周りを妖精がぐるぐる回り、敵を体当たりで倒す。そのステージのみ効果が続く
・本:バビーに羽根が生え、空中ジャンプが出来る。そのステージのみ効果が続く
…まだまだいっぱいありますし、きっと私の知らないレアアイテムもあるのでしょう。当時のゲーメストは全部カバー出来たのかしら…。それはさておき、ここでゲームの進行上、最も重要なアイテム「ダイヤモンド」についてお話しましょう。
ダイヤモンドは「敵を崩した虹で倒すか、アイテムで倒す」ことで出現します。赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の7種類があり、1つの島で全て集めると1UPします。が、実は効果はそれだけではなく、全て集めた状態で島のボスを倒すと、ビッグダイヤモンドが出現します。これは各島に1つずつあり、これも7種類全て集めると、隠された3つの島が出現するのです。
もしビッグダイヤモンドを7つ集められずに28面をクリアすると(つまり7番目の島のボスを倒すと)、バビーはレインボーアイランドで起こった恐るべき事件を知ったところでゲームは終わってしまいます。つまりバッドエンドとなるのです。
…本当にタイトーってこういうの好きですよね。前作「バブルボブル」も真のエンディングを見るのがとてもとても大変でした。何しろ表100面をクリアして暗号を取得し、これを解読して裏100面に挑み、その上1コインでは真のエンディングが見られないという念の入れようでしたっけ。私は表の95面で断念しました。
しかし本作はそこまでむつかしくありません。要は全ての島でビッグダイヤモンドを集めるだけで良いわけで、それはつまり、各島でダイヤモンドを7色揃えれば良いだけです。…だけなんですけどね、これがなかなかむつかしいんです。というのは、敵を倒して出現するダイヤモンドの色には出現法則があり、それに気が付かないとなかなか7色揃えることが出来ないのです。
またダイヤモンドを集める順番にも秘密があり、条件を満たすとタイトーお得意の「隠し部屋」が出現します。ここにはビッグダイヤモンドと効果絶大のアイテムが隠されているのです。が、やっぱりこの部屋に入るのにも一苦労、さすがはタイトー、一筋縄ではいかないのです。でも私はタイトーが大好きです(2回目)。
それでは最後に各島の紹介に移りましょう。各島には明確なテーマがあり、それに沿った地形や敵が配置されています。
・第一の島:虫の島:大量の虫がいる島。チュートリアル的な難易度
・第二の島:戦争の島:戦車などの兵器が闊歩する島。虹を使って登らなければならない箇所が多い
・第三の島:化物の島:吸血鬼などのモンスターだらけの島。空中を飛ぶ敵が多い
・第四の島:おもちゃの島:ピエロやオセロなどのおもちゃが敵の島。足場が悪い
・第五の島:DOHの島:タイトーのブロック崩し「アルカノイド」がモチーフの島。無機質
・第六の島:ロボットの島:ロボやネジが襲ってくる機械島。敵のスピードが速い
・第七の島:竜の島:騎士や竜が敵の中世風の島。足場も悪く、敵も速い
・隠された島:???
ということで、前作「バブルボブル」にも劣らない、なかなかのボリュームのゲームです。実際、真のエンディングを目指すと1時間ほどの長丁場になるのですが、何故かそれを感じさせません。それはパステル調で可愛らしいキャラクターと軽快なBGM(映画「オズの魔法使い」のメインテーマがモチーフらしい)が、ダイヤ集めに殺伐としがちな雰囲気を和ませてくれているからでしょう。
確かに決して簡単なゲームではありません。最初は自機の操作や虹の扱いに戸惑うかもしれませんが、慣れてくると虹を崩して敵を巻き込む快感がたまらなくなります。そして苦労して自機が少しずつパワーアップし、終盤では無双状態になるや、プレイヤーは「オレサイキョー」のカタルシスを味わうことが出来るのです。
このように「目に見えて上達が分かる」というのは良いゲームには不可欠の要素であると言えるでしょう。加えて、前作「バブルボブル」は終盤面があまりにも高難易度でマニアックであったのに比べ、本作はゲームをあまりやり込んでいない方でも、プレイを重ねれば確実にクリア出来るように設計されているように思えます。
ポップなグラフィック、心地良いBGM、適度な難易度と、非常に間口の広いゲームだったと言えるでしょう。もっとも、先述のように、上手くなるとプレイ時間がとんでもなく長くなるので、お店の方は嫌がったかもしれませんね。そんな素晴らしいゲームのスーパープレイはこちらでご覧いただけます(ただし稼ぎプレイです)。今見ても、十分に楽しめる内容と言えるでしょう。
さて本作がリリースされたのは1987年。私がゲーセンに通い始める前のことです。…格ゲー全盛期とは時代が違いますね。今回の前置きは何だったのでしょうか。それはさておき、私はどこでこのゲームを知り、プレイしたのでしょう?…ここまでお読みの方なら、もうお分かりですよね。その模様は次回にお話しすることにいたしましょう。
続きます。
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