ということで、前回、大橋ツヨシ先生の帰還をご報告させていただいたわけですが、あの時は第1巻の発売直前で、その上ネットに公開されている内容はごくわずか、しかも私には雑誌連載を読む習慣がなかったため、大橋ツヨシ帰還凱旋来日万歳記念作品「オハヨー!半世紀高校」の全貌は杳として分からず、非常に中途半端な紹介記事になってしまいました。
これはさすがに無責任の代名詞(つまり「植木等」)とも言える私でも、「しまった、フライングだったか」と枕を抱いて呻いてみたり、「いや、大橋先生の手足となって働くのに、早いも遅いもあるものか、あぁ、あるものか」と自己催眠を施してみたりと、まさに東奔西走八面六臂、春風駘蕩馬耳東風の活躍を演じたわけであります(主観的には)。
で、先日(といっても2か月前)ついに、嗚呼、ついに第1巻を「初版で」手に入れましたので(別に威張れることでもない)、ここにその全貌をご報告させていただきたいと思い、ペンを取りました(投書風)。しかし何しろ私は「中毒になっちゃった大橋ツヨシファン」であるため、新作を読むことが出来た感激により、どう考えても贔屓目にしか見えない感想を書きかねない、いや、むしろ書きますので、話半分でお付き合い下さればと思います(レビューとしてはダメ)。
さて、一応、念のため、保険を掛けて、「オハヨー!半世紀高校」とはどういう作品なのかを、毎度おなじみ以前のブログからのコピペでご紹介いたしましょう(最悪)。
多分日本のどっかにある「半世紀高校」。その名の通り、この高校は1年生から50年生まであり、広大な敷地と無数の校舎が立ち並ぶマンモス校。本当に幅広い年代が集まるこの高校、さて、どんな騒ぎが始まりますやら…。(原文ママ)
というわけで、50年生まであるから半世紀高校というわけで、この設定だと大橋作品に欠かせないおっさんやじいさんを無理なく出せるので、なかなかトンチの効いたスゴイシステムなわけです。手塚先生のスターシステムはもちろん、グーテンベルクの活版印刷以来の大発明と言えましょう(言えません)。前回の記事ではここで終わってしまいましたが、単行本を入手した特権により、いや特権階級なので(妄想)、もう少し詳しくご紹介いたしましょう。
本作は大橋先生王道の4コママンガであり、一応主人公キャラとも言える半世紀高校5年生の「ハチマキ(お察しの通り、彼はハチマキをしています)」、ビートルズみたいな「マッシュ」、帽子がデカい「花井くん」、つぶらな瞳の「植木くん」、永遠にハイテンション「佐野くん」らを中心に、青春真っ盛りの学園ライフが描かれております。とはいえ、一般的な学園モノとは当然の如く一線を画し、我々の日常とは明らかに次元の違う、「破天荒」という言葉が驚くほどシックリくる内容となっています。
さてどのように破天荒なのか?大橋先生と言えば「ダジャレ」、「プロレス」、「下ネタ」、「懐メロ」、「昔の特撮」、「明らかにめんどくさくなって投げやり気味なオチ」などなどで、どう考えても読者層を考慮していない「やりたいから、やる」としか言いようのないネタばかりです。これらのネタが「頭のどこを使うと思い付くんだろう」というレベルで放たれます。ネタバレしたくないので具体的にはご紹介出来ませんが、もう我々とは次元が違うのです。恐らく先生はヤプール人かなんかなのでしょう(褒めてますよ)。
さてこの手法(?)は代表作「エレキング」において、これでもかと確立されたわけですが、本作ではまだ第1巻ということからか、まだ本気を出していません。せいぜい立ち合いのかち上げくらいであり、大橋ワールドの登竜門入門としては丁度良い濃度であると言えます。
しかしこの先、かち上げは肘打ちになり、やがてローキック気味のけたぐりになり、最終的には幕之内一歩によるデンプシーロール級のネタがブッこまれることは間違いありません。ていうか、1巻後半からしてアクセルベタ踏みを開始したようですし、何より巻末に掲載されている半世紀高校夜間部編「コンバンワ!半世紀高校」(ウェブ連載のスピンオフ作品)が既に忍者レッグラリアート(往年の格ゲー「ワールドヒーローズ」より)並の破壊力なのですので、2巻はもう止められないでしょう。まぁ、止める気はありませんし、むしろ「いいぞ、もっとやれ!」と野次るんですが。
…さて、ここで今回の記事を読み返してみましたが、まるで「半世紀高校」の内容が分からず、ただただ「何やらこの記事を書いた人はひどくコーフンしているようでゴザル」ということしか分からない、典型的なダメ記事になっていることに気が付きました。でもねぇ、そもそもギャグマンガを文字で説明しろってのがどだい無理な話なんですよ(開き直り)。
これはもう、実際に読んでみるしかないですね(レビューを放棄)。ということで、こちらで試し読み出来ます。モニターに焼き付きが出来るほどお読みください。気が付けば書店のレジに「半世紀高校」を片手に並んでいることでしょう。大丈夫!あとは勇気だけだ!(サイボーグ009)是非お買い求めください(回し者)。
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