いにしえゲーム回顧録 十二回表 「LSIゲーム(ボタン電池編)」

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 3DSやPS VITAなど、現代はいつでもどこでも遊べる携帯ゲームが当たり前になりました。しかし内容は携帯機でありながら、なかなか本格的な物が多く、プレイ時間が家庭用ゲーム機を軽く超えるソフトも珍しくありません。またスマホのソーシャルゲームはその手軽さから、ライトユーザーを上手に取り込んで爆発的に普及しました。実際、街ではちょっとした空き時間に携帯ゲーム機やスマホを操作している人の姿をよく見ますし、普及率も家庭用ゲーム機を超えてしまいました。

 今回はそんな携帯ゲーム機を取り上げてみたいと思います。しかしこのコーナーは「いにしえ」なので、昔のゲームを取り上げますが、さて、皆さんはどんなタイトルを思い出しますか?DSのレイトン教授?GBAの逆転裁判?GGのハレーウォーズ?GBのテトリスでしょうか?いえいえ、もっと昔です。そう、ゲームウォッチの時代です。

 ゲームウォッチは任天堂が発売した液晶ゲーム機シリーズで、その名の通りゲーム機能と時計機能が搭載されたハイブリッドアイテムです。しかし搭載されているゲームは一種類のみで、せいぜい難易度が変えられるくらいでした。それでも当時は「どこでもゲームが出来る!(時計機能はどうでも良い)」ということで、非常に衝撃的で、事実大ヒットしました。さてこの他にも液晶による携帯ゲームは複数存在し、それらは「LSIゲーム」と総称されます。今回は私が遊んだLSIゲームのいくつかを紹介したいと思います。

 

 「恐怖の無人島」

 このゲームは一画面固定のアクションゲームで、左右キーとボタン1つで遊びます。難易度はA、Bの二段階で、後者の方が難易度が高いです。ゲームは海が舞台となっており、大海原を泳ぐ「アトランティスフェイズ(今命名)」と無人島での死闘を描いた「ムーフェイズ(今命名)」の二部構成になっています。ではゲームの流れを追っていきましょう。

 

 アトランティスフェイズ : まず画面右よりいきなり飛行機が墜落、着水し、パイロットが海に投げ出されます。周りは一面の海で何にもありません。するとどこからともなくサメ(おそらくホオジロザメ。映画「ジョーズ」のモデルとなるくらい危険)が近寄って来て容赦なく襲いかかってきます。サメとパイロットが隣接するとミスとなりますので、左右キーで避けましょう。一定数のサメを避けると、唐突に画面左端に島が出現しますので、迅速に上陸してください。

 ムーフェイズ : 無人島(広さはほぼ8畳)に上陸して一安心と思いきや、先程のサメ達が三方向からパイロットに向かって飛びかかってきます。また島に一本しかないヤシの木からヤシの実が無尽蔵に落下してきますから、パイロットは左右キーで移動し、サメとヤシの実をかわしつつ、ボタンを押して持っている棒切れでサメを攻撃してください。一定数のサメをぶちのめすと、画面右手より丸太が流れてきて、パイロットはいちかばちかとばかりにそれに乗り込みます。そのまま大海原を進むと運良く(というか予定調和的に)豪華客船に救助されてクリアとなります。

 

 以上が全体の流れです。クリアするとこのトンチキパイロットは再び墜落、着水し、先の死闘を繰り広げますので、3ミスするか飽きるまで繰り返しましょう。なお、ゲームBではサメの移動速度が異様に早くなり、またやられ判定もシビアになるので、少しでも隣接するとミスになります。また無人島のヤシの実の落下速度も速くなり、数珠つなぎで落下してくるので回避がむつかしくなります。

 このゲームのポイントは何よりもパイロットの胆力です。サメを避けながら無人島まで泳ぎ着き、そこでもサメとの死闘を演じることはもちろんですが、流れ着いた丸太に何の保証もないのに躊躇なく乗るなんて一般人には無理です。なのに丸太に乗る度に確実に豪華客船に助けられるとは何たる豪運。でも飛行機の操縦はヘタ。もしかするとこれは大規模な「大脱出マジック」なんじゃないかとも思えます。

 

 

 「悪霊の館」

 このゲームは一画面固定のアクションゲームで、4方向キーとボタン1つで遊びます。難易度はA、Bの二段階で、後者の方が難易度がもちろん高いです。ゲームは悪霊が棲むと言われる館が舞台で、館の前庭を舞台にした「スニーキングフェイズ(今命名)」と館内での激闘を描いた「エクソシストフェイズ(今命名)」の二部構成となっています。それではゲームの流れを追っていきましょう。

 

 スニーキングフェイズ : まずプレイヤーは前庭に侵入します。庭の樹木はいかにも呪われてそうな佇まいですが、そこでオオコウモリの群れとナイフ一本で戦います。オオコウモリは庭の手前、中央、奥に出現しますから、方向キーの上下で移動して、ボタンで攻撃してください。この時背後から墓石がスッ飛んできますので、これも上手くかわしてください。一定数のオオコウモリを退治すると、庭の奥の池から石橋が出現し、館への道が開かれます。

 エクソシストフェイズ : 館に入ると下り階段があり、プレイヤーはそこを降りていきます。が、一番下の段には死神が立っていて、通過しようとすると問答無用でカマで殺られますので、まずは階段部分に現れるモンスター(狼男、吸血鬼、ミイラ)をナイフ一本で倒しましょう。階段のいくつかの部分は時折崩れて落下してしまうので、これも方向キーの左右でよけていきましょう。一定数のモンスターを倒すと、急に死神がどこかに行きますから、その隙に階段を通過してください。

 下の部屋に到達すると、背後に再び死神が出現し、退路なんかもう無くなります。仕方ないので部屋の奥にいるフランケンを倒してください。この時、先程の階段の崩れた破片が脳天にヒットすることもありますし、死神に近づくと時折カマで殺りにきますし、フランケンも両手を伸ばしてチョークをキメに来るので、方向キーの左右でよけつつ、フランケンにナイフ一本で攻撃してください。首尾良く倒すと、部屋の奥の出口から脱出出来ます。

 しかしそこは先程と同じような下り階段ですので、先程と同様にモンスターを倒し、死神をすり抜け、フランケンを倒してください。2つ目の出口を抜けると悪霊が眠る棺がありますので、これにナイフを突き立てればクリアとなります。

 

 以上が全体の流れです。クリアすると悪霊を封印するのを忘れたのか、それとも別の悪霊を倒しに行くのか、再び館の前庭に戻りますので、3ミスするか完全にパターン化出来るまで繰り返してください。なお、ゲームBでは全ての敵キャラの動きが俊敏になります。オオコウモリと墓石はジェット機の如くスッ飛んできますし、館内のモンスターもノーモーションで殺りにきます。

 さてこのゲームのポイントはやはりナイフ一本に尽きるでしょう。どうして護符とか聖書とか持ってこなかったんでしょう。しかし悪霊を一発で葬れるくらいですから、相当な加護を受けたナイフであることは間違いないでしょうが、その割には悪霊を守るモンスター達が強すぎます。本当にこの悪霊は脅威だったのでしょうか?あ、これはアレですか、グラディウスのラスボスみたいなもんですかね。

 

 さて、これまでは1画面のLSIゲームを紹介してきましたが、時は下って、なんと2画面のLSIゲームが登場するのです。その模様は十二回裏でお話ししましょう。


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todome

過去のホームページ時代より寄稿させていただいておりましたが、とある作品を完結させぬままに十数年すっかり忘れ、この度親方の号令により、再び参加と相成りました、todomeと申します。 主に小話を寄稿させておりますが、マンガ、ゲームにつきましても、今後ご紹介させていただこうかと思っております。どうぞお付き合いください。

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