いにしえゲーム回顧録 十八回表 「エレベーターアクションリターンズ(上へまいります編)」

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 今回はタイトーの「エレベーターアクションリターンズ」をご紹介いたします。以前より申し上げています通り、タイトーは珍奇ゲームを作る、デッドボールも辞さない猛者メーカーとして認識しておりますが、このゲームは珍しくまともです、と思いきや、やっぱりどこかトンチキなので一安心です。

 そもそも前作である「エレベーターアクション」からしてトンチキでしたね。内容としては機密文書をかっぱらうスパイアクションゲームでしたが、まずスパイがロープでビル屋上に潜入しますが、いきなりロープ切断、退路なしの憂き目に遭うという衝撃の展開。そして機密文書を隠しているクセに、ドアはあからさまに目立つ赤という敵側のうっかり加減。その上スパイのクセに電灯壊してフロアを停電にしたり、あっさり見つかってガンガン発砲したり、地味にエレベーターで敵を潰してみたりと、まさに007も真っ青の忍ばないスパイ。実にタイトーらしい、なかなかクセのあるゲームでした。

 さてそれから十数年後、何を思ったか続編がリリースされます。それが今回の「エレベーターアクションリターンズ」であります。グラフィックはもちろん、装備やアクション、それにステージギミックが猛烈に豊富になり、またゲーム内容も以前のコッソリ隠密行動から開き直って正面切ってのドンパチアクションに変更され、特に爆発エフェクトが頻発するために相当派手なゲームに生まれ変わりました。つまりトンチキに拍車が掛かったわけですね。素晴らしい!タイトーはそうでなくてはいけません。それではストーリーを紹介しましょう。

 

「テロが頻発する近未来。あるテロ組織が急激に台頭してきた。事態を重く見た政府は、特殊部隊にテロ組織の調査、および壊滅を命じたのだったのだった。」

 

 と、今回の主人公はスパイではなく特殊部隊。派手な爆発をはじめとした忍ばない行動も頷けます。プレイヤーは特殊部隊の1人となり、急進的テロ組織壊滅のため、激しい戦いに身を投じ、機密情報入手や爆弾解除など、まぁアレコレするのです。それではシステムの紹介です。

 

 このゲームは任意スクロールの横視点アクションゲームです。ステージは基本的に建物の中で、階層の概念があり、これをエレベーターで移動するわけです。レバー左右で移動、2回入力することでダッシュ出来ます。また上下でエレベーターを操作。地面で下入力でしゃがみます。ボタン1で発砲、レバー入力で上方射撃、下方射撃することが出来ます。ボタン2でジャンプ。ボタン1と2を同時押しすることで弾数制限のあるサブウェポンを使用することができ、レバー入力で投擲距離を変えることが出来ます。また敵に近づいた状態でボタン1を押すと格闘攻撃になります。

 本作はライフ制で敵の攻撃を受けたり、トラップに引っ掛かったりすると減少し、ゼロになるとミスになります。また階下に転落したり、エレベーターに挟まれたりしてもミスになります。また制限時間が設けられているので、これを過ぎてしまってもミスになります。ちなみにこのゲーム1UPしませんので、慎重な行動が要求されます。

 プレイヤーはステージ上の赤いドアに入り、機密文書奪取や爆弾解除などを行うことが目的ですが、具体的には赤いドアに入れば良いだけです。全ての赤いドアに入ればステージクリアとなります(一部ボスが出現する場合もある)。また青いドアに入るとドリームコルテットルーレットが作動、得点アイテム、サブウェポン補充、体力回復アイテムのいずれかを得ることが出来ます。

 また前作同様、今作でも電灯を壊すと停電しますが、しかし1フロアだけです。今回は配電盤が存在し、これを破壊すれば全フロアが一定時間停電します。この間、敵は自機を捕捉することが出来なくなるので、一方的な攻撃や勇気ある撤退など、状況を有利にすることが出来ますので、上手く利用してください。

 

 更にステージ上の特定オブジェクトを破壊すると、弾数制限のある特殊武器を装備することが出来ます。

・M:マシンガン。オート連射が出来るようになる。弾数100。

・L:ランチャー。敵を貫通し爆発するロケットランチャーを撃てるようになる。弾数20。

 なお、同じ特殊武器を続けて取ると残弾数が上乗せされますが、違う武器を取ると変更され、既定の弾数となります。

 

 さて今回は3人の主人公が存在します。それぞれ性能が異なり、特にサブウェポンの種類が違います。名前は忘れてしまったので私がテキトーに付けた名前で紹介します。

 

・ロン毛:連射力:中、防御力:中、スピード:速。サブウェポンはフロア全体に爆風が飛ぶ手榴弾。

・姐御:連射力:速、防御力:低、スピード:中。サブウェポンは一定時間、小範囲炎上する焼夷弾。

・ゴリさん:連射力:中、防御力:高、スピード:遅。サブウェポンは一定範囲に鉄片を撒き散らす破片手榴弾。

 

 どのキャラクターも一長一短、特にスピードとサブウェポンに特色が出ています。例えばロン毛はスピードが速いのでそつなく行動出来ますが、全体的に攻撃が地味で、威力もそれほど高くないので、少々長期戦を強いられます。姐御はスピードは普通ですが、焼夷弾の効果範囲が小さいので迅速な行動が求められます。またゴリさんの破片手榴弾は強力ですが、スピードが遅く、敵の行動を先読みする必要があります。このように、各々の特色を理解した上でのプレイスタイルが求められるわけです。

 

 さてステージは敵の簡易アジトである廃ビルから始まり、空港、建設中のビル、地下水道など、実に多彩な状況が用意されています。そしてステージ特有のギミックに溢れ、また敵の配置も非常に良く練られていて、闇雲に突撃しても攻略できないようなマップ構成になっています。加えてこのゲームは1UPしませんから、ステージ攻略には細心の注意と慎重な行動が要求されているのです。その意味で難易度は高めですが、しかし試行錯誤を繰り返すことが確実に前進し、クリア出来るようにデザインされています。

 またグラフィックは非常に細かく書き込まれており、特に自機、敵キャラクターのアニメーションパターンが豊かで、生き生きとしています。加えて何かとドンパチドカーンの内容のために背景が壊れた物である場合が多いのですが、その表現がとても優れています。実際、どう壊れるのか意味もなくあちこち撃ってしまうくらいです。対照的にBGMは非常に控えめですが、要所要所でしっかり盛り上げてくれますし、その中を銃撃音が響き渡ることで、それが却って戦場の緊迫感を醸し出しているように思えます。

 

 このように前作同様にエレベーターをギミックの中心としていながらも、より深いゲーム性と美しく進化したグラフィック、BGMにより、大幅にパワーアップしたのが本作と言えましょう。特に今回導入されたサブウェポンが非常に爽快で、弾数制限があるのにポンポン使ってしまいたくなる楽しいフィーチャーです。まぁ、所々にトンチキなシチュエーションがあったりするのも、それはタイトーならではのご愛嬌。正統派アクションゲームの楽しさを味わうことが出来るのでしょう。見かけたら是非プレイしていただければと思います。

 

 さて、どのサブウェポンにしようか悩んでいる中坊の私がいますね。どれを選ぶんでしょうか?十八回裏に続きます。


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todome

過去のホームページ時代より寄稿させていただいておりましたが、とある作品を完結させぬままに十数年すっかり忘れ、この度親方の号令により、再び参加と相成りました、todomeと申します。 主に小話を寄稿させておりますが、マンガ、ゲームにつきましても、今後ご紹介させていただこうかと思っております。どうぞお付き合いください。

コメント

  1. galthie より:
    エレベーターアクション、一度プレーするとすごく記憶に残るゲームだと感じます。 todome氏がおっしゃるようにそれもタイトーのトンチキな魅力なのですかね。 確かに続編が出たときは驚きました。 ストーリー今度はスパイではなく、特殊部隊だったんですね。 このゲームは本当に難しいので、todome氏の攻略状況は気になります。 次回も楽しみにしています。
  2. todome より:
     初代は指先から念力が発射されているように見えましたが、ジャンプの時のSEの間抜けさが一番笑いましたねぇ。あとジャンプで天井から車に乗るところとか。  そしてまさかの続編。「忍ぶ」という縛りを取っ払ったおかげで、タイトーが好き放題やっている快作であります。  実は「ライフ制になったとはいえ、残機が少ないし、ライフ回復のチャンスも少ないのでむつかしい」という意見と、「ライフ制になったし、ライフ回復も出来るので簡単になった」という意見があるのです。  中坊の私はどうだったんでしょう。次回を気長にお待ちください。
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