Eテレ 「きょうの料理ビギナーズ」

TV番組
スポンサーリンク

 さて前回は珍奇料理のお話をしましたが、私は下手の横好きだけあって、料理の本やネット上のレシピなどもチェックしています。もちろん料理関係のテレビ番組も見るわけで、今回ご紹介する番組「きょうの料理ビギナーズ」は私の一番のお気に入りの料理情報源なのです。

 

 さて料理番組と言いましても、本家「きょうの料理」や「キューピー3分クッキング」など、結構な数の番組数があります。しかしこれらの番組は、正直言いまして「それなりに料理が出来る人向け」であります。番組内でも「小さじ1/2」とか「とろ火で10分」とか「油を180℃まで熱して」などなど、料理をしない人にはまるでわからんちんな専門用語がズバズバ出てくるのです。

 その上、手順も結構な段階に分かれており、慣れていない方はメモを取ることもおぼつかないわけで、結果として材料の一部と完成形だけが脳裏に焼き付けられることになり、肝心の調理手順は謎のまま、なんてこともあるわけです。これではレシピを覚えるどころか「あぁ、自分にはチンジャオロースなんてムリだ、お湯でも飲んでればいいんだ。」と、軽い諦念に駆られること請け合いです(いいすぎ)

 対して「きょうの料理ビギナーズ」は、タイトルに偽りなく、ホントにビギナー向けです。具体的にいくつかの点を挙げてみましょう。

 

 

・材料と手順が少ない

 この番組で紹介される料理は、どれも材料が5、6品程度で、しかも大抵冷蔵庫に転がっているような食材ばかり。また料理手順もだいたい10工程以内に収まっており、メモもカンタンに取れます。というか、すぐに覚えられますので、メモもいりません。

 

・手順の説明がトテモ丁寧

 大抵の料理番組はプロの人がモノスゴイスピードで調理しているのを、横でアシスタントの人が忙しく「ここで塩ですね!?」などと説明していますが、この番組では1工程ごとに、ゆっくりと、しかも手元をアップで示してくれるので、とても分かりやすいのです。

 

・料理の基本から教えてくれる

 毎回ではありませんが、「小さじ1とは何ccか」とか「砂糖と塩はどちらを先に入れるか」とか「肉を焼く時のコツ」などの料理の基本を改めて教えてくれます。料理とは実に論理的であることがよく分かり、ある程度料理をたしなむ人でも勉強になります。

 

 

 このように、「カンタン」「丁寧」「分かりやすい」と三拍子が揃い、料理に初めて挑む方にも無理のない、とてもやさしい内容となっています。ではホントにビギナー向けの番組かというと、そうでもありません。というのは、実はこの番組、結構奥が深いのです。

 

 

・旬の食材の使い方が分かる

 どんな食材でも、旬の物が安く、かつ美味しいものです。しかし、例えば秋の味覚「サンマ」が旬だからと言って、毎日塩焼きというのは(私は大好きなので構いませんが)いただけません。

 しかしこの番組では旬の食材を美味しく食べる、様々な調理法を紹介してくれます。先日の放送では「ごぼう」を取り上げていましたが、案外ごぼうって「きんぴら」や「豚汁」などばかりで、ウマイ使い方が分からないものですが、番組ではごぼうと牛肉を煮た「土佐煮」や「鶏肉とごぼうのスープ」などを紹介していました。作ってみましたが、確かに美味しいです。

 このように、定番の調理法とはちょっと角度を変えた方法が示され、食材の意外な可能性が見えてきます。しかしそれらは決して奇をてらったものではなく、しっかりと理にかなっているものばかりで、この点は次の「食材と調理法の関係」に関連しています。

 

・食材と調理法の関係が分かる

 料理には「焼く」、「煮る」、「揚げる」などの調理法がありますが、食材によってはウマくない組み合わせがあります。例えば肉全体に脂身が入っている「肩ロース」は、「揚げる」といった油をたくさん使う調理法では余計に脂っこくなってしまうので向きませんし、煮魚を作るときのダシにカツオ節を使うと味がぼやけてしまいます。

 この番組では食材に適した調理法をしっかりとした解説付きで教えてくれます。先日の放送では豚バラを使った「ズッキーニの肉巻き」を紹介していましたが、これはズッキーニが油と相性が良いため、脂身の多いバラ肉を使ったのです。

 このように自然と食材と調理法の関係性が理解でき、それは次のポイント「アレンジ」にも繋がっていきます。

 

・アレンジの余地がある

 番組で紹介される料理は非常に基本的なレシピですが、だからこそアレンジの余地があります。つまり「材料となる食材を何かと入れ替える」ことが可能なのです。

 例えば先日の放送では「鶏ムネ肉のマヨネーズ焼き」が紹介されていましたが、この「鶏ムネ肉」を「豚モモ肉」に置き換えても、「脂身が少ない」という点で一致しているためマヨネーズと相性が良く、料理として成立するのです。また「チキンカレー」では「トマトの水煮」をベースに作っていましたが、これはターメリックなどのインド系のスパイスをローリエやナツメグなどの欧州系に置き換えれば「チキンとトマトのパスタソース」として使うことも出来ます。

 先述のように、この番組は「食材と調理法の関係性」を明確に示してくれるので、このような置き換えをすぐに思い付くことが出来ます。そしてこのような「置き換え」を繰り返すことで、オリジナルからは遠く離れた「新しい料理」を発見することに繋がるのです。

 

 

 ということで、「きょうの料理ビギナーズ」は、ホントにビギナーな方から冷蔵庫の余りモノでテキトーに作れちゃう猛者の方まで、あらゆる料理野郎共に対応しています。

 加えてこの番組はアニメーションが主体で、料理上手の「ハツ江おばあちゃん」が、食いしん坊だけど料理が苦手な娘の「トシ子」やトシ子の子供である「あかね」「翔太」に料理を振る舞うという内容で、肩の力が抜けた作画と爆笑はしないが妙に中毒性があるストーリー展開で、こちらをメインで見ても楽しい番組です。

 

 そんな番組のつくりが受けたのか、今年で放送開始10年目。ホントにNHKって長寿番組が多いですね。放送時間は毎週月曜日から木曜日の21時25分からの5分番組です。しかし5分とは思えない内容の濃さです。こちらのホームページから放送内容を確認してくださいね。是非ご覧ください(回し者)


読んで頂いてありがとうございます!

↓↓このブログ独自の「いいね!」を導入しました。少しでもこの記事が気に入って頂けたら押して頂けるとうれしいです。各著者が無駄に喜びます(・∀・)イイ!! よろしくお願いしますm(__)m
The following two tabs change content below.

todome

過去のホームページ時代より寄稿させていただいておりましたが、とある作品を完結させぬままに十数年すっかり忘れ、この度親方の号令により、再び参加と相成りました、todomeと申します。 主に小話を寄稿させておりますが、マンガ、ゲームにつきましても、今後ご紹介させていただこうかと思っております。どうぞお付き合いください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました