今回はカプコンより「闘いの挽歌」をご紹介しましょう。いやぁ、久々のカプコンの登場ですねぇ。七回の「大魔界村」以来でしょうか(アタックスは勘定に入れません)。
格ゲーやベルトスクロールACTで大躍進したカプコンですが、元々は「ストライダー飛龍」(ステージ上を縦横無尽すぎるほど駆け回れて迷う)や「トップシークレット」(ACTなのにジャンプ出来ない)などの破天荒なACTを作るメーカーでした。しかも骨太のクソむつかしいものばかりで、ハナタレ小僧の当時の私には手も足も出ない、「鬼軍曹メーカー」でありました。
さて今回紹介する「闘いの挽歌」もそんな破天荒でクソむつかしいACTで、アーケード版は1986年にリリースされ、どういうわけか同年にファミコンに移植されました。同時に開発してたんじゃねぇのか?というほどのフットワークの軽さですが、それはさておき、今回はファミコン版の方をご紹介させていただこうと思います。それではまず、ストーリーの紹介です。
「時は世紀末、核戦争が勃発し、都市という都市は破壊されたが、わずかな人類は生き残った。しかし剣王アキレス率いる軍団によって、世界は暴力と恐怖によって支配された。軍団の横暴なやり方に虐げられながら人々は暮らしていたが、ある日、あらゆる武術を習得した若者「リュウ」が現れ、人々はアキレス抹殺を依頼する。これを受けたリュウは剣と盾とを携えて、アキレスの住む宮殿へと向かったのだったのだった。」
…まんま北斗の拳ですね。いや、マッドマックスでしょうか。でも私、こういう世界観大好きです。男子はこういうの大好きなんですよ。ヒャッハー!水は無限だ!…それではシステムの紹介に移りましょう(赤面)。
このゲームはサイドビュー横スクロールACTです。十字キー左右で移動、上でジャンプ、下でしゃがみます。ボタンAで盾による防御、ボタンBで剣による斬撃となります。このゲームで重要なのが盾の存在で、盾による防御はほぼ全ての敵の攻撃を防ぐことが出来ます(敵の体当たりは除く)。十字キー上+ボタンAで上方向にも盾を構えることが出来ます。
ただし道中に出現する赤い敵(名前は忘れました)が放つ変なボールを盾で防ぐと、剣と盾を剥ぎ取られ、徒手空拳となってしまいます。この時の攻撃は「ボタンA=パンチ、ボタンB=キック」に変化し、一切の防御が出来なくなるので注意です。この状態でしばらく進むと、何故か剣と盾がそれとなく出現しますので、速やかに取得しましょう。
このゲームはライフ制、かつ残機制です。ライフは8つあり、敵に触れたり攻撃を喰らうとライフが1つ減りますが、攻撃によっては2つや4つ減ることもあります。ライフが全て無くなるとミスとなり、残機が減ります。また各ステージには制限時間が設定されており、これがゼロになってもミスとなります。残機を全て失うとゲームオーバーです。各ステージ最後に待ち受けるボスを倒せばステージクリアとなり、最終面の剣王アキレスを討ち取ればオールクリアとなります。
続いてパワーアップアイテムの紹介です。そんなに種類は多くありませんが、どれも威力は絶大です。
・P:パワーアップ:攻撃力が2倍になる。ミスするまで有効
・靴:一定時間、とんでもなく高くジャンプ出来る。空中や高い所にいる敵を倒す時に必要
・S:スピードアップ:移動速度が速くなる。ミスするかステージクリアすると無くなる
・ハート:ライフが全回復する
・1UP:残機が1機増える
上記のアイテムは基本的にステージ上の決まった箇所を攻撃することで出現しますので、よく探して確実に取るようにしたいものです。特にハートはライフを全回復出来ますので、出現場所の暗記は必須と言えましょう。また4面ではどこかにカギが隠されており、これを取らないと通路上の扉が開かず、先に進むことが出来ませんので、必ず取得しましょう。
それではステージの紹介に移りましょう。世紀末救世主伝説を地で行くようなステージばかりです。なお、各面のボスの名称は、私が完全に忘れてしまったため、雰囲気で命名した非公式のものですので、ご了承ください。
・1面:市街
廃墟と化した街が舞台。軍団の配下達が痛そうなイガイガ棒で襲い掛かります。ビルの2階からダイナマイトを投げてきたり、マンホールから顔を出してボウガンを放ってきたりと、なかなか油断出来ません。しかしどこかに地下室があり、貴重なアイテムが隠してあるという話ですが…。街はずれにはボス「ロケットパンチ野郎」が待ち構えています。
・2面:山岳地帯
街を出ると山岳地帯が広がります。岩の上からはボウガン野郎が狙撃してきますし、妙なヘリ野郎が爆弾を落としてきて大変危険です。また沼地では謎の魚が襲い掛かりますので、盾を上手く使ってかわしていきましょう。最深部には鉄球を投げてくるボス「パンク野郎」が飛び跳ねています。
・3面:地下エレベータ
地下へと続くエレベータをひたすら降りていきます。途中、穴から爆弾が転がってきたり、痛そうなイガイガ金棒を振り回す輩がいたりと、てんやわんやの大騒ぎですが、敵の動きをよく見極め、さっさと地下へ逃げていきましょう。最下層では金髪の剣士「ニセリュウ」との一騎打ちです。
・4面:地下通路
配管があちこちに伸びる薄暗い通路が舞台。イガイガ棒野郎やボウガン野郎がワラワラ出てくる上に、壁の穴から爆弾が転がり出る無法地帯。あちこちに扉があり、これを開けるためのカギを探さなくてはいけません。どこかにある隠し部屋が怪しいのですが…。ボスは「帰ってきたパンク野郎」で、また鉄球を投げてきます。
・5面:ダクト
地下へと続く竪穴をひたすら降りていきます。斧を振り回す輩が大量に現れ、もちろん爆弾もゴロゴロあります。穴の底では「イガイガ金棒野郎とロケットパンチ野郎」がリベンジ参戦。厳しい連戦を強いられます。
・6面:剣王の城
石造りの堅牢な、あるいは時代錯誤的な城。これまでの敵が総動員で襲い掛かってきます。パンク野郎、ニセリュウなどのボス達も汚名返上の機会とばかりに息巻いています。城の奥では親衛隊の「鉄球振り回し兄弟」が待ち受け、これを打倒せば、いよいよ剣王アキレスがマントをかなぐり捨てて登場です。掴むんだ、未来を…ッ!
さて先述のように、このゲームは盾が非常に重要な位置付けとなっており、攻撃だけでなく、防御もしっかりと行わないとボコボコにされるように設計されています。事実、むやみに剣を振り回しても、ボスクラスの敵にはダメージを与えることが困難で、むしろ返り討ちに遭うのがオチです。ですから「敵の攻撃を確実に防ぎ、隙を見て攻撃に転じる」という、まことに剣士らしい立ち回りが必要になってきます。このあたりの駆け引きは、後のストⅡやファイナルファイトなどのベルトスクロールACTにも繋がっていったように思えます。
ただ、さすがにカプコンのACTだけあって、少々むつかしめの難易度のように思えます。確かに最初は敵の攻撃を防ぐので手一杯でしょうが、しかし敵の攻撃パターンを学習すると、どこで防御に徹すれば良いのかが自然と見えてきます。そして攻撃と防御を織り交ぜた駆け引きの面白さが味わえ、やがては難なくボス敵を倒せるようになっていることでしょう。「システムを自然と理解させ、結果、攻略が有利になる」ようなゲームデザインと言え、カプコンはこのようなゲーム作りが非常に上手いメーカーですね。
さて、グラフィックですが、そこはファミコンですから造形は簡素です。しかし暗めの色使いによって生き生きとした質感を持ち、却って簡素なキャラクターだからこそ世紀末の混乱を上手く表現出来ているようにも思えます。それはBGMにも言えることで、勇ましく、しかし寂しげで、どこか狂気を感じさせるようなメロディーラインは耳に心地よく、混乱の時代を描いたゲーム内容にシックリとマッチしています。
このように本作はファミコンでありながら、システム、グラフィック、BGMが上手く噛み合い、殺伐とした世紀末を見事に表現出来たゲームと言えるでしょう。現在はバーチャルコンソールで配信されていますが…、まだ配信されているのかしら。そのあたりが心配なので、とりあえずはこちらで世紀末救世主伝説をご覧ください。一度見たら忘れらない、強烈な印象を残してくれると思います。
…さて、あのゲームバカはファミコンを持っていなかったはずです。どこでプレイしたので…、もうお分かりですね?いつものアレですよ。懲りないヤツですね。はてさて、剣王の元まで辿り着けたのでしょうか?
続きます。
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