前回までのアレコレ:「レイフォース」を遊んでみたくなったボンクラは、「レイフォース」を開発したタイトーの直営店に勇んで入店。特にドラマもなくカンタンに見つかり、「コイツはステキにオモシロカッコイイぜ!(魔神英雄伝ワタル風)」とどっぷりハマるも、生来のザルな集中力により弾避けに苦戦。ポンコツはやっぱりゲーメストに助けを求めるのだったのだった。
「ロックオンレーザーの極意!」
…と、我らがゲーメストにデカデカと記事が載っています。どうして以前読んだ時に気が付かなかったのでしょう。このあたりが私の「ザル集中力」の由縁のような気もしますが、ともあれ渡りに船、早速記事を読んでみます。曰く、
「ロックしたらすぐに発射だ!」
…いや、ロックしたら発射するだろう。なんでしょう、日本語で書いてあるのに理解出来ません。さてはゲーメストお得意の誤植でしょうか(代表作「インド人を右に(「ハンドルを右に」の誤植)」)。しかし「ロックしたらすぐに発射だ!」は何回読んでも「ロックしたらすぐに発射だ!」にしか見えません。どうやら文字通りの意味らしいです。しかしよく分からんので続きを読みます。
自機の切り札「ロックオンレーザー」は、耐久力のある敵は複数ロックオン可能なのですが、フツーにプレイした場合、出来るだけロックしてから発射します。例えばロック可能弾数6発なら、6発全部ロックオンしてから発射するのです。しかしゲーメストによれば「1発ロックしたらすぐに発射」を繰り返せ、と言うのです。
…つまり、事実上レーザーの発射ボタンを目押しで連打することになります。コレ、効果あるのか?しかし記事によれば、この「目押しレーザー」で攻撃すると、全弾ロックしてから発射するよりも早く敵を倒すことができ、つまり多く撃ち込むことが出来ると言うのです。
…マジか!?これが本当なら、「ボスを手早く倒せる=弾避け時間が減る=ミスしない」という黄金定理が完成します!ィヤッホーゥ!喜び勇んでタイトーイン(パッと見『タトゥイーン』にも見える)へ突っ走る私でした。
あっという間にタイトーインに到着。早速レイフォースをプレイです。取りあえず1面の道中は気楽にプレイし、いよいよ1面ボスに対面です。えぇと、ロックオンしてすぐに発射だな。早速ボスの本体に近づいてロックオン。いつもならロック可能な全弾をロックしますが、すぐに発射します。すると1発のレーザーがボスに命中します。うん、普通だ。
しかしロックは「ピッ、ピッ」と続きますから、その度に発射します。すると単発のレーザーが矢継ぎ早にボスに命中していきます。…そうか、全弾ロックだと発射した後のリロード時間が全弾分かかりますが、この「目押しレーザー」だとリロード時間が1発分しかかかりません。なるほど、確かに早く撃ち込める!そしていつもよりも明らかに早く1面ボスを倒しました!
おぉ…これはスゴイ!1面ボスのバラマキ弾を見ることなく倒してしまったではないか!そのまま2面ボスも速攻で倒すことができ、3面冒頭の中ボス「クモ型マッシーン」も3面ボスもカンタンに撃破!スゴイ猛威!全く!カンタン!だ!(ブルワーカー)
そしてやってきました、問題の4面ボスであります。「バラマキ弾」、「ホーミングレーザー」、「機雷」の地獄の三重奏でコンチクショーなボスで、長期戦になればなるほどミスしやすくなる(個人の感想です)ボスです。しかし!今の私には!「目押しレーザー」がある!(ブルワーカー風)景清(源平討魔伝)よろしく「イヤァァァァ!」と4面ボスに飛び込みます(一部誇張があります)。
とはいえ、敵の攻撃が激しいことには変わりなく、何機が撃墜されましたが、しかし「早く撃ち込める」ということでこちらの残機が尽きる前に4面ボスを撃破することが出来ました!やった!ゲーメストバンザイィィィ!(諸手)
そして我らがX-LAYは更なる深淵へと足を踏み入れます。地面の下は広大な都市。道路が複雑に入り組んでおり、その上を輸送装置だか戦車だかが猛スピードで走り回っています。道路を走る敵機、これ即ちロックオンの的なり。ということで次々とロックオン!ボカーンボカーンと気持ち良く破壊していきますが、敵も物量戦術で来ますので、撃ちもらしが当然発生、みるみる上昇してきて無慈悲に弾をばら撒きます。で、水が高きから低きに流れるがごとく、必然として被弾(いいすぎ)。残機ゼロ。
それでもなんとか5面ボスに到着。地下に通じる通路からバカデカい金色の人型ロボ(「C-3PO」ではない)が出て来ました!ググッと後ろに振りかぶり、まさかの鉄拳パンチ!精密機械であるはずの人型ロボなのに、どうしてニポンではすぐにパンチをするのでしょう。ともあれ何とかかわしますが、続けて肩のアヤシイキャノンから紫色セプテンバーレーザー(命名:ゲーメスト)を発射!雷電のプラズマレーザーのようにぐにゃっと曲がり、我がX-LAYを貫通。ゲームオーバー!ガデム!(アメリカン)
…なんですか、この攻撃は!見てから避けることが到底ムリな攻撃であります。これは…、覚えろってことだね!でもクソ学生は金が無く、学習に必要な投資がむつかしいのです。ではどうするか?お分かりですね?ゲーメストです!(またか)
「二度とやるか!バカヤロー!(画太郎風)」ではなく「もっかいやるからな!コノヤロー!(猪木風)」と(脳内で)叫んだ私は、(妄想上の)流れる涙を拭うこともせず、(架空の)盗んだバイクで走り出し、(想像上の)夜の校舎の窓ガラスに突っ込みました。つまり家に帰ったわけです(ふつう)。
そそくさと部屋に転がっているゲーメストを開き、レイフォース攻略記事を読み込みます。何のことはありません、丸覚えです。ですから事実上、私のレイフォース攻略はここで終わるのですが、乗りかかった船、沈みかかった泥船、タイタニックフォーエバーですので(寝言)、一応事の顛末までお付き合い下さい。
さて、ゲーメストに全面攻略記事が掲載されているのをいいことに、この小僧は丸暗記してしまいました。どうしてガッコーのベンキョーでもこの能力を生かさないのでしょう。まぁ人間、好きなことしか身に付きませんからね(正当化)。ともあれ、再びロボの元に辿り着き、ゲーメスト曰く「ロボの真横は安全地帯」ということなので、セプテンバーレーザーは回避!その後の誘導機雷も避け方丸パクリで回避!そして目押しレーザーでゴリゴリとダメージを与え、ロボはてつくずになりました(あえて平仮名)。
思わず拳を握りしめる私!手柄はもちろんゲーメスト!加えて買ってきたのは兄者!しかしこの年頃ってのは、親の地位や親戚の芸能人を笠に着てイバるものですからね(正当化)。その後も先に進んではゲーメスト、ミスしてはゲーメストを繰り返し(最低)、また繰り返しプレイすることはバカでも効果があるようで、ある程度までは弾避けが上手くなり、4面ボスはノーミス、5面ボスでのミスも減り、いくらかの残機を残して先に進めるようになったのです。
こうして6面の猛攻も潜り抜け(敵のレーザーがガンガン飛んでくるので、文字通り「潜り抜け」)、謎エンジン(6面ボス)も目押しレーザーで撃破。ついに最終面に到達します。惑星中心核は真っ白な空間で、BGMも静かなものに変わります。しかしそれに反比例して敵機のスピードは最高速、スゴい勢いで突っ込んできます。
対空ショットで高速敵機を叩き落とし、巨大な塔を昇っていきます。塔の表面にはパネルがあり、ここをロックオンレーザーで攻撃すると、モリモリパワーアップアイテムが出てきます。…これはもうすぐボスだ…。果たして塔の頂上、不気味な機械が浮かび上がります。ラスボス「Con-Human」です。
が、この時の私はゲームの世界背景を何も知らないので、「なんかボス来た」としか思ってません(ポンコツ)。が、不安げに転調したBGMで、ラストバトルであることは感じ取りました。いよいよクリア目前!あとわずか!(安駄婆(源平討魔伝))
敵の360°レーザー乱舞!
これはゲーメスト直伝の「安全地帯」で回避!
敵がブラックホールを発生させた!
これにはゲーメスト直伝の「腕を壊せば消えるよ」で回避!
ある程度ダメージを与えると第2形態へチェンジ!
でもゲーメスト直伝で予習済み!
お前の手の内は、全てお見通しだ!(ゲーメストの手柄)
そしてロックオンレーザーは「Con-Human」を撃ち抜き、爆発しました。やがて自機X-LAYは操作出来なくなり、デモが始まります。X-LAYは更に高く舞い上がり、塔の頂上にロックオン。無数のロックオンレーザーが撃ち出され…。惑星は消えました。
エンディングを見ながら、私は「そうか、この星を破壊しに来たのか」とようやくゲームの目的を知ります。もぅ、コイツは両手両足いっぺんに捻挫でもすれば良いのに。やがてネームエントリーとなり、私は「AAA」と入れて、席を立ちました。冷静を装いつつも、この時の私の心臓は、それはそれは、速く速く、脈打っていたのでした。
翌日、私は二次元氏に「レイフォース」をクリアした旨を告げ、スゲェ面白かったと声高に感想を述べました。すると二次元氏は「コイツ、今頃何を言っているのだ」と言わんばかりの、実に味わい深い、香ばしい表情を浮かべました。「あぁ、人間って、こういう表情が出来るんだ、なぁ」とボンヤリ思ったものです。
その後も私は繰り返し「レイフォース」をプレイしました。ハイスコアを狙ってみたりもしましたし、SS版(レイヤーセクション)を購入した二次元氏の家で「縦画面モード」を寝転がりながらプレイしてみたりもしました(フツーのテレビは縦置きに出来ないので、必然的にプレイヤーが横に寝そべるしかない)。ここまでやりこんだのも、なにより純粋にSTGとして面白かったのが最大の理由でした。ですから後日、あまりに惚れ込んでしまったために、私は「レイフォース」のサントラを買いました。
家に帰って封を切りますとライナーノートと共に、設定資料集が同梱されていました。ここで私はようやく「レイフォース」の物語を知ります。あまりも重たいその物語は、私をタイトーSTGの虜にする最初のきっかけとなりました。またサントラによって初めて腰を据えて「レイフォース」のBGMを聞いた私は、そのSTGらしからぬ美しさにスッカリシビれ、あっという間にタイトーサウンドチーム「ZUNTATA」のファンとなります。
そしてタイトーの過去のゲームサウンドを漁ることを通して、レトロゲームの世界へと足を踏み込み、やがて「ダライアス外伝」や「メタルブラック」をプレイすることになるのですが、それはまた別のお話であります。ここまでといたしましょう。
それではまた、二十回表でお会いしましょう。
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