氷室冴子・山内直実「月の輝く夜に」感想

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昔の私にとって、氷室冴子先生と山内直実先生の書く漫画は、まさしく青春の書とも言うべき存在でした。 小説のほうの話ですが、今でも氷室先生の「銀の海金の大地」は続きが読みたくて仕方ありません。 だから、先生がお亡くなりになった後、山内先生が「なんて素敵にジャパネスク人妻編」を漫画化してくれたのは嬉しかったんですけど・・・早々に挫折しちゃいました。 まず元々の原作が、嫌いではないにせよ好きなほうではない。(主人公の瑠璃に共感できない) 山内先生の絵柄がかなり変わってしまった。(以前あった華やかさがなくなってしまった) この2点のせいです。 でも、この「月の輝く夜に」が漫画化されていると知ったとき、とても読みたくなりました。 原作小説がレビューなどで「碧の迷宮に雰囲気が似ている」と知ったからかもしれません。 そういうわけで、読みやすいであろう漫画のほうを購入して読んでみました。 うーむ・・・これは・・・ とても静的な話だと思いました。 主人公の喜志子はジャパネスクの瑠璃と違って、おっとりぼんやりしたお姫様。 本人も自分のことをそう思っているし、多分周りからの評価もそう。 そんな彼女が、親子ほど年の離れた恋人、有実の娘晃子を自宅に預かることになります。 晃子の存在は水に石を投げ入れた時の波紋のような存在で、その波紋が喜志子に心境の変化を起こします。 でも波紋はいつかは消えてしまうもの・・・ なんというか、登場人物全員が不幸なままで終わるという・・・ちょっと救いがないというか。 ぶっちゃけ喜志子はあんまり感情移入できないタイプだし、晃子は可哀相過ぎだし。 オチもあるんだかないんだかの結末を迎えます。 でも「碧の迷宮」が好きな私にはこの雰囲気が結構好きです。 漫画としては淡白すぎる感じもしますが(主人公が動かないので仕方ない)、読めてよかったです。 原作も今市子先生のカバーで刊行されているそうなので、いつか読みたいと思います。

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moeco

こんにちわ、今回新しくメンバーに加えていただいたmoeco(モエコ)と申します。 すでに記事はいくつか書いているので、読んだ方はお分かりだと思いますが、私は『THE腐女子』です。 といっても、腐オンリーというわけではなく、ノーマルなカップリングも大好きな乙女ゲーマーでもあります。

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