前回までのあらすじ:雑誌ゲーメストで「ダライアス」とは何なのかを初めて知ったトンチキは「ダライアス外伝」の攻略に着手する。が、実際ゲーメストの攻略記事をなぞったものでしかなかった。それでもゾーンVをクリアしたトンチキだったが、そのエンディングの内容から、別のエンディングも見たくなってしまったトンチキだったのだった。
さてゾーンVをクリアしましたが、しかしこのゾーンは(ゲーメストによれば)最も簡単なルートとのこと。ということは、この先攻略する他の最終ゾーンは、少なからずむつかしくなることは間違いありません。残る最終ゾーンは6つですから、6通りの面構成とボスが存在することになり、したがって6通りの攻略方法を編み出さなければなりません。ダライアス初心者の私には少々どころか、かなり荷が重い気がします。
しかし!そんな時こそゲーメスト!幸い全ゾーン、および全ボスの攻略情報が出揃いました。そうです、これを熟読して、そのままプレイに反映させれば良いのです!どこまで人の褌で相撲を取る輩なのでしょう!しかし中坊の私には、そんな恥も外聞もありません。ただただ、エンディングが見たいだけです。こういう輩は大抵、ゲーム動画を見ただけでクリアした気になっているのです。実際、現在の私は動画サイトでレトロゲームのプレイ動画を見て、クリアした気になっています。これはいけませんよ。
そんなわけで、早速ゲーメストを熟読(買ってきたのはもちろん長兄)。しかしそこは格ゲー全盛の時代ですから、シューティングにそれほど多くのページを割くわけがありません。ですから一応全ゾーンの攻略記事は載っていますが、それは重要ポイントを押さえたものに過ぎず、具体的はゾーン毎に写真が2、3枚と200字程度の記事だけでした。
一応目を通しますが、当然のことながらピンと来ません。つまり何回かプレイした後に読んで、初めて意味が分かる記事内容なわけで、全くプレイしていないゾーンの解説を読んでも「よし!これでクリアじゃ!」となるわけがありません。とはいえ、ミス多発地帯は分かるので、取りあえずそこの部分を熟読し、実践に移したのでした。
さて今回はゾーンW、タツノオトシゴルートに挑戦です。このボスは攻撃パターンが分かりやすく、避けにくい弾もあまりなく、また道中もそれほどむつかしくないからでした(ゲーメストによれば)。早速ゾーンAから開始、続けてB、E、H…と、ゾーンVと同じルートを進みます。そして最後の分岐で下ルート、ゾーンWを選択すればOKです。
道中は洞窟内を進んでいくもので、変則的なスクロールもなく、また敵の意外な出現もなく、ウェーブを装備していれば確かにむつかしくないルートでした。おかげで初見にも関わらず、そしてゲーメストの攻略記事のおかげもあって、難なくボスに到達。オトシゴのシッポがウェーブを跳ね返したり、虹色ホーミングビームを出したりと、なかなか苦戦しましたが、そこはゲーメストで予習しているから安心です。時折信じられない量の弾幕に見舞われますが、そこは無理せずボンバーでゴリ押し。程なく撃沈、クリアとなりました。
さぁ、念願のエンディングです!それを見た私は…、まぁ、その、「え~…」ってなりました。しかしそれが逆に「いや、こんなエンディングは認めん!他のエンディングにする!」と、すぐに別ルートに目を向けたのでした。
その後、私は最終ゾーンはもちろん、これまで挑戦していなかった他のゾーンの攻略にいそしみました。地形が面倒臭いゾーンJ、ゾーンまるまる巨大ボス攻略のゾーンM、廃墟に夕日が美しいゾーンTなど、どのゾーンも素晴らしい演出ばかりでした。が、当然のことながら、短い記事を読んだだけではどうにもならないゾーンもあり、結局何度かミスをして体で覚えることが多かったです。そりゃそうですね。やっぱりゲーム攻略は自分でやらなければならなかったわけです。
とはいえ、ゲーメストの攻略記事はピンポイントで非常に役に立ったことは事実でした。ゾーンの道中やボスの攻撃パターンもそうですが、何よりも「最も強い装備は何か?」という記事は役に立ちました。普通、パワーアップアイテムは取れば取るほど自機が強くなり、つまり攻略が楽になるはずです。しかしダライアス外伝では少々事情が異なっていたのです。
自機シルバーホークは赤勲章を取ることでメインショットがパワーアップします。まず「ミサイル」、続いて「レーザー」、そして「ウェーブ」へと発展していきます。先の2つは問題ないのですが、ウェーブに関しては少々ややこしい問題がありました。即ち、「ウェーブはパワーアップの途中でミサイルが混じる」ということです。ウェーブは以下のように発展していきます。
小ウェーブ → 小ウェーブ+ミサイル → 小ウェーブ3連 → 大ウェーブ → 大ウェーブ+ミサイル → 大ウェーブ+小ウェーブ2連…
このように、途中でミサイルが混じることがあります。いわゆる「白玉ウェーブ」と呼ばれる形態です(ミサイルが白玉状だから)。さて、ミサイルとウェーブはどちらが攻撃力が高いのかと言いますと、実はミサイルの方が高く設定されているのです。ですから「小ウェーブ3連」よりも1ランク下の「小ウェーブ+ミサイル」の方が強いのです。ここが問題なのです。
道中のザコ敵相手ならばそれほど差は出ませんが、ボス戦ではこの装備の違いが如実に出ます。つまり白玉ウェーブの方が早くボスを撃沈させることが出来るのです。ボス戦で長引いてもあまり良いことはありません(もっとも稼ぎをするのであれば別ですが)。ですから出来るだけ白玉ウェーブを維持した方が良いことになります。上位の白玉ウェーブ(「大ウェーブ+ミサイル」や「赤ウェーブ+ミサイル」)を目指すなら取得すれば良いですが、ボス戦を白玉ウェーブで挑もうとすると、パワーアップアイテムのマネジメントが必要になってきます。これは何を意味するのかというと、「適度に赤勲章を逃した方が良い」ということになるのです。
具体的にどういう事態になるのか?それは「敵弾を回避しつつ、取りたくない赤勲章も回避しなければならない」という、歯痒い事態となります。「ダライアス外伝の最大の敵は赤勲章」という名言が生まれたことも示すように、このゲームでは「どのゾーンにいくつ赤勲章が出現するか」を覚える必要がありました。これを覚えていないと、うっかり取得した赤勲章のおかげで計算が狂い、ボスに到達した頃には白玉ウェーブではなかった、ということになってしまいます。そうなるとボスに手こずった挙句にミスしてしまって全部パー、という事態も有りうるのでした。
幸い、ゲーメストはこの情報を押さえてくれたので、私は比較的楽にゾーン毎の赤勲章の数を把握することが出来ました(もちろん、実際にプレイして初めて身に付きましたが)。それはラスボス戦への準備を万全にすることにも繋がり、マンボウ、タカアシガニ、クラゲと次々に攻略し、遂にダライアスシリーズのカリスマであるクジラを撃沈することに成功したのでした。それは全ゾーン制覇を達成した瞬間でもありました。
こうして全てのエンディングを見た私は、ホントにスッカリこのゲームが気に入ってしまい、全ゾーンクリアしたのに、毎日1回はプレイするようになりました。そしてハイスコアにも挑戦し、ダライアスシリーズ伝統の「ヒレ破壊」や「クジラ・ドリル弾稼ぎ」にも挑戦しましたが(いずれも破壊すると30000点)、ヒレ破壊はある程度モノに出来ましたが、ドリル弾に関しては難易度が高すぎ、ゲーメストにも一応方法は書かれていましたが、私の技術では限界だったので諦めました。それでも非常に高い完成度だったこともありますが、1プレイで30分はもつのも大きかったため、飽きずにプレイし続けました。
あまりにも惚れ込んだ私は、ダライアス外伝のサントラを買いました。これが私が初めて買ったゲームミュージックCDなのです。そしてライナーノーツを読み、ここでようやく「どのエンディングが真相だったのか」を知ることなったのです。私は改めてゾーンAから開始し、長い道中を経て、そのエンディングを見ました。この時ダライアス外伝は、完全に私の脳髄に刻みつけられ、今でも忘れがたいゲームとして記憶に残っているのです。
その後、京都に居を移した私は、とあるゲーセンでダライアス外伝と再会します。かれこれ数年プレイしていません。まだクジラは倒せるかしら、と腕試しにプレイしてみますと、何と連射装置がなく、手連射でした。するとまぁ、敵の硬いこと硬いこと。何とかクジラと対面するものの、敢え無くゲームオーバー。なるほど、連射装置って大事なのね、と思った私でした。
それではまた、六回表でお会いしましょう。
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