いにしえゲーム回顧録 十一回表 「オーダイン(香奈ちゃん編)」

ゲーム
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 今回はナムコの横シュー「オーダイン」をご紹介します。この頃のナムコは「超絶倫人ベラボーマン」や「ワンダーモモ」などの世界観がおかしいゲームをリリースする一方、「スプラッターハウス」や「ドラゴンスピリット」なんていう名作を作ってしまったりと、なんか大暴れしていた時期でもあります。そんな中発売された今作はナムコなのに横シューです。ナムコと言えば先の「ドラゴンスピリット」も「ゼビウス」も縦シューで、固定画面シューティングでも「ギャラクシアン」も「ギャプラス」も縦画面でした。横シューといえばせいぜい「スカイキッド」くらいなものなのです。ですからナムコ作品としては非常に珍しいと言えるでしょう。それではストーリーを紹介しましょう。

 

「万能物質変換装置『オーダイン』を完成させた泊博士は、その起動装置を婚約者の香奈ちゃんにプレゼントしました。そこへ悪人クボタが乱入し、香奈ちゃんもろともオーダイン起動装置を強奪していってしまいました。早速泊博士は助手のサンデー珍と共に戦闘機に乗り込み、悪人クボタを追いかけたのでしたのだった。」

 

 …色々ツッコミたい部分もありますが、ナムコなので仕方ありません。中坊の私に任せましょう。それではシステムの紹介です。

 

 ゲームは横画面強制スクロールで、レバーで8方向移動、ボタン1で対空ショット、ボタン2で対地ショットを打てます。このゲームにはお金の概念があり、特定の敵、あるいは敵編隊を倒すと出現するクリスタルがお金となります。途中に出現する「空中IN」と呼ばれるショップでアイテムを購入することで自機がパワーアップします。

 アイテムは大きく分けて「対空系」「対地系」「自機回り系」の3系統に分けられ、対空系には時間制限があり、対地系には5発の弾数制限があり、自機回り系にはミスするまで効果が持続するもの、ミスしても効果が持続するものがあります。それぞれを簡単に紹介しますと、

 

 対空系

 バルカン:オート連射出来る。結構速い。

 ワイド:緑色のデカい弾を発射出来る。顔が付いている。

 アフターファイヤー:前後に貫通弾を発射出来る。顔が付いている。

 3WAY:3方向連射ショットが打てる。結構強い。

 

 対地系

 ミサイル:ホーミングミサイルを発射出来る。一度に8発発射。

 ファイヤーボンブ:着弾すると巨大な火球が発生する。ホントに強い。

 魚雷:水中から水面へ、垂直にミサイルを発射出来る。レア。

 

 自機回り系

 スピードアップ:自機の移動速度が上がる。最高何速なのかは知らない。

 水中モーター:水中でもスピードが落ちない。

 ストックボンバー:敵弾を吸収し、一気に放出出来る。最強。

 シップ:自機が1機増える。モリモリインフレする。

 

 空中INには常時3つのアイテムが販売されていますが、買えるのは1個だけ。また2人同時プレイの場合は、プレイヤーによって品揃えが変わります。またアイテムのストックは出来ないため、買ったらすぐに使っちゃいます。例えばバルカン装備中にワイドを買うと、バルカンは消えてワイド装備になっちゃいます。そして高次面になると当然のように値段が高騰しますので、要注意です。

 また「ドリームコルテット」という店もあり、こちらは参加料を払って的当てに挑戦出来ます。見事当たるとクリスタル(最高100000)やアイテムが貰えますが、外れたらそれはハズレなのでトボトボと帰りましょう。

 

 ステージは全7面。各面ラストに巨大ボスが待ち構えています。それぞれ特徴的な攻撃をしてきて、なかなか手ごわいボスばかりですが、実はどのボスにも必ず弱点となる武器があります。その武器を上手いこと入手して、上手いことボスまで持っていけるか、というのがこのゲームのポイントであると言えましょう。

 

 さてこのゲームには拡大・縮小・回転機能がこれでもかと盛り込まれています。今ではこの機能は珍しくありませんが、当時(1988年。SFCが出るよりも前)は最先端のコンピューター技術だったのです。普通、最先端技術を開発したら、これを使って壮大でカンドーな作品を作るでしょう。

 ところがこのゲーム、ストーリーから考えると「世界存亡の危機」なのですが、しかしゲーム全体は非常にコミカルな雰囲気で、ナムコの「バカ」部分が前面に押し出されています。敵や背景のデザインはとてもポップで、色調も鮮やかで豊かです。またBGMも爽快な空の旅を演出するようなノリの良い痛快なものばかりで、コミカルな世界観の構築に一役買っています。もう堅固なまでにコミカルさを演出しているのです。

 つまり泊博士は「世界存亡の危機を救う」なんて大それた事は全く考えておらず、ただ愛する香奈ちゃんを愚直に助けに行くことだけを考えているのです。つまりこれは一人の不器用な男のささやかな愛の凸凹珍道中なのです。そんなドタバタ(もっとも舞台はかなり壮大ですが)物語に先端技術を惜しみなく使うナムコは、やはり偉大なメーカーですね。

 

 さて泊博士とサンデー珍の運命は?(大体想像付くけど)それは十一回裏でお話ししましょう。


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todome

過去のホームページ時代より寄稿させていただいておりましたが、とある作品を完結させぬままに十数年すっかり忘れ、この度親方の号令により、再び参加と相成りました、todomeと申します。 主に小話を寄稿させておりますが、マンガ、ゲームにつきましても、今後ご紹介させていただこうかと思っております。どうぞお付き合いください。

コメント

  1. galthie より:
    オーダイン!懐かしいですね。 PCエンジンにも確か移植されたので、馴染み深い作品です。 最初のストーリーは知りませんでした。 二人同時プレーものが好きだったので、これはチェックしていました。 裏はどうなるのでしょうか。
  2. todome より:
    PCEにはたくさんのアーケードが移植されていましたね。実際、私がオーダインを初めて知ったのはPCEです。 裏では中坊の私がサルのように遊び倒しますので、少々お待ちください。
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