さて今回はちょっと趣向を変えて、私が出会った「なんかヘンだ、コレ」と思ったゲームをいくつかご紹介したいと思います。グラフィックがヘンとか、システムが斬新とか、よく分かんないけど雰囲気がどうかしているとか、とにかく何かひっかかる代物なのです。しかしどのゲームもフツーに面白かったので、ゲームとしては真っ当です。ですから見る人が見れば「フツーのゲームじゃんか」とお思いになるかもしれませんので、その点はあらかじめご了承くださいね。あ、データイーストは殿堂入りなので、登場しません。
それではまず、このゲームからお話ししましょう。
・ウォーリーをさがせ! (セガ:1992年)
ひと昔前、一冊の絵本が爆発的に流行しました。その名は「ウォーリーをさがせ!」で、ボーダーにメガネにニット帽のナイスガイ、ウォーリーを絵の中から探す絵本でした。一見簡単そうですが、この絵がものすごい書き込み量で、パッと見、モブシーンにしか見えません。その中からウォーリーを探すのですから、本当に目がシバシバしたものです。
で、この絵本をそっくりビデオゲームにしちゃったのが、今回ご紹介する「ウォーリーをさがせ!」なのです。ぶっちゃけ便乗商法時流を上手く捉えたセガはさすがと言えましょう。それではシステムの紹介です。
このゲームはトラックボールとボタン1つで遊びます。トラックボールとは操作パネルに握りこぶし大のボールが半分めり込んだようなデバイスで、これを転がすことでキャラクターを操作します。つまり右に転がせばキャラクターは右に、左上に転がせばキャラクターは左上に動かすことが出来るのです。まぁ、大掛かりなマウスみたいなものですね。ただご想像通り、マウスよりも操作性は悪いです。が、そこがゲームのキモでもあるのです。トラックボールを使ったゲームとしては、「サイバリオン」や「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」「カプコンボウリング」などがあり、どれも操作がむつかしいゲームでした。
さて本作では「指先キャラクター」を動かし、ここぞと思う個所に合わせてボタンを押すと、正否が判定される仕組みになっております。ゲームは制限時間制となっており、画面下にタイマーゲージがあります。時間経過と共にジリジリと減りますし、間違った場所を選んでしまうと大きく減ってしまいます。コレがなくなってしまうとゲームオーバーとなります。
さて、このゲームは4つのラウンドが1セットとなっており、順番に挑戦していきます。詳細は以下の通りです。なお、各ラウンドにはプレイヤーのタイマーゲージとは別に制限時間が設けられており、ノルマを達成出来なくても、一定時間経つと強制終了となり、次のラウンドに移ります。
1ラウンドと2ラウンドではオーソドックスな「ウォーリーをさがせ!」で、画面内のどこかにいるウォーリーを探し出せばクリアとなります。見事ウォーリーを探し出せばボーダーにメガネにニット帽の子猫ちゃん「ウォーリーのガールフレンド(多分)」が現れ、ソフトクリームを投げて寄越してくれます。
3ラウンドはカーテンやらドアやら何やらで、人物が見えにくくなっています。いわば「オジャマ付きウォーリーをさがせ!」となります。ただでさえモブ状態で見にくいのに、ドアが開いたり閉まったりで頭の中の何かが切れます。それでも見事ウォーリーを探し出せばボーダーにメガネにニット帽のエンジェル「ウォーリーのステディ(推測)」が現れ、ソフトクリームを投げて寄越してくれます。
4ラウンドは急に「間違いさがし」になります。最初に見本の画面が示され、画面が切り替わると変化している箇所があるので、そこを探します。カンタンなものから人類には無理なものまで幅広くありますが、見事探し出せばボーダーにメガネにニット帽の小悪魔「ウォーリーの峰不二子(言いすぎ)」が現れ、ソフトクリームを投げて寄越してくれます。
以上4ラウンドを走破出来れば(強制終了でもクリア扱いになりますが、ソフトクリームは貰えません)、いよいよ楽しいボーナスステージに突入です!ボーナスステージでは以下のようなミニゲームに挑戦します。
・巨人:巨人の足の裏をトラックボールでグリグリくすぐる
・与作:大木を斧で切り倒す。パワーゲージが上下するので、タイミング良くボタンを押す
・カール・ゴッチ:ボタン連打でいろんなものを握りつぶす
・目押し:頭、胴、足の絵がスロットのように回っているので、ボタンで止めて合わせる
・遁走:ウォーリーが逃げているので、トラックボールをゴロゴロして追いつく
…などなど。これらミニゲームをクリアすると、ワードナ魔法使いのおっさんがバカでかいケーキを口の中に投げて寄越します。するとタイマーゲージがみるみる回復するのです。加えてこれまでの4ラウンドでゲットしたソフトクリームにもパクつき、1つにつき少々ですが、タイマーゲージが回復するのです。
そしてインターミッションとして、パレードで全力でガッツポーズを決めたり、手首足首がどうにかなっているように見えるダンスをしたりして場をつなぎ、次のセットへ移ります。以後繰り返しとなり、こちらの忍耐力、および財力に限界が来るか、エンディングに到達するまで続くのです。
以上が本作の概要ですが、どこがヘンかと言いますと、え~と、当時中学生だった私とその仲間は、もぅ大爆笑しながらプレイしてました。何にって、もはや何に大爆笑していたか分からないくらいで、なんかもう、作品世界のテンションに飲まれてしまったとしか言いようがありません。
まず操作が「トラックボール」という点がユカイです。フツーにレバーにすればスムーズに目的の場所へポイント出来るのに、わざわざデカいボールを一所懸命にゴロゴロしなければならない「手間」は、実は多人数でワイワイやるにはもってこいなのです。実際、本作をプレイした際、私と仲間達はキャッキャウフフとボールを転がしてました。この時点でテンションはウナギ登りで、ウォーリー世界のユカイな雰囲気に飲まれ始めています。
またゲーム内の演出がユカイです。首尾良くウォーリーを見つけると、ウォーリーが無駄に華麗なスピンでキメますし、ソフトクリームを投げて寄越してくれるガールフレンドの目つきがちょっと怖いですし、ボーナスステージのミニゲームはトラックボールを必死でゴロゴロしたくなるものばかりで、つまり「トラックボールゴロゴロ」に比例して、我々のテンションも急上昇します。結果、何を見ても何故か笑えてきます。
そしてインターミッションの「手首足首骨折ダンス」でテンションは頂点に達します。なんかマヌケなBGMと共に、主人公の少年がブタさん達とダンスします。少年、満面の笑みですが、ダンスにキレがありません。骨折してるからでしょうか。しかし我々プレイヤーは最高のグルーヴと感じ、椅子を蹴倒して全員が骨折ダンスに興じます。他のお客さんが奇異の目で見つめてきますが、そんなことは気にしません(しかしゲーセンで踊り狂うのは迷惑なので、よい子はマネしちゃダメ!)。
つまり、当たり前ですが、登場キャラクター全てが「ウォーリー色」に染まっており、プレイヤーもそれに巻き込まれざるを得ないわけで、もう当てはまる言葉が見つからないので「ウォーリーイェ~イ!」みたいな感じです。今回の記事を書くにあたり、プレイ動画を見てみましたが、やっぱり何故か笑えて仕方ありませんでした。このゲームはそういう不思議な魅力を秘めているのです(説明になってない)。
…ということで、牧歌的、麻薬的、悪魔的魅力に満ちたゲーム内容はこちらでご覧いただき、私がおかしいのかゲームがおかしいのか確かめていただきたいと思います。ただこれだけは言えます。面白いゲームですよ!
では次のゲームに移りましょう。
続きます。
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